本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、7月東京都CPIで日銀の追加利上げの可能性を探る展開か(2024年7月26日)

マーケットレポート

July 26, 2024

【前日の為替概況】ドル円、欧州安値151.94円から予想を上回った米Q2GDPで154.32円へ反発

25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに小反発。
終値は153.94円と前営業日NY終値(153.89円)と比べて5銭程度のドル高水準だった。
日銀による追加利上げ観測が高まる中、日本株相場の急落や欧州株相場の下落に伴うリスク・オフの円買いが優勢になると、欧州序盤に一時151.94円と5月3日以来の安値を更新した。

ただ、NY市場では買い戻しが目立った。
5月3日の安値151.86円がサポートとして働いたほか、4-6月期米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回ったことが相場の支援材料となった。
ダウ平均が一時580ドル超上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し、円売り・ドル買いが加速して154.32円と日通し高値を付けた。
もっとも、ダウ平均が80ドル高程度まで急失速するとドル円の上昇も一服した。

なお、イエレン米財務長官はこの日、「我々は市場が決定する為替レートを信じる」と述べたほか、トランプ前大統領の強いドル批判についてはG7財務相・中央銀行総裁会議のコミットメントを引き合いに「為替レートは市場で決定されるべきだ」との見解を示した。

ユーロドルは3日ぶりに小反発。
終値は1.0846ドルと前営業日NY終値(1.0840ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準だった。
4-6月期米GDP速報値などが予想を上回るとユーロ売り・ドル買いが先行。
22時30分過ぎに一時1.0830ドル付近まで値を下げた。

ただ、日本時間夕刻に付けた日通し安値1.0828ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢となり、ユーロ円の上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入り、1.0870ドルと日通し高値を更新した。
もっとも、米長期金利が低下幅を縮めると再び上値が重くなった。
5時30分前には1.0844ドル付近まで上値を切り下げた。

ユーロ円は5日ぶりに反発。
終値は166.95円と前営業日NY終値(166.81円)と比べて14銭程度のユーロ高水準。
日本時間夕刻に一時164.83円と5月6日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。
ダウ平均や日経平均先物が上昇したタイミングで円売り・ユーロ買いが強まると、一時167.59円と日通し高値を付けた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、7月東京都CPIで日銀の追加利上げの可能性を探る展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、7月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる7月東京都のCPIを見極めて、来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性を探る展開となる。

ドル円は、来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げへの警戒感から、円売り持ちポジションの手仕舞いが進んでおり、7月3日の1986年12月以来の高値161.95円から昨日は151.94円まで10.01円の下落幅を記録していた。

ドル円の151円台での注目水準は、2023年11月13日の高値151.91円、今年5月2日未明の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の後に付けた5月3日の安値151.86円、そして200日MAが位置する151.57円付近となる。
さすがに、日銀金融政策決定会合での利上げへの警戒感だけでは、下抜けるまでには至らずに、フィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し付近となる154.32円まで反発した。

8時30分に発表される7月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)は、前年比+2.2%と予想されており、6月+2.1%からの伸び率上昇が見込まれている。
7月の全国CPIの先行指標となるため、予想通りか予想以上ならば、来週30-31日の日銀金融政策決定会合での、「相応の規模」(植田日銀総裁)の国債買い入れ(現在6兆円:6月約5.6兆円)の減額計画や追加利上げ(現在0.0-10%)観測が高まることで、円買い要因となる。

なお、昨日発表された6月企業向けサービス価格指数は前年比+3.0%となり、2015年3月以来の上昇率となっていた。

また、今夜は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの6月分が発表される。
前年比+2.5%と伸び率の鈍化が予想されていることで、ドル円の戻りを限定的にしている。
6月の米CPIが前月比マイナスに落ち込んでいたため、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずに来週のFOMCでの利下げ開始を見込むウォール街の一部金融機関も出てきた。

しかし、昨日発表された米国の第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で前期比+2.8%となり、第1・四半期の+1.4%から加速していたため、まだ金利先物市場では来週の利下げ開始の可能性はほぼゼロになっている。

30-31日の日・米金融政策決定会合でのシナリオは以下の通りとなる。

■日銀金融政策決定会合;国債買い入れ(6兆円)&政策金利(0-0.10%)
1)国債買い入れの減額計画:3兆円
2)国債買い入れの減額計画:4~5兆円
3)追加利上げ:+0.15%

■米連邦公開市場委員会(FOMC):FF金利誘導目標5.25-50%
4)現状維持(※フェドウオッチ確率約91%)
5)声明文の文言削除:「高いインフレ(elevated inflation)」※9月利下げ示唆
6)利下げ開始:5.00-25%(※フェドウオッチ確率約9%)

現状のドル円は、1)と3)への警戒感から151円台まで下落してきているため、リスクシナリオは2)、そして4)に留まった場合となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◎ 7月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.2%)
○14:00 ◇ 5月景気動向指数改定値

<海外>
○15:45 ◇ 7月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:18.00%に引き上げ)
○21:00 ◇ 6月メキシコ貿易収支(予想:10.00億ドルの黒字)
○21:30 ◎ 6月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
     ◎ 6月米個人所得(予想:前月比0.4%)
     ☆ 6月米PCEデフレーター(予想:前年比2.5%)
     ☆ 6月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○23:00 ◎ 7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:66.0)
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ブラジル・リオデジャネイロ、最終日)
○パリ五輪開幕(パリ、8月11日まで)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

25日07:37 鈴木財務相
「為替の水準、動きについてはコメント控える」

25日07:41 神田財務官
「(G7会合で)為替について特段の議論は行われなかった」

25日16:05 林官房長官
「為替はファンダメンタルズを反映し、安定推移が重要」
「引き続き緊張感をもって株式市場の動向を注視」

25日20:11 ナーゲル独連銀総裁
「データが今の路線通りなら利下げは可能なはず」
「9月に何が起こるかについて事前に約束できない」
「ECBは会合ごとにアプローチを取っている」
「ユーロ圏の賃金の動向はまだ非常に堅調」
「利下げに関して自動操縦モードではない」

26日00:17 イエレン米財務長官
「我々は市場が決定する為替レートを信じる」
「時間の経過とともにファンダメンタルズは為替レートに反映される」
「(金利によるドル高について)それが仕組みだ」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0726

パラメータ0726

下影小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
3手連続陰線の後151.94円まで下影を伸ばして孕み線で下げ止まったものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 156.02(日足一目均衡表・雲の下限)
レジスタンス1 155.40(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 153.94
サポート1 151.94(7/25安値)
サポート2 151.57(200日移動平均線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0726

パラメータ0726

小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陰線の後、孕み線で反発したものの依然として転換線を下回って引けていることで反落の可能性が示唆されている。

本日は横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0887(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0846
サポート1 1.0807(日足一目均衡表・基準線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロ円0726

パラメータ0726

下影小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開。
4手連続陰線の後164.83円まで下影を伸ばして孕み線で下げ止まったものの、依然として転換線を下回って引けているため反落の可能性が示唆されている。

本日は雲の下限166.92円を念頭に置き、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 168.88(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 166.95
サポート1 164.83(7/25安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=7/25高値を抵抗に戻り売りスタンス>

豪ドル円0726

パラメータ0726

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
5手連続陰線で依然として転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。

本日は25日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は一旦手仕舞い。

レジスタンス1 101.30(7/25高値)
前日終値 100.65
サポート1 99.22(7/25安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


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