週間為替展望(ドル/ユーロ)-日・米金融政策決定会合に注目

市場見通し
◆17-18日のFOMCでは、0.25%の追加利下げ見通し
◆18-19日の日銀金融政策決定会合では、利上げ先送りの見通し
◆ユーロドル、12月製造業・サービス業PMIやフランスの予算案に注目

予想レンジ
ドル円   150.00-155.00円
ユーロドル 1.0200-1.0600ドル

12月16日週の展望
 ドル円は、17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の追加利下げは織り込み済みだが、18-19日開催の日銀金融政策決定会合では、0.25%の追加利上げが決定された場合はリスクシナリオとして警戒しておきたい。

 フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む17-18日FOMCでの0.25%の利下げ(※FF金利誘導目標4.25-50%)確率は90%台に上昇しており、市場では利下げは確実視されている。ただ、来年は1月FOMCでの据え置き確率が高まっているほか、2025年中に2回の利下げを織り込むに留まっている。「経済・金利見通し」でのドット・プロット(金利予測分布図)では、第2次トランプ米政権での関税引き上げと減税というインフレリスクが高まる中での利下げの回数やターミナルレート(利下げの最終到達点)に注目することになる。

 日銀金融政策決定会合に対しては、翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む0.25%利上げ確率は、11月30日の植田日銀総裁の「利上げのタイミングについては、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる」とのタカ派的見解を受けた66%付近から、早期の利上げに否定的な観測記事を受けて20%を割り込んでいるが、氷見野日銀副総裁が来年1月14日に神奈川県金融経済懇談会に出席し、その後記者会見を行うことが報じられており、1月23-24日の日銀金融政策決定会合の前に、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの見方が強まっている。

 また、「中国当局がトランプ関税への対抗策として人民元安を容認」との報道に対するトランプ次期米大統領の見解にも警戒しておきたい。トランプ次期米大統領は、今年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、人民元安や円安を牽制するような発言には注意が必要だろう。

 ユーロドルは、12月の製造業・サービス業PMI速報値やフランス新政権下での予算案の採決に注目しておきたい。市場では、ウクライナ戦争の激化懸念、ドイツとフランスの政局混迷への警戒感、そしてトランプ関税により欧州全体の景況感悪化と物価上昇懸念が高まっていることが、ユーロ売り圧力を強めつつある。

12月9日週の回顧
 ドル円は、来週の日銀金融政策決定会合での利上げ見送り観測報道や「中国当局がトランプ関税への対抗措置として人民元安の容認を検討している」との報道などで、149.69円から153円台前半まで上昇した。

 ユーロドルは、ECB理事会が0.25%の追加利下げを決定し声明文からタカ派的文言が削除されたことを受けて、1.0594ドルから1.04ドル台半ばまで下落した。(了)

(執筆:12月13日、9:00)


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