週間為替展望(ドル/ユーロ)−米CPI、FRB議長の議会証言に注目

市場見通し
◆ドル円、米CPIで利下げ観測への思惑見極め
◆介入警戒感あるものの、円先安観は依然として根強い
◆ユーロドル、仏決選投票の行方を睨む神経質な展開

予想レンジ
ドル円   159.00-164.00円
ユーロドル 1.0600-1.0900ドル

7月8日週の展望
 ドル円は、米インフレ指標を受けた利下げに対する思惑で大きく上下することになりそうだが、基本的には円先安観が根強いことから下値は堅くなりそうだ。

 来週の注目点は11日の6月米消費者物価指数(CPI)。前回5月CPIは市場予想をわずかに下回る結果となったものの、米金利見通しが大きく変化することはなかった。現時点では、9月会合での利下げ確率は6割程度、12月会合での利下げは4割程度と、市場は依然として利下げについて完全には織り込めていない状況となっており、CPIの結果次第で大きく見通しが変化する可能性が残されている。

 また、円相場に関しては対ドルのみならず、その他通貨に対しても歴史的な安値を更新しているなか、政府・日銀からは口先のけん制はあるものの、何ら円安対策を講じておらず、海外勢を中心に円先安観が全く衰えていない。このような状況で仮に為替介入を行ったとしても、効果が一時的となる可能性はさらに高まっている。

 なお、来週は米CPI以外にも、9日に上院の銀行委員会、10日に下院金融サービス委員会でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策に関する半期に一度の証言を行うため、発言内容に注目したい。また、12日には6月卸売物価指数(PPI)や7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値の発表も予定されている。

 ユーロドルは、週明けにも明らかになる仏国民議会選挙の決選投票の行方を睨みながらの神経質な展開が想定される。第一回目投票で極右野党・国民連合(RN)がトップとなったことを受けて、決選投票での過半数獲得を阻止するために与党と左派連合が候補の一本化に踏み切った。この動きを受けてRNの過半数獲得の可能性は低くなったものの、仮に過半数獲得の政党がない、いわゆる、ハングパーラメントとなった場合、政局不安がより意識されるかどうかも見極める必要があるだろう。

7月1日週の回顧
 ドル円は方向感のない動きとなっている。米長期金利の上昇を背景に週明けから買いが先行し、月初や期初に絡んだロンドンフィキシングに向けた買いも重なると161円台後半まで上昇。3日には欧州株の上昇に伴ってクロス円とともに一時161.95円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けたが、6月米ISM非製造業指数が予想を大幅に下回ると160.78円まで失速した。押し目買い意欲も強く161.70円台まで反発するものの戻りも限定的となっている。

 ユーロドルは1.0740ドルを挟んだもみ合いが続いていたが、低調な米指標が相次ぐと買いが優勢に。一時1.0817ドルと6月12日以来の高値を付けた。(了)


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