August 20, 2024
【前日の為替概況】ドル円、欧米株上昇を受けて東京安値145.19円から146.70円付近まで上昇
19日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。
終値は1.1085ドルと前営業日NY終値(1.1027ドル)と比べて0.0058ドル程度のユーロ高水準だった。
欧米株価の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行。
7月米景気先行指標総合指数が前月比0.6%低下と予想の0.3%低下を下回るとユーロ買い・ドル売りが活発化し、5時前に一時1.1086ドルと年初来高値を更新した。
一時は3.9073%前後まで上昇した米10年債利回りが低下に転じたことも相場の支援材料となった。
市場では「米労働省が21日に公表する年次改定で過去の雇用統計を下方修正する」との見方が浮上。
米金利低下の一因となった。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.85と1月2日以来の低水準を付けた。
ドル円は続落。
終値は146.59円と前営業日NY終値(147.63円)と比べて1円04銭程度のドル安水準だった。
東京市場ではM&A(合併・買収)に絡んだ思惑的な円買いが観測されて一時145.19円と7日以来の安値まで急落したものの、NY市場では下値の堅さが目立った。
欧米株相場の上昇を手掛かりにリスク・オンの円売りが出ると一時146.71円付近まで値を戻した。
ただ、予想を下回る米経済指標や米金利低下が相場の重しとなったため、戻りは限定的となった。
ユーロ円は続落したものの、下値は堅かった。
終値は162.50円と前営業日NY終値(162.80円)と比べて30銭程度のユーロ安水準。
東京市場では160.42円まで下落したものの、NY市場に入ると買い戻しが優勢となり、162.58円付近まで下げ渋った。
欧米株高やユーロドルの上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出た。
【本日の東京為替見通し】ドル円は米金利低下で上値が重い展開、豪ドルRBA議事要旨に注目
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下や昨日のドル売り・円買いの要因だった米雇用年次ベンチマーク改定予想や日本企業に対する大型買収案件への警戒感から上値が重い展開が予想される。
今週のメインイベントは、23日に予定されている植田日銀総裁の衆議院財務金融委員会での閉会中審査における利上げに関する意見聴取と、ジャクソンホール会合でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演だろう。
両者は、7月31日の日銀金融政策決定会合の後と米連邦公開市場委員会(FOMC)の後の記者会見でドル売り・円買いの流れに拍車をかけており、23日も同様の見解ならばドル売り・円買い再開が警戒されている。
昨日の米系ヘッジファンド筋によるドル売り仕掛けの背景として、明日米労働省が発表する年次ベンチマーク改定での2024年3月分までの1年間の雇用者数が、大幅に下方修正される可能性が指摘されていた。
ちなみに、昨年8月は、50万人程度の下方修正が警戒されていたが、実際は30.6万人の下方修正だった。
雇用統計の事業所調査は、非農業部門(Non Farm)約11.9万社の給与明細(Payroll)で集計されるが、新たに生まれた企業による新規雇用と事業閉鎖に伴う雇用者減少は反映されない面がある。
そこで労働省は、事業者調査に基づく雇用者増加数に、新たに生まれた企業による新規雇用者増加数と事業閉鎖に伴う雇用者減少数を暫定的に推計して、過去5年間の移動平均線と比較する「Birth-Death model(起業・廃業モデル)」で調整している。
しかし、米労働省は、「起業・廃業モデル」が正確ではないことを認めており、ウォールストリート・ジャーナル紙は、昨年7月の記事で、「起業・廃業モデル」により「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げていた。
2023年4月から2024年3月までの非農業部門就労者数の月平均は24.1万人の増加だが、50万人程度下方修正された場合、月平均で20万人を割り込むことになる。
すなわち、23日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演で、9月FOMCでの利下げ幅が0.50%程度と言及する可能性が高まることになる。
もう一つの円買い材料としては、カナダ企業による日本企業に対する5兆円規模の買収案件が取り沙汰されており、今後の注目材料となる。
7月11-12日の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入(5兆5348億円)に匹敵する額であり、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
10時30分に公表される8月5-6日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨がタカ派寄りの内容だった場合は豪ドル買いにつながることで警戒しておきたい。
声明文では「労働市場は依然としてひっ迫している」との見解が示されており、7月の雇用統計でも常勤雇用者数を中心に新規雇用者数が予想を大幅に上回っていた。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○10:30 ◎ 8月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○15:00 ◇ 7月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:3.50%に引き下げ)
○17:00 ◇ 6月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:30 ◎ 7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.6%)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.6%)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.9%)
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:50.00%で据え置き)
○21:30 ◎ 7月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比2.5%)
○21日02:35 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21日03:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、討議に参加
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
19日19:21 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「9月利下げの可能性についての議論を行うことは適切」
「リスクのバランスは二重責務のうち、インフレからより労働市場へシフトしてきている」
「インフレは進展を見せており、労働市場はいくつかの懸念すべき兆候を示している」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 149.39(8/15高値)
レジスタンス1 147.29(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 146.59
サポート1 145.19(8/19安値)
サポート2 144.29(8/7安値)
<ユーロドル=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陽線で依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1139(2023/12/28高値)
前日終値 1.1085
サポート1 1.0984(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陰線でも依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 191.63(8/19高値)
前日終値 190.44
サポート1 188.26(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、3手連続陽線で依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.87(7/31高値)
前日終値 89.59
サポート1 88.45(日足一目均衡表・転換線)
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