含み益・含み損とは|FXにおける意味やよくある質問について解説
「含み益」と「含み損」はFXのトレードに関連して使われることが多く、理解しておくべき用語の1つです。
保有ポジションに対する未決済の利益を「含み益」と言い、保有ポジションに対する未決済の損失を「含み損」と言います。
含み益・含み損の状態から損益を確定するには、決済(手仕舞い)によりポジションをクローズする必要があります。
本記事では、含み益・含み損の意味や、含み益を利益確定するポイント、含み損を抑えるポイントについて詳しく解説していきます。
目次
- 1.含み益・含み損とは
- 2.含み益を利益確定するポイント
- 3.含み損を抑えるポイント
- 4.含み益・含み損に関するQ&A
- 5.【まとめ】含み益・含み損とは|FXにおける意味やよくある質問について解説
含み益・含み損とは
ここでは、含み益と含み損の意味について詳しく解説します。
- ・含み益とは
- ・含み損とは
含み益とは
FXにおける含み益とは、保有しているポジションに対する「未決済の利益」のことで、決済すれば利益が出る状態を言います。
例えば、米ドル/円を1ドル140円で買った後に150円まで上がった場合、差額の「10円」が含み益です。
この10円の含み益は、ポジションを決済することなく保有したままの状態なので「実際に手元に入る利益」ではありません。
価格が再び1ドル140円まで戻った場合には、含み益は消滅します。
含み益はポジションを決済してはじめて利益として確定することを、しっかりと押さえておきましょう。
そして、含み益を利益として確定することを、利益確定(利食い)と言います。
含み損とは
FXにおける含み損とは、保有しているポジションに対する「未決済の損失」のことで、決済すれば損失が出る状態を言います。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で買った後に140円まで下がった場合、差額の「10円」が含み損です。
含み益と同じく、この時点ではまだポジションを決済していないため、この10円の含み損は「実際の損失」ではありません。
価格が再び1ドル150円まで戻った場合には、含み損は解消されます。
含み損は、ポジションを決済してはじめて損失として確定します。
そして、ポジションを決済して損失として確定することを、損失確定(損切り)と言います。
含み益を利益確定するポイント
ここでは、含み益を利益確定するポイントについて解説します。
- ・利益確定するまで油断しない
- ・あらかじめ利益確定する条件を決めておく
- ・相場の急変動に注意する
利益確定するまで油断しない
含み益は、利益確定するまで油断しないことが重要です。
相場には価格変動リスクが常にあるため、相場が反転して含み益が減る、もしくは消滅する可能性があります。
含み益が出たことに満足せず、「利益を確定する」まで油断しないようにしましょう。
あらかじめ利益確定する条件を決めておく
含み益を利益確定する際には、あらかじめ条件を決めておくことが重要です。
含み益が出ている状態では「まだ利益が伸びるかもしれない」「相場が反転するかもしれない」など心理的影響を受けやすくなります。
エントリーをする前に、利益確定する条件を決めておくことで、迷うことなく落ち着いて決済することができます。
利益確定のタイミングとしては、リスクリワードの観点から利益額や値幅(pips)で決める方法、テクニカル指標を用いる方法などがあります。
自分で決めた利益確定のルールは、しっかり守るようにしましょう。
相場の急変動に注意する
含み益が出ているときは、相場の急変動に注意が必要です。
経済指標の発表時など、相場が急激に変動すると含み益が減るリスクがあります。
重要な経済指標発表前に利益確定をするのも、1つの対策になります。
含み損を抑えるポイント
含み損は損失が確定していない状態ですが、そのままにしていると損失が拡大するリスクがあります。
損失拡大リスクを最小限に留めるために重要なポイントを解説します。
- ・逆指値を入れておく
- ・ルールを決めて取引する
- ・ナンピンをしない
逆指値を入れておく
逆指値注文とは、現在価格よりも不利な価格を指定して予約する注文方法です。「価格が指定の値段以上になったら買い、指定の値段以下になったら売る」という内容で、主に損切り注文として利用されます。
逆指値注文を入れることで、指定した価格で損切りできるため、含み損が拡大してしまうことを防げます。
ルールを決めて取引する
FXで大きな損失を出さないためには、自分で決めた売買ルールを守って取引することが大切です。
例えば、「証拠金に対して含み損が2%発生したら決済する」などのルールを決めておけば、損失を限定できます。
このような損切りのルールを決めることで、「これ以上の含み損は発生しない」という対策がとれます。
ナンピンをしない
FXのナンピン(難平)とは、相場が逆行しているときにポジションを追加し平均取得単価を下げる(上げる)ことです。相場が下がったら「買い増し」すること、相場が上がったら「売り増し」することを指します。
平均取得単価が下がる(上がる)ため、含み損を解消しやすい手法です。
ただし、相場の逆行が続けば、ポジションを増やした分だけ損失が拡大してしまいます。
ナンピンは相場が反転する可能性が高い局面では有効な方法ですが、損失拡大のリスクを伴うものであることを理解する必要があります。
含み益・含み損に関するQ&A
ここでは、含み益・含み損に関して以下の疑問点を解説します。
- ・評価損と含み損の違いは何ですか?
- ・FXで借金ができてしまう理由は何ですか?
- ・含み益は課税対象ですか?
評価損と含み損の違いは何ですか?
評価損と含み損は、本質的には同じものです。
どちらも、保有しているポジションを市場価格で計算した際の損失額を表す場合に利用します。
同様に、評価益と含み益も同じ意味合いです。
どちらも、保有しているポジションを市場価格で計算した際の利益額を表す場合に利用します。
FXで借金ができてしまう理由は何ですか?
FXは原則的に、口座に預け入れている証拠金以上の損失が出ないよう、投資家を保護する仕組みになっています。
証拠金維持率が規定の水準になると、強制的にポジションをクローズします(強制ロスカット)。
ただし例外として、相場が突発的に変動した場合には、FX会社のシステムでロスカットの処理が間に合わず、証拠金以上の損失が出てしまう可能性もあります。
含み益は課税対象ですか?
決済していないポジションの含み益は課税対象ではありません。
原則として、確定した利益のみ確定申告が必要になります。
また、未決済のポジションにおけるスワップポイントの含み益においても課税対象とはなりません。
【まとめ】含み益・含み損とは|FXにおける意味やよくある質問について解説
ポジション保有中の未決済の損益を「含み益」「含み損」と呼びます。
これらは決済注文が約定してはじめて利益や損失として確定します。
含み益を確定することを「利益確定」、含み損を確定することを「損切り」と言います。
含み益を利益確定する際には、「利益確定するまで油断しない」「あらかじめ利益確定する条件を決めておく」「相場の急変動に注意する」ことが重要です。
また、含み損は「逆指値注文を入れる」「ルールを決めて取引する」「ナンピンをしない」などの対策で抑えられます。
含み益も含み損も、将来増えるか減るか分からない未確定の損益であるため、その金額に一喜一憂することなく、ルール通りにトレードすることが大切です。
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。