自動車総連、1万2千円決定

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 自動車総連は9日、横浜市で中央委員会を開き、2025年春闘でベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として、1万2千円を目安に要求する方針を決定した。中小企業の交渉を後押しするため、7年ぶりに具体的な金額を明示した。

 金額は統一要求ではなく交渉の目安にとどまり、実際には大手の完成車メーカーや部品会社の労働組合はより高額のベアを掲げると想定される。一方で自動車総連は、昨年までの交渉実績から、大手と中小の賃金格差は広がっていると判断。具体額を示すことで、中小の底上げを図る。

 金子晃浩会長は中央委に先立って開いた記者会見で「格差拡大は看過できない。歯止めをかける」と述べた。年間一時金は5カ月を基準とした。年間休日の5日増や、価格転嫁など適正取引の強化も掲げた。

 今後は大手と中小の格差是正に加え、米国や中国での不振を背景に完成車メーカーの業績に濃淡が出ていることが交渉に及ぼす影響が注目される。

 自動車総連は、24年春闘までは要求額の策定を各労組に委ねてきた経緯があった。


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