用語解説

スリッページとは|FXで起こる原因やよくある質問などを詳しく解説


スリッページとは、注文時の為替レートと、実際の約定レートに生じる差のことです。

スリッページの大きさや発生頻度は、トレード成績に直結する要素であるため、より条件の良いFX会社選びが重要です。

本記事では、スリッページの意味や、起こる原因などを解説します。

スリッページとは

ここではスリッページとは何かを、以下の内容に分けて解説します。

  • ・意味
  • ・スリッページの例

意味

スリッページとは、注文レートと約定レートに生じる差(価格のズレ)のことです。

スリッページとは

上図の例では、注文発注価格は「150.100円」ですが、その注文はOANDA証券のサーバーを経由するためわずかな時間が生じ、約定価格は「150.110円」にズレています。

この注文発注から約定までのわずかな時間に発生した「0.010円」の差を、スリッページと呼びます。

スリッページには、以下の2種類があります。

  • ①:ポジティブスリッページ
  • ②:ネガティブスリッページ

「ユーザーにとって有利な方向」にずれることをポジティブスリッページ、「ユーザーにとって不利な方向」にずれることをネガティブスリッページと呼びます。

下図は、買いポジション保有時に、決済注文を出した場合の例です。

ポジティブスリッページが発生すると、本来の注文よりも得になるレートでの約定となります。

一方、ネガティブスリッページが発生すると、本来の注文よりも損になるレートでの約定となります。

ポジティブスリッページ・ネガティブスリッページ

スリッページの例

ここでは「スリッページが実際の損益にどのような影響を与えるか」について説明します。

例えば、米ドル/円を149円で買い、150円で決済した場合(取引は1,000通貨)、利益は下表の通り1,000円です。

スリッページの例

しかし、この時にスリッページが発生すると、利益が変化します。

仮に、レートが0.10円ずつ上下にずれた場合、利益は下表のようになります。

スリッページの例

ポジティブスリッページでは利益が100円増え、ネガティブスリッページでは100円減っています。

上記の例よりも取引数量が大きくなったり、取引回数が多くなる場合は、スリッページによる影響が顕著に現れます。

スリッページの原因

スリッページの主な原因は、以下の2つが考えられます。

  • ①:ユーザーの注文が、FX会社のサーバーに届くまでのタイムラグ
  • ②:FX会社のサーバーで、注文が処理されるまでのタイムラグ

スリッページの原因

①のタイムラグは、ユーザーが使用しているインターネット回線の速度や、FX会社のサーバーの位置(所在地)などの諸条件によって差異が生じます。

例えば、日本国内から海外サーバーに発注する場合は、国内サーバーに発注する場合と比較してタイムラグが大きくなります。

②のタイムラグは、FX会社のサーバーの処理能力によって差異が生じます。

処理能力に優れたサーバーを備え、高い約定力を追求しているFX会社であれば、タイムラグが少なくなる傾向があります。

スリッページ許容範囲の設定方法

取引ツールによっては、スリッページの許容範囲を設定することができます。

この機能を用いれば、許容範囲を超えたスリッページが発生した場合には、売買注文が約定しません。

ここではOANDA証券の「fxTrade」を例に、スリッページの許容範囲の設定方法を解説します。

fx Tradeの画面

まず「fxTrade」を開くと上のような画面になります。

チャート上で右クリックをしてください。

fx Tradeの画面

ポップアップ画面が出現したら「トレーディング>新しい注文を作成」を選択します。

fx Tradeの画面

「新規注文」の画面がポップアップで表示されます。

「スリッページ上限」をクリックします。

fx Tradeの画面

「レート」と「Pips」を設定するフォームが開くので、ここで任意の数値を入力します。

fx Tradeの画面

「レート」で基準となる価格を決め、「Pips」でスリッページの許容範囲を設定します。

注文受信時のOANDA証券サーバーの為替レートが、スリッページ上限の範囲内に収まる場合には約定し、範囲内に収まらない場合には約定しません。

数値を入力したら「注文」を押します。

注文方法・注文数量・指値逆指値などを設定したい場合は、それらを設定してから「注文」を押します。

スリッページに関するQ&A

スリッページに関して、よく見られる疑問点は以下の通りです。

  • ・スリッページの単位は何ですか?
  • ・スリッページは回避できますか?

スリッページの単位は何ですか?

スリッページの単位はpips(ピップス)です。

pipsとは、為替レートの値幅を表す最小単位です。

1pipsが示す内容は、通貨ペアによって異なります。

例えば、クロス円のペア(米ドル/円・ユーロ/円など)は、1pips=1銭(0.01円)です。

ドルストレートのペア(ユーロ/米ドル・ポンド/米ドルなど)は、1pips=0.0001米ドル(0.01セント)です。

仮に1ドル160円とすると、0.016円です。

スリッページは回避できますか?

ユーザーのインターネット環境と、FX会社のサーバー処理速度がどんなに優れていても、スリッページを100%回避することはできません。

ただし、下記の方法で、可能な限り回避する対策はできます。

  • ①:約定スピードが速いFX会社を選ぶ
  • ②:スリッページ発生状況が公開されており、数値が良いFX会社を選ぶ

①の約定スピードは、情報公開しているFX会社であれば、例えば「20ミリ秒経過時点での約定率」などの形で、データを確認できます。

②のスリッページ発生状況も同様に、情報公開しているFX会社であれば、注文の種類ごとの発生率や平均幅(pips)などを確認できます。

OANDA証券では、これら2つのデータを公開しており、毎週更新しています。

スリッページに関するデータが正確に公開されているFX会社をお探しの方は、以下のページからデータをご覧ください。

OANDA 東京サーバー インフラデータ

【まとめ】スリッページとは|FXで起こる原因やよくある質問などを詳しく解説

スリッページとは、注文時の為替レートと、実際の約定レートに生じる差のことです。

スリッページによる価格のズレが大きいFX会社では、想定通りの取引を行えないケースが増えてしまいます。

FX会社を選ぶ際は、スリッページの影響が少ない会社を選ぶことが重要です。

また、スリッページの許容範囲を設定できる取引ツールを使用すれば、仮にスリッページが起きても約定レートのズレを一定の範囲に収めやすくなります。

OANDA証券では約定スピードやスリッページ発生状況などのデータを詳細に公開しており、またスリッページの許容範囲も簡単な操作で設定できます。

OANDA証券での取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。

口座開設ボタン


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