内定式、つなぎ留めに知恵

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 学生優位の「売り手市場」が続く中、2025年春に卒業予定の大学生らを対象とする内定式が1日、各企業で開かれた。深刻化する働き手不足のため企業側は人材確保に必死で、希望通りに配属する制度を始めたり、懇親会を頻繁に開いたりと知恵を絞っている。

 損害保険ジャパンは今回の内定者から、公募ポストの選考に通れば、入社時にそのポストに就ける制度を始める。職種や勤務地が希望通りにならない「配属ガチャ」や、モチベーション低下による内定辞退を防ぐ狙い。

 内定式に出席した関西学院大4年の大岩千夏さんは取材に「どの部署でも成長できるチャンスはあるが、制度があることを前向きに捉えている」と語った。

 NECは内定者懇親会や社員との座談会など、月1回のペースでイベントを実施。採用担当者は「不安がない状態で入社まで来てほしい」と話す。東京農工大4年の市川倫子さんは「仕事に対する不安を解消できた」と振り返った。

 政府は、企業が採用活動を前倒しして学生の学業がおろそかになるのを防ぐため、内定は10月以降とするよう求めている。


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