用語解説

含み損とは|FXにおける意味や含み損を抑えるポイントなどを詳しく解説


含み損とは、保有ポジションに損失が出ている状態のことです(利益が出ている状態は「含み益」)。

含み損の状態から損失を確定させることを、損切りと呼びます。

損切りを行うためには、決済(手仕舞い)により、ポジションをクローズする必要があります。

本記事では、含み損の意味や、含み損を抑えるポイントなどを詳しく解説していきます。

含み損とは

ここでは、含み損の意味と具体例について詳しく解説します。

  • ・FXにおける意味
  • ・含み損の具体例

FXにおける意味

FXにおける含み損とは、保有しているポジションを現在の市場価格で計算した場合に、損失が出ている状態のことです。

この「未決済の損失」を決済すれば、損失が確定します。

例えば、米ドル/円を1ドル150円で買った後に、140円まで下がった場合は、差額の「10円」が含み損です。

買いポジションでの含み損

この時点ではまだポジションを決済していないため、10円の含み損は「確定した損失」ではありません。

もし価格が再び1ドル150円まで戻った場合には、含み損は解消されます。

含み損は、ポジションを決済してはじめて損失として確定します。

このポジションを決済して損失として確定することを、損失確定(損切り)といいます。

なお、上の説明は買いポジション(ロングポジション)のものですが、売りポジション(ショートポジション)の場合は、価格が上がることで損失が生じるため、含み損のイメージは下図のようになります。

売りポジションでの含み損

含み損の具体例

含み損を実際のチャートで見ると、以下の通りです。

含み損の具体例・買いポジション
出典:TradingView

買いポジションを建てた場合、ポジションの価格が買った時点の価格を下回れば含み損となり、上回れば含み益となります。

グレーの部分で売れば損切りとなり、黄色の部分で売れば利益確定になります。

売りポジションを建てると、以下のチャートの通りです。

含み損の具体例・売りポジション
出典:TradingView

含み損を抑えるポイント

含み損は損失が確定していない状態ですが、そのままにしていると損失が拡大する可能性があります。

損失拡大リスクを最小限に留めるための重要なポイントを解説します。

  • ・逆指値を入れておく
  • ・ルールを決めて取引する
  • ・ナンピンしない

逆指値を入れておく

逆指値注文は、損切りの予約注文として利用できる注文方法です。

現在価格よりも不利な価格を指定して、そこまで到達したら取引を終了するという注文です。

「ロングポジションの場合、指定の値段以下になったら売る」「ショートポジションの場合、指定の値段以上になったら買う」という内容です。

逆指値注文

逆指値注文を入れることで、指定した価格で損切りできるため、含み損が拡大してしまうことを防げます。

ルールを決めて取引する

FXで大きな損失を出さないためには、自分で決めた売買ルールを守って取引することが大切です。

例えば、「証拠金に対して含み損が2%発生したら決済する」などのルールを決め、それを守れば損失を限定できます。

このような損切りのルールを決めることで、「これ以上の含み損は発生しない」という対策がとれます。

ナンピンしない

ナンピン買い・ナンピン売り

FXのナンピン(難平)とは、相場が逆行しているときにポジションを追加し、平均取得単価を下げる(上げる)ことです。

相場が下がったら「買い増し」すること、相場が上がったら「売り増し」することを指します。

平均取得単価が下がる(上がる)ため、相場が期待の方向へ戻った場合には、より安い(高い)価格で含み損が解消されます。

ただし、相場の逆行が続けば、ポジションを増やした分だけ損失が拡大してしまいます。

ナンピンは、相場が反転する可能性が高い局面では有効な方法ですが、損失拡大のリスクを伴うものであることを理解する必要があります。

含み損に関するQ&A

含み損に関するよくある質問に回答します。

  • ・評価損と含み損の違いは何ですか?
  • ・FXで借金ができてしまう理由は何ですか?

評価損と含み損の違いは何ですか?

評価損と含み損は、本質的には同じものです。

どちらも、保有しているポジションについて、市場価格で計算した損失額を表します。

同様に、評価益と含み益も同じ意味です。

どちらも、保有しているポジションについて、市場価格で計算した利益額を表します。

FXで借金ができてしまう理由は何ですか?

FX会社は、顧客が口座に預け入れている証拠金以上の損失が出ないよう、投資家を保護する仕組みを取り入れています。

含み損が拡大して証拠金維持率が規定の水準になった場合には、FX会社が強制的にポジションをクローズ(強制ロスカット)することで、さらなる含み損拡大を防ぎます。

ただし例外として、相場が急激な値動きをした場合には、強制ロスカットの水準から乖離したレートで約定して、証拠金以上の損失が確定してしまう可能性が考えられます。

その場合は、証拠金を超えた分の損失額をFX会社に支払う必要があり、これがいわゆる借金となります。

【まとめ】含み損とは|FXにおける意味や含み損を抑えるポイントなどを詳しく解説

保有ポジションに損失が出ている状態を「含み損」と呼びます。

含み損は未確定の損失であり、決済(手仕舞い)により損失として確定します。

含み損を確定することを損切りストップロス)といいます。

含み損が拡大するのを防ぐには、逆指値を入れておく、取引ルールを決める、ナンピンしないといった対策が有効です。

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