FXのEA(自動売買)を選ぶ際に注意すべき4つのポイント
EAを選ぶ際に注目すべき4つのポイントとは
どのようにEAを選べば良いのか?という悩みは、よく話題に上がるものです。
結論として、何か絶対的な正解があるわけではなく多種多様な考え方があり、行き着くところは運用者がどういうタイプのEAを好むかによると思います。
ここでは自作ではなく他者が開発したEA(無料・有料を問いません)を選ぶ場合という条件で、選定方法のポイントについて私見を述べます。
EAを選ぶポイントは、大きく4種類あると考えます。
EAを選ぶポイント
(1) | ロジックの優位性 |
---|---|
(2) | 自分の好みに合うかどうか |
(3) | バックテストおよびフォワードテスト |
(4) | 使用するFX会社に合うかどうか |
これらのポイントをおさえてEA選びすることが、より良いEA運用を始める第一歩といえます。次の項では、最も大事な(1)について、より詳しく見ていきましょう。
ポイント1:ロジックの優位性
そのEAが「どんな相場環境において」「どんなトレードを行うタイプなのか」を、しっかりと把握することが重要です。
相場には、利益が上がりやすい優位性というものがいつくかあり、そのいずれの戦略を採るものなのかを知るべきなのです。下表は、多くのEAに採用されている代表的なロジックです。
代表的な優位性のあるロジック
トレンドフォロー | トレンドの続伸を、押し目や戻りのポイントで狙う |
---|---|
ブレイクアウト | 相場の節目となる高値や安値を、突き抜ける値動きを狙う |
カウンター | 相場の節目となる高値や安値から、反転する値動きを狙う |
朝スキャルピング | 日本時間早朝に、大きく値動きした後の戻りを狙う |
グリッドトレード | 一定の法則でポジションを積み増す戦略 |
他者開発のEAの場合、ロジックの全てが公開されていない場合もありますが、基本的な戦略部分を教えてくれている場合も多くあり、それを参考にしたいところです。もし、基本戦略も分からないようであれば、選定の優先順位は低くなるといえます。
とはいえ応用として、バックテストでのエントリーとイグジットの情報を、そのときのチャートと照らし合わせることで、大方のロジック(どんな環境でトレードするか、順張りなのか、逆張りなのかなど)は推察できることもあります。
そのEAが優位性のあるロジックを採用しているならば、継続的な利益を望むスタートラインに立つことができるといえます。逆に、どんな優位性を根拠としているのか不明ならば、スタートラインに立ってすらいないと判断できます。
ポイント2:自分の好みに合うかどうか
運用者によって、どんなトレードを好むか、どんなときにストレスを感じるかなどは、大きく異なります。スキャルピングのような短期決戦が好みの人もいれば、ある程度の値幅が狙えないと納得できない人もいるでしょう。損切り(含み損)への耐性も、人それぞれです。そのため、EAによる自動売買は自分が納得できる内容でないと、継続しづらいものだといえます。
下表のポイントで、自分のトレードに対する好みを明らかにしてみてください。極端な選択肢にしてありますが、どちら寄りの考え方がしっくりくるでしょうか。
自分の好みのチェックポイント
どんなトレードスタイルが好み? | スキャルピングorデイトレードorスイングトレード |
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狙いたい値幅は? | 小さくても良いor大きく狙いたい |
トレード頻度は? | 毎日トレードしてほしいor絶好のチャンスまでじっと待てる |
損切り幅は? | 小さい方が良いorある程度は受け入れられる |
例えば、毎日トレードして欲しいという高頻度取引を望む人にとっては、スイングトレードのEAは退屈でしょう。逆に、じっくりと大きな値幅を狙いたい人にとっては、スキャルピングによる証拠金の増減が物足りないと感じるかもしれません。あなたがどんなトレードを好むのか、それが分かれば該当しないEAをふるい落とすことができます。
ポイント3:バックテストおよびフォワードテスト
バックテストとは、ヒストリカルデータ(過去チャートのデータ)を使用して、EAの有効性を検証することです。一方のフォワードテストとは、実際の相場でEAを稼働させて、有効性を検証することです。EA開発では、ヒストリカルデータに合わせて過剰最適化することができてしまうので、バックテストだけで有効性を判断するのは禁物です。必ずフォワードテストと照らし合わせる必要があります。
そのため、フォワードテストが公開されている場合は、必ず参考にすべきです。そのテスト運用は、デモ口座でもリアル口座でも構いませんが、後者の方がより現実の約定環境を反映するため参考になります。
なお、バックテストやフォワードテストの評価方法については別の記事で解説します。前提として口座残高グラフが右肩上がりであることが必要だということは、直感的に分かるでしょう。
参考記事:MT4でバックテストを行うやり方は?できない場合の対処方法も紹介
ポイント4:使用するFX会社に合うかどうか
EAにさまざまなロジックがあるのと同様に、FX会社が提供する取引環境もまたさまざまで、それぞれには相性の善し悪しがあります。
大きな問題の一つがスプレッドです。特にスキャルピングEAの場合、取引対象とする通貨ペアのスプレッドが狭いか広いかによって、運用結果は様変わりしてしまいます。ただ、単にスプレッドが狭い広いだけで選んで良いわけではありません。スリッページ、サーバーのロケーション、レイテンシー、ティック量などを総合的に見て判断する必要があります。「EA運用で注意すること(後編)」で詳しく解説します。
とにかく、EAのタイプや対象通貨ペアと、FX会社の相性を確認することは非常に重要です。
本記事の監修者・Trader Kaibe(@K_FLASHES)
FXトレード歴は15年(2021年現在)。世界でも有名なFXトレード大会『ロビンスカップ』で、FXトレードの経験と本職の研究開発ノウハウを生かして作った自作自動売買だけで準優勝。投資雑誌掲載、ラジオ日経出演、投資戦略EXPO登壇など、各種メディアでFX自動売買の良さを発信中。
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