本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、150円を巡り本邦通貨当局の円買い介入の可能性に要警戒か(2024年10月17日)

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October 17, 2024

【前日の為替概況】ドル全面高 対円149.81円、対ユーロ1.0853ドル、対ポンド1.2977ドル

16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は149.64円と前営業日NY終値(149.20円)と比べて44銭程度のドル高水準だった。
ダウ平均が史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移すると、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが出た。
4時過ぎには一時149.81円と日通し高値を更新した。

ただ、前日の高値149.84円や14日の高値149.98円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが節目の4%を下回り、3.99%台まで低下したことも相場の重しとなった。

ユーロドルは3日続落。
終値は1.0862ドルと前営業日NY終値(1.0893ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ安水準だった。
米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0901ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0917ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。
欧州中央銀行(ECB)が明日17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測もユーロの重し。
ドル円のドル高基調につれたユーロ売り・ドル買いも出ると一時1.0853ドルと8月2日以来およそ2カ月半ぶりの安値を更新した。

ポンドドルは軟調だった。
欧州時間に発表された9月英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めやすくなるとの見方が広がり、英長期金利の低下とともにポンド売りが進んだ。
5時前には一時1.2977ドルと8月20日以来の安値を更新した。

ユーロ円は小幅ながら続落。
終値は162.54円と前営業日NY終値(162.56円)と比べて2銭程度のユーロ安水準。
ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると、1時30分前に162.89円と本日高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると上値が重くなった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、150円を巡り本邦通貨当局の円買い介入の可能性に要警戒か

本日の東京外国為替市場のドル円は、150円のオプションの防戦売りや本邦通貨当局の円安抑制の可能性(口先介入やドル売り・円買い介入)に警戒する展開が予想される。

8時50分に発表される9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前2376億円の赤字、季節調整済5210億円の赤字)では、本邦実需筋による貿易絡みの円売り圧力を確認することになる。
1-8月の貿易赤字は約4.6兆円の円売りとなっている。

新NISA(少額投資非課税制度)による海外株式型投信の資金流入額は、1-8月で約9兆円となっており、本邦実需筋による円売り圧力がドル円の140円以下への下落を阻止してきた。

この本邦実需筋の円売り、そして米連邦準備理事会(FRB)の大幅な追加利下げ観測の後退や日銀の早期の追加利上げ観測の後退から、ドル円は161.95円から139.58円までの下落幅(22.37円)の半値戻し150.77円を目指す上昇基調にある。

しかし、衆院選の争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われるため、本邦通貨当局による円安抑制(口先介入やドル売り・円買い介入)の可能性には引き続き警戒しておきたい。

これまで、三村財務官や加藤財務相が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と円安を牽制し、為替介入の助言役を担っている神田内閣官房参与(前財務官)が「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と述べており、150円台に向けた買い仕掛けを牽制してきている。

9時30分に発表される9月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)では、8月の新規雇用者の増加が非正規雇用の大幅増に支えられたものだったため、正規雇用が増加するかに注目したい。
9月の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、「他国の金利と同調して動く必要はない」と早期の利下げに否定的な見解が示されていた。
ハウザーRBA副総裁も「インフレは持続する。インフレとの戦いでRBAは強固な姿勢を維持すべき。インフレ率が高止まりした時には行動するだろう」とタカ派的な姿勢を示していた。
9月豪雇用統計では、オーストラリアの雇用情勢を確認して、RBAの利下げ時期を探ることになる。
一方、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、利下げ3大要素(景況感の悪化、雇用情勢の悪化、インフレ率低下)に直面しているため、追加利下げ観測が高まっている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◎ 9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前2376億円の赤字、季節調整済5210億円の赤字)
○13:30 ◇ 8月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.3%)

<海外>
○09:30 ◎ 9月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.8%)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済176億ユーロの黒字)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:50.00%で据え置き)
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:3.40%へ引き下げ)
○21:30 ◇ 8月対カナダ証券投資
○21:30 ☆ 9月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.1%)
○21:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:26.0万件/186.5万人)
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:15 ◎ 9月米鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%)
     ◇    設備稼働率(予想:77.8%)
○23:00 ◎ 10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:42)
○23:00 ◇ 8月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○18日05:00 ◎ 8月対米証券投資動向
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、18日まで)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

16日07:10 ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「新たなリスクの兆候を常に警戒している」
「インフレ期待は引き続き抑制されている」
「家計は最近のインフレ急騰を中銀が予想していたよりも冷静に受け止めている」
「現在の賃金期待とインフレ期待の関係性は低い」

16日08:17 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「米経済の力強い継続を予想」
「インフレが2%に戻ることをかなり確信」

16日10:34 安達日銀審議委員
「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」
「金融政策の正常化の際には段階的な利上げというプロセスを経ることが適当である」
「基本的には緩和的な金融環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」
「緩和的な金融環境を維持する」
「自然利子率、信頼性の高い数値を実証的に特定することが困難」
「インフレ抑制のための急ピッチな利上げを実施する必要はない」
「拙速な利上げは回避すべき」
「当面、円安加速による物価上昇圧力は今のところ削減されている」
「利上げは慎重にやっていくべき」
「追加利上げ、何月と意識しているわけではない」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

ドル円1017

パラメーター1017

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開となっている。
孕み線で切り返して、依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 151.33(日足一目均衡表・雲の上限)
レジスタンス1 150.89(8/1高値)
前日終値 149.64
サポート1 148.67(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 147.35(10/8安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル1017

パラメーター1017

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
3手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
ダブル・トップ(1.1202ドル・1.1214ドル)の目標値は1.0790ドル。

本日は下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0925(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0862
サポート1 1.0778(8/1安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=10/10高値を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロ円1017

パラメーター1017

寄引同事線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。
15日に抱き線で反落した後、16日は寄引同事線で下げ渋ったものの、17日時点の転換線162.76円の下で推移していることで、続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を念頭に置き、10日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 163.61(10/10高値)
前日終値 162.54
サポート1 161.01(10/4安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

豪ドル円1017

パラメーター1017

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上限99.76円で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。
しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 100.25(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 99.76
サポート1 99.09(10/8安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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