週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、雇用やインフレ指標に注目

市場見通し
◆ポンド、雇用データやインフレ指標に注目
◆加ドル、CPIやBOC声明に注目
◆全般、トランプ関税に振らされる展開は続く

予想レンジ
ポンド円 184.50-190.50円 
加ドル円 101.00-105.00円 

4月14日週の展望
 来週のポンドは、米貿易政策に関するニュースに注意しながら、英雇用データやインフレ指標などが材料視されそうだ。トランプ米大統領による関税強化の影響を受け、金融市場のボラティリティが高まっている。相互関税について大統領令が発表された今月2日から関税上乗せ部分を発動した7日まで、ポンド円のレンジは11円超まで広がった。上乗せ関税の90日間停止が発表されてリスク回避の巻き戻しが一時的に進むも、相場の不安定さが解消されたわけではない。米中貿易戦争への警戒感も残ったままであり、トランプ関税絡みで神経質な動きは続くだろう。

 世界経済の先行き不透明感が強まるなかで発表される英雇用データは、高止まる失業率に注目。ILO方式では約1年間も4%超えとなっているなか、過去3回は4.4%が続いている。先日、大手米金融機関が今年の英成長率見通しを従来予測の1.1%から0.6%に引き下げている。労働市場の弱さを示す結果がでるようだと、ポンド相場はより敏感に反応するのではないか。

 16日発表の3月英消費者物価指数(CPI)は、来月の英中銀金融政策委員会(MPC)前では最後の重要インフレ指標。前回2月分は、総合/コアともに前年比で予想以上に減速した。次回の英MPCでは、0.25%利下げ予想が優勢であり、その後も夏と年末に追加緩和が織り込まれつつある。CPIの結果次第では、利下げペースが速まるとの見方も出てきそうだ。

 加ドルもトンランプ米大統領の保護主義政策に振らされる展開が続くだろう。相場を騒がせた「相互関税」の枠からカナダは外れていたものの、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の対象外製品や加産エネルギー・カリウムに対する追加関税(それぞれ税率25%と10%)は引き続き有効だ。最近は米中の関税合戦が話題となり、貿易を巡る米加の対立は小康状態のように見えるが、何ら解決されたわけではない。28日に総選挙を控えるカーニー加首相は、「選挙後に米大統領と新たな交渉を始める」と述べており、それまでは暫く平行線の状態が続くことになる。

 15日には、前回前年比で2.6%と予想以上に加速したCPIの3月分が発表予定。加政府による免税措置が2月半ばに終了した影響を受けたとはいえ、水準としても8カ月ぶりに高い上昇率だった。翌16日のカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合では、8会合ぶりに政策金利は据え置きが大方の見立て。3月CPIの結果だけで予想が覆されることはないだろうが、インフレが現行金利の2.75%を上回ってくるようだと、夏頃とされている追加利下げに対する思惑が変わってくるかもしれない。BOC声明で次の一手を探ることになるだろう。

4月7日週の回顧
トランプ関税に右往左往させられ、ポンド円は184.30円台まで下落したその日に189円後半まで切り返した。加ドル円も101.60円台まで下げてから105円台乗せまで反発。ただし、一巡後は再び売りが優勢となった。また、ドル安の流れを受けてポンドドルは1.27ドル前半から1.30ドル半ばまで上昇。加ドルも対ドルで1.39加ドル前半まで加ドル高に振れた(了)(執筆:4月11日、10:00)


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