EA(自動売買)の撤退タイミングは?運用停止の判断基準について詳しく解説
どうなったらEAの寿命か?
EA運用をするにあたって理解しておきたいのは、どんなに優位性があるEAでも未来永劫稼ぎ続けられるわけではないということです。「相場は変化するもの」であるのに対して「EAは不変のもの」なので、今日まで優位性があったEAであっても、明日以降も優位性を保ち続けるという保証はないのです。俗な言い方をすると、「EAには寿命がある」ということです。これを受け入れたうえでEA運用するのとしないのとでは、撤退タイミングおよび結果に大きな差が生まれます。
運用停止の基準
それでは、どんな時にEAを運用停止にすれば良いのでしょうか? ポイントは二つあります。
ポイント①長期バックテストの最大ドローダウンを更新
10年以上の長期バックテストを行い、その最大ドローダウンを基準にする考え方です。例えば、バックテストでの最大ドローダウンが10%だったとします。その場合、実運用で10%を更新した際には、そのEAの優位性が通用しなくなったと考えることができるため、撤退の判断を下します。EAを稼働させる際には、最大ドローダウンを受け入れる前提に立っていたはずです。それを更新してしまった以上、無理に稼働し続けることはありません。なお、10年以上の長期バックテストが必要なのは、良い相場と悪い相場が約10年で一巡する傾向があるためです。
ポイント②リカバリーファクターでドローダウンからの回復を確認
リカバリーファクターを基準にする考え方です。この指標は「総損益÷最大ドローダウン」で求められ、ドローダウンに対してどれだけのリカバリー(回復)が期待できるかを表します。数値が大きいほど、ドローダウンから回復する性能が高いです。
例えば、1年間のテスト期間に対して1.0という数値ならば、ドローダウンが発生してから1年かけて回復できるということを意味します(2.0なら半年かけて回復できるという意味です)。適正な目安は、1年間のテストなら1.0以上、10年間のテストなら10.0以上です。
バックテストで示されたリカバリーファクターによる回復期間を過ぎても、まだ回復できないということになったら、EAの優位性が通用しなくなったと考えることができるため、撤退の判断を下します。
本記事の監修者・Trader Kaibe(@K_FLASHES)
FXトレード歴は15年(2021年現在)。世界でも有名なFXトレード大会『ロビンスカップ』で、FXトレードの経験と本職の研究開発ノウハウを生かして作った自作自動売買だけで準優勝。
投資雑誌掲載、ラジオ日経出演、投資戦略EXPO登壇など、各種メディアでFX自動売買の良さを発信中。
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