TIBOR(タイボー)とは|役割や算出方法・公表方法について詳しく解説
TIBOR(タイボー)は円の金利指標の1つで、インターバンク市場(銀行間取引市場)の金利を示します。
銀行が企業に資金を貸し出す際の金利計算などに用いられ、日本の政策金利との連動性が高いのが特徴です。
本記事では、TIBORの役割、公表方法、よくある質問などを解説します。
目次
- 1.TIBOR(タイボー)とは
- 2.日本円TIBORレートの推移
- 3.TIBOR(タイボー)の算出・公表方法
- 4.TIBOR(タイボー)に関するQ&A
- 5.【まとめ】TIBOR(タイボー)とは|役割や算出方法・公表方法などについて詳しく解説
TIBOR(タイボー)とは
TIBOR(タイボー)は日本国内の金利指標で、日本のインターバンク市場の金利を反映しています。
TIBORの役割、日本円TIBORとユーロ円TIBORについて解説します。
- ・役割
- ・日本円TIBOR・ユーロ円TIBOR
役割
TIBOR(タイボー)の主な役割は以下の2点で、円の短期金利指標として機能しています。
- ・企業向けの貸出金利設定
- ・金融商品で使用
企業向けの貸出金利設定
TIBOR(タイボー)に一定の数字を加えた金利が、企業向け貸出時の変動金利として使用されます。
TIBORは日本の政策金利との連動性が高く、政策金利の上昇は貸出金利の上昇につながりやすいと考えられます。
金融商品で使用
TIBOR(タイボー)を使用する金融商品の例として、TIBORスワップが挙げられます。
TIBORスワップはデリバティブ取引の一種で、固定金利とTIBOR金利を交換する金利スワップです。
日本円TIBOR・ユーロ円TIBOR
日本円TIBORとは東京銀行間取引金利(Tokyo Interbank Offered Rate)を指し、東京の銀行間における主要な金利を意味します。
日本の政策金利(無担保コール翌日物)との連動性が高いのが特徴です。
その一方、ユーロ円TIBORは、オフショア市場における銀行間の金利を反映しています。
オフショア市場とは、非居住者間の取引市場で、日本国内の市場とは別に制度設計されており、各種規制が緩やかという特徴を持ちます。
なお、ユーロという名前ですが、通貨のユーロではないので混同しないよう注意が必要です。
また、ユーロ円TIBORは2024年12月末で公表が恒久的に停止されています。
日本円TIBORレートの推移
日本円TIBORには、5つの期間(1週間物、1か月物、3か月物、6か月物、12か月物)があり、下のグラフは1か月物の推移を示しています。
2016年から2024年初めにかけて0.1%未満で推移し、2024年以降に大きく上昇しました。
>全銀協TIBOR運営機関のデータを基に作成
下のグラフは、同期間の日本の政策金利(無担保コール翌日物誘導目標)と重ね合わせたグラフです。
2024年初めまで政策金利とTIBORはともに横ばいで推移し、それ以降は両者とも上昇しています。
2つの金利の連動性の強さがわかります。
TIBOR(タイボー)の算出・公表方法
リファレンスバンクと呼ばれる複数の銀行が金利を提示し、その金利を使って全銀協TIBOR運営機関がTIBORを算出・公表します。
リファレンスバンクは午前11時時点の金利を提示し、全銀協TIBOR運営機関は最も高い金利2つと最も低い金利2つを除いた上で単純平均します。
こうして求められた金利がTIBORで、毎営業日の午後1時までに情報提供会社を通じて広く公開されます。
なお、リファレンスバンクは公募により選定され、15の金融機関がリファレンスバンクとして登録されています。
TIBOR(タイボー)に関するQ&A
TIBOR(タイボー)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・TIBORレートはどこで確認できますか?
- ・LIBORとの違いは何ですか?
- ・TIBOR(タイボー)がマイナスになることはありますか?
TIBORレートはどこで確認できますか?
TIBORレートは一般社団法人全銀協TIBOR運営機関が算出・公表しており、公式ホームページで確認できます。
また、2014年以降のヒストリカルデータも参照可能です。
LIBORとの違いは何ですか?
LIBOR(ライボー)はロンドンでの銀行間取引金利を指します。
London Interbank Offered Rateの頭文字をつなげて作った言葉です。
ドル、ユーロ、円などの金利を公表してきたものの、2021年12月末に公表停止となりました。
TIBOR(タイボー)がマイナスになることはありますか?
2018年6月、TIBOR(タイボー)は公開以来初めてマイナスを記録しました。
マイナスを記録したのは1週間物です。
その後、1週間物はたびたびマイナスを記録したものの、2024年2月以降はプラスを維持しています。
日本の政策金利引き上げ後は、TIBORも上昇傾向です。
【まとめ】TIBOR(タイボー)とは|役割や算出方法・公表方法などについて詳しく解説
TIBOR(タイボー)は円の金利指標の1つで、インターバンク市場(銀行間取引市場)の金利を示します。
銀行が企業に資金を貸し出す際の金利計算などに用いられ、日本の政策金利との連動性が高いのが特徴です。
従来、日本円TIBORとユーロ円TIBORが公表されてきましたが、ユーロ円TIBORは2024年12月末に恒久的に公表が停止されています。
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