マネタリーベースとは|初心者向けに意味やマネーストックとの違いなどを詳しく解説
マネタリーベースとは、日本銀行(日本の中央銀行)が世の中に直接的に供給するお金を指します。
具体的には、現金通貨と、市中銀行が日銀に預けているお金の合計額が該当します。
本記事では、マネタリーベースの意味や計算式、公表頻度などを解説していきます。
目次
- 1.マネタリーベースとは
- 2.マネタリーベースとマネーストックの違い
- 3.日本のマネタリーベースの推移
- 4.マネタリーベースの変化による影響
- 5.マネタリーベースに関するQ&A
- 6.【まとめ】マネタリーベースとは|初心者向けに意味やマネーストックとの違いなどを詳しく解説
マネタリーベースとは
マネタリーベースを以下の項目に分けて詳しく解説していきます。
- ・意味
- ・一般的な計算式
- ・マネタリーベースの公表頻度
意味
マネタリーベースとは、日本銀行(日本の中央銀行)が世の中に直接的に供給している通貨量のことです。
マネタリーベースが増えると市場に出回る通貨が増え、FX市場では通貨の価値が下がりやすく、売られる傾向があります。
反対に、マネタリーベースが減ると、通貨の価値が上がりやすくなり、買われる傾向があります。
一般的な計算式
一般的なマネタリーベースの計算式は、以下の通りです。
- 【マネタリーベース】 = 日本銀行券の発行高 +貨幣の流通高+日本銀行の当座預金
マネタリーベースの公表頻度
マネタリーベースの公表頻度は、前月比較の計数を表す月次統計と、前営業日比較の日次統計に分かれています。
それぞれの時期と頻度は、以下の通りです。
月次統計:毎月第2営業日の午前8時50分 |
日次統計:毎営業日の午前10時 |
マネタリーベースとマネーストックの違い
マネタリーベースとマネーストックはどちらも通貨量を算出した統計ですが、対象範囲が異なります。
マネタリーベースは、世の中に出回っている流通現金(現金通貨=紙幣と硬貨)と、日銀当座預金の合計額です。
一方のマネーストックは、一般法人や個人などの通貨保有主体が保有する現金通貨や預金通貨などの通貨量の残高を指します。
日本のマネタリーベースの推移
下図は、直近20年の日本のマネタリーベースの推移です。
出典:日銀(時系列データ)
2014年辺りから、上昇傾向であることがわかります。
マネタリーベースの変化による影響
日本を例に、マネタリーベースの変化による影響について解説していきます。
- ・マネタリーベースが拡大した時
- ・マネタリーベースが縮小した時
マネタリーベースが拡大した時
一般的に、日銀がマネタリーベースを拡大すると、金融市場の金利が下がる可能性が高まり、個人や企業は銀行からの借り入れがしやすくなります。
金利が低くなると、個人の消費が増え、企業が新しい機械や設備に投資しやすくなります。これにより、経済が活発になり、景気回復が期待されます。
また、円安で輸出が増加する可能性が高まります。
円安になると、日本が海外に輸出する商品の価格が相対的に安くなり、輸出企業にとって有利に働きます。
マネタリーベースが縮小した時
一般的に、日銀がマネタリーベースを縮小すると、金融市場の金利が上昇する可能性が高まり、個人や企業は銀行からの借り入れが難しくなります。
金利が高くなると、個人の消費が減り、企業が新しい機械や設備に投資する意欲が低下するため、経済活動が抑制され、景気が鈍化します。また、円高で輸出が減少する可能性が高まります。
円高になると、日本が海外に輸出する商品の価格が相対的に高くなり、輸出企業にとっては不利に働きます。
マネタリーベースに関するQ&A
マネタリーベースに関するよくある質問に回答していきます。
- ・日本のマネタリーベースはどこで確認できますか?
- ・マネタリーベースの主な変動要因は何ですか?
- ・マネタリーベースが増減するとどうなりますか?
- ・マネーサプライとは何ですか?
日本のマネタリーベースはどこで確認できますか?
日本のマネタリーベースは、以下の日本銀行の公式サイトで確認できます。
「月次統計」「日次統計」で大別されています。
日本銀行の公式サイトはこちらマネタリーベースの主な変動要因は何ですか?
マネタリーベース(日本の場合)の主な変動要因は、中央銀行による取引です。
また、年末年始や季節によって、個人や法人の現金需要が変動する傾向があり、現金通貨の発行高はこの影響を受けます。
マネタリーベースが増減するとどうなりますか?
マネタリーベースが拡大すると、一般的に金利が低下します。
この結果、個人や企業が借り入れしやすくなり、消費や投資が促進され、経済活動が活発化します。
一方、マネタリーベースが縮小すると、金利が上昇し、借り入れが難しくなります。
結果として、消費や投資が減少し、経済活動が抑制されます。
マネーサプライとは何ですか?
マネタリーベースは、日本銀行(日本の中央銀行)が世の中に直接的に供給している通貨量のことです。
対して、マネーサプライは「世の中に出回っている通貨供給量」のことを指し、マネーストックと同義です。
日銀による発表では、かつてはマネーサプライが用いられていましたが、2008年以降はマネーストックが用いられています。
【まとめ】マネタリーベースとは|初心者向けに意味やマネーストックとの違いなどを詳しく解説
マネタリーベースとは、日本銀行が世の中に直接的に供給するお金を指します。
類語のマネーストックは、一般法人や個人などの通貨保有主体が保有する現金通貨や預金通貨などの通貨量の残高を指します。
マネタリーベースの公表は、月次統計が毎月第2営業日の午前8時50分、日次統計が毎営業日の午前10時に行われます。
マネタリーベースは、日本銀行の公式サイトで確認できます。
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