本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、内田日銀副総裁の発言に要注目か(2024年2月8日)

マーケットレポート

February 8, 2024

【前日の為替概況】ドル円、148.26円から147.63円まで下落後に148円台へ反発

7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は148.18円と前営業日NY終値(147.94円)と比べて24銭程度のドル高水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.13%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。
23時前に一時148.26円と日通し高値を更新した。

ただ、米10年債利回りが4.06%台まで低下すると一転円買い・ドル売りが優勢に。
アジア時間の安値147.71円を下抜けて一時147.63円と日通し安値を更新した。

もっとも、米10年債利回りが再び上昇に転じるとドル円にも買い戻しが入り、148.20円付近まで持ち直した。

ユーロドルは続伸。
終値は1.0772ドルと前営業日NY終値(1.0755ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ高水準となった。
米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが優勢となり一時1.0784ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇すると1.0756ドル付近まで下押しした。
もっとも、アジア時間に付けた日通し安値1.0752ドルが目先サポートとして働くと持ち直した。

なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「現時点では今年2-3回の利下げが適切だと考える」と述べたほか、コリンズ米ボストン連銀総裁は「経済が予想に沿った場合、年内に利下げする可能性が高い」「利下げを支持するにはさらなるデータが必要」と発言。
また、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「利下げには忍耐強くなるのが合理的」と話したが、相場の反応は限られた。

ユーロ円は3営業日ぶりに反発。
終値は159.62円と前営業日NY終値(159.11円)と比べて51銭程度のユーロ高水準。
22時30分過ぎに一時159.73円と日通し高値を付けたものの、前日の高値159.87円がレジスタンスとして意識されると失速。
24時前には159.07円付近まで下押しした。
ただ、売り一巡後は159円台半ばまで持ち直した。
ドル円につれた動きとなった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、内田日銀副総裁の発言に要注目か

本日の東京外国為替市場のドル円は内田日銀副総裁の発言を見極めて行く展開が予想される。
また、時間外ではあるが米10年債利回りの動向も注視したい。

内田日銀副総裁は、本日、奈良市で、午前10時半からの金融経済懇談会の冒頭で挨拶し、午後2時半から記者会見が予定されている。

1月の日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁が、基調的な物価上昇率が2%目標に向けて徐々に高まっていく確度は「少しずつ高まっている」との認識を示した。
同会合の「主な意見」でも「賃上げが高めの水準で着地する蓋然性が高まっている」といった政策修正に向けた前向きな意見が相次いでいたことで、内田副総裁の「確度」に対する見解に要注目となる。

植田総裁は、1月23日の日銀金融政策決定会合後の会見で、「円安による輸入物価や海外の物価高が波及する『第1の力』は継続しつつもピークを過ぎたと判断している。
賃金と物価がともに上昇する『第2の力』は引き続きゆっくり上昇を続けている」と述べていた。

6日に発表された昨年12月の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年比1.9%減と21カ月連続のマイナスとなったが、減少率は2カ月ぶりに縮小していた。
名目賃金は1.0%増と24カ月連続でプラスとなり、実質賃金の改善に寄与していた。

市場では、第1の力が減衰し、第2の力が物価を押し上げる状況になり、デフレ脱却に道筋がつく4月の日銀金融政策決定会合で、マイナス金利解除を含む政策修正が行われるとの見方が強まりつつある。

なお10時30分には、1月中国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表予定。
市場予想はCPIが前年比-0.5%と前回-0.3%から伸び率低下、PPIは-2.6%と前回-2.7%から若干の改善が見込まれている。
中国の不動産バブル崩壊への警戒感が広がる中、国内の需要不足や過剰生産能力を背景とした「デフレ輸出」への懸念が高まりつつある。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○08:50 ◎ 12月国際収支速報
    ◇  経常収支(予想:季節調整前1兆189億円の黒字/季節調整済1兆9342億円の黒字)
    ◎  貿易収支(予想:1831億円の黒字)
○10:30 ◎ 内田真一日銀副総裁、金融経済懇談会に出席
○14:00 ◇ 1月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数50.3/先行き判断指数49.3)

<海外>
○09:01 ◇ 1月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲25)
○10:30 ◎ 1月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比▲0.5%)
○10:30 ◎ 1月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.6%)
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.50%で据え置き)
○20:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 1月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.42%)
○21:00 ◎ 1月メキシコCPI(予想:前年比4.88%)
○22:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/187.8万人)
○24:00 ◇ 12月米卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○24:00 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○9日00:30 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:11.25%で据え置き)

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

7日09:07 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「FRB、先週の政策金利据え置きは正しい判断」
「米経済はソフトランディングに向かっている」

7日14:08 シュナーベルECB専務理事(FT紙)
「借り入れコストの低下はインフレ再燃リスク」
「インフレ抑制の最後の1マイルが最も困難」
「サービス部門のインフレが懸念材料」

7日18:44 ブリーデン英中銀(BOE)副総裁
「さらなる利上げが必要となる懸念が和らいできた」
「予測通り英国経済が進展していると確信するにはさらなる証拠が必要」
「私の焦点は現在の金利水準をいつまで維持する必要があるかという点に移行」

7日22:37 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「現時点では今年2-3回の利下げが適切だと考える」
「住宅市場の回復力は驚くべきものである」

8日01:58 コリンズ米ボストン連銀総裁
「経済が予想に沿った場合、年内に利下げする可能性が高い」
「金融政策は現在の見通しに対して良好な位置にある」
「先週のFOMCでは金利据え置きを支持」
「利下げを支持するにはさらなるデータが必要」
「インフレ率2%への移行を支援するには、賃金上昇が緩やかになることが必要」
「経済のリスクバランスはより改善した」
「重要なのはインフレ率低下の確認」
「将来の金利はパンデミック前の水準より高くなる可能性がある」
「最近のデータは非常に不安定」

8日02:01 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「利下げには忍耐強くなるのが合理的」
「インフレはこの7カ月、順調に低下している」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>

ドル円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス

パラメータ

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
孕み線で反発して、依然として転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は、横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 149.75(2023/11/22高値)
レジスタンス1 148.89(2/5高値)
前日終値 148.18
サポート1 147.40(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 146.08(日足一目均衡表・雲の上限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス

パラメータ

小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けたことで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
2手連続陽線でも依然として転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線1.0811ドルを念頭に置き、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0828(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0772
サポート1 1.0656(2023/11/10安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=2/5安値を支持に押し目買いスタンス>

ポンド円=2/5安値を支持に押し目買いスタンス

パラメータ

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
抱き線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線186.77円を念頭に置き、5日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 188.93(1/19高値)
前日終値 187.10
サポート1 186.18(2/5安値)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>

NZドル円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス

パラメータ

陽線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
5手連続陽線(※2/5は寄引同事線)で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は89.99円で横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 90.99(1/11高値)
前日終値 90.54
サポート1 89.99(日足一目均衡表・転換線)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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