August 5, 2024
【前日の為替概況】ドル円、大幅に4日続落
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に4日続落。
終値は146.53円と前営業日NY終値(149.36円)と比べて2円83銭程度のドル安水準だった。
米労働省が発表した7月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比11.4万人増と予想の17.5万人増を下回り、失業率が4.3%と予想の4.1%よりも弱い結果となったことが分かると、米景気の先行き不安が高まった。
米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となり、0時30分前に一時146.42円と2月2日以来半年ぶりの安値を更新した。
6月米製造業新規受注が予想を下回ったことも相場の重し。
なお、今週30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では米労働市場は調和がとれているとの現状認識のもと政策金利が据え置かれたものの、株式市場では米連邦準備理事会(FRB)が「後手に回っている」との見方が浮上。
ダウ平均は一時1000ドル近く下落し、ナスダック総合は3%超急落した。
米株安を受けてリスク・オフの円買いも目立った。
ユーロドルは反発。
終値は1.0911ドルと前営業日NY終値(1.0791ドル)と比べて0.0120ドル程度のユーロ高水準だった。
低調な米経済指標が相次ぐと米景気の減速懸念が強まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.7847%前後と昨年12月以来の低水準を記録。
全般ドル売りが優勢になると、24時前に一時1.0927ドルと7月18日以来の高値を更新した。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.13と3月14日以来の低水準を付けた。
ユーロ円は6日続落。
終値は159.91円と前営業日NY終値(161.18円)と比べて1円27銭程度のユーロ安水準。
米雇用統計の下振れをきっかけにドル円が急落するとユーロ円にも売りが先行。
21時30分過ぎに一時159.71円と2月8日以来およそ半年ぶりの安値を付けた。
ユーロドルの上昇につれた買いが入ると161.42円付近まで下げ渋る場面もあったが、米国株や日経平均先物の大幅下落に伴うリスク回避の円買いが入ると159円台後半まで押し戻された。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1570円安の3万4350円まで大幅に下落した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、株価や金利にらみ神経質な動きが続くか
本日の東京外国為替市場でドル円は、前週末に続いて株価や日米金利動向をにらんで神経質な展開が予想される。
前週末は米株が大幅下落したほか、CME225先物は大証日中終値から970円安で引けており、株価が一段と下落する場合はリスク回避的な動きに傾きやすい。
また、前週の日米金融政策イベントを通過し、タカ派の日銀に対しハト派の米連邦公開市場委員会(FOMC)となると、絶対的な金利差はあるとはいえ、金融政策の方向性の違いからドル売り・円買いの流れになりやすいだろう。
さらには、前週末の弱い雇用統計を受け、足もとのFedWatchでは9月の0.50%利下げを織り込み始めている。
足元の日米株式市場に下げ止まりが感じられないなか、一段と株安が進む場合はドル円相場に下落圧力が掛かる公算である。
日経平均については、先月11日に過去最高値となる4万2000円台に上昇後は右肩下がりの展開となっている。
高値からの下落幅はすでに6000円超になっており、下げが一服した場合は自律反発が入ることもあり得る点は想定しておきたい。
その時は一時的にドル円が買い戻されることも考えられる。
また、日銀・金融政策決定会合議事要旨(6月13・14日分)の公表が予定されている。
この時は政策金利の据え置きと国債購入の減額方針を決定したものの、具体的な減額計画の策定は次回7月に持ち越しとなった。
6月分ではあるが、どのような話し合いがなされたか気になるところだ。
中国では、7月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。
市場予想は51.5と前月51.2をわずかに上回る見通し。
とはいえ、中国経済の減速が懸念されている中とあっては、弱い結果となった場合のほうが影響がありそうだ。
発表後の中国株の行方にも確認しておきたい。
そのほか、緊迫化する中東情勢もリスク要因といえる。
万一、イランがイスラエルに対し報復攻撃をするようなことがあれば、直後はリスク回避の動きが強まることが予想されるため情勢を注視したい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 6月13-14日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○10:45 ◎ 7月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.5)
○16:00 ◎ 7月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月3.45%/前年比62.10%)
○16:50 ◎ 7月仏サービス部門PMI改定値(予想:50.7)
○16:55 ◎ 7月独サービス部門PMI改定値(予想:52.0)
○17:00 ◎ 7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.9)
○17:30 ◎ 7月英サービス部門PMI改定値(予想:52.4)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比▲3.3%)
○21:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、CNBC出演
○22:45 ◎ 7月米サービス部門PMI改定値(予想:56.0)
○22:45 ◎ 7月米総合PMI改定値
○23:00 ☆ 7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.0)
○6日06:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、討議に参加
○カナダ(市民の祝日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
2日10:57 鈴木財務相
「為替市場の動向、しっかり注視していきたい」
「為替はファンダメンタルズ反映し、安定的に推移することが重要」
「緊張感もって株式市場の動向注視」
「株価の日々の動きについて要因などを申し上げるのは難しい」
「(日銀利上げに関して)政府として財政余力を生み出す努力が重要」
「政府・日銀の共同声明、総合的に考えて今の状況であえて見直さなければならないという状況でない」
「市場との対話をしっかりやり、国債管理政策をやっていきたい」
「一番懸念しているのは輸入物価への影響、円安是正なら下がってくると期待」
2日10:58 林官房長官
「引き続き緊張感をもって株式市場の動向を注視」
「為替はファンダメンタルズ反映し安定推移が重要、引き続き市場の動向しっかり注視したい」
2日20:58 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「英国のインフレ期待に焦点を当てている」
「インフレに関して仕事が終わったと言うのは時期尚早」
「インフレに関してはまだ少し道のりがある」
「インフレが減速したと言うのは少し早計」
「少なくともしばらくの間は、引き締め的な政策を維持する必要」
グールズビー米シカゴ連銀総裁
「単月の数値に過剰反応したくはない」
「次回の会合までに多くの情報を得るつもり」
「利下げ幅は状況によって決定されるだろう」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=200日線を下回る水準で下落を強める>
大陰線引け。
一目均衡表の主要指標が軒並み売り示唆となっているなか、相場の強弱を判断する上の分岐点である200日移動平均線(本日151.57円で推移)を下回る水準で下落を強めた。
目先のすう勢を示す5日線からかい離する水準まで売りが進んだこともあり、自律反発が入る余地はある。
本日148.97円前後で推移する5日線をやがて上回ることになっても、下落が続く見込みの一目・転換線150.99円が抵抗となりさえない動きが続くとみる。
レジスタンス1 148.04(3/15安値)
前日終値 146.53
サポート1 145.38(ピボット・サポート1)
サポート2 144.36(1/12安値)
<ユーロドル=主だった日足テクニカル指標を上抜け>
大陽線引け。
1.0790ドル付近で推移する90日移動平均線前後で下げ渋る底堅さを背景に、主要な日足テクニカル指標を上抜けて1.0927ドルまで上伸した。
主だった抵抗をこなし、目先の上値の節目7月17日高値1.0948ドルや、次の節目3月8日高値1.0981ドルなどを意識した動き。
これらの水準をこなして勢いづけば、年初来のレンジ上限1.10ドル台も視野に入ってくるか。
レジスタンス1 1.0981(3/8高値)
前日終値 1.0911
サポート1 1.0853(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロ円=5日線の下落ともない下値を広げる動き進む>
陰線引け。
一目均衡表の主要指標が軒並み売りとなるなか、目先のすう勢を示す5日移動平均線の下落をともない下値を広げる動きが進んだ。
週明け早朝も一時159.30円まで下落。
5日線(本日161.64円前後)からも相応にかい離しているため、1日安値160.89円などを目先のめどとした自律反発は想定できるが、下向きの流れは続きそうだ。
レジスタンス1 160.89(8/1安値)
前日終値 159.91
サポート1 158.08(2/1安値)
<豪ドル円=一目指標は軒並み売り示唆、年初来安値更新>
大陰線引け。
一目均衡表の主だった指標の売り示唆が続く状態にあり、下値の節目だった2月1日安値95.50円を下抜けて週明けは95円割れまで年初来安値を更新した。
昨年12月以来の水準へ一気に到達した後を受けた相応の反発は想定できるが、戻り待ちの売り圧力も強いとみる。
昨年12月14日安値94.61円などを目先のめどに下値を探る展開が続くだろう。
レジスタンス1 96.21(2/5安値)
前日終値 95.40
サポート1 94.61(2023/12/14安値)
Provided by
DZH Finacial Research
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