ショートスクイーズとは|意味・過去の事例やよくある質問を解説
ショートスクイーズとは、市場が売りに傾いた後に相場が急騰する状態・現象、またはそのように誘導する手法のことです。
ショートスクイーズでは強い上昇トレンドが発生するため、発生のパターンを理解して予測することにより、利益を狙える可能性があります。
本記事では、ショートスクイーズの意味や発生の要因、過去の事例などを解説します。
目次
- 1.ショートスクイーズとは
- 2.ショートスクイーズの要因
- 3.ショートスクイーズ過去の事例
- 4.ショートスクイーズに関するQ&A
- 5.【まとめ】ショートスクイーズとは|意味・過去の事例やよくある質問を解説
ショートスクイーズとは
ショートスクイーズの意味と、ロングスクイーズとの違いについて解説します。
- ・意味
- ・ロングスクイーズとの違い
意味
ショートスクイーズとは、市場が売りに傾いた後に、相場が急騰する現象・状態のことです。
その状態に誘導する手法を指すこともあります。
ショートスクイーズの仕組みは下図の通りです。
①で売り(ショート)の投資家が増え、②で価格が下落します。
③で投機筋の投資家たちが買いを仕掛けると、価格が徐々に上昇に転じます。
それを見て、④で売りポジションの投資家たちが買い戻しを始めます。
さらに価格が上昇すると、売り時を逃した①の投資家が、損切りでポジションを決済します。
新規で買う投資家も多数参入する一方、新規売りは乏しく、⑤で価格が急騰します。
投機筋の投資家たちが、売り(ショート)の投資家たちを絞り出す(スクイーズする)ような展開のため、ショートスクイーズと呼ばれます。
ショートスクイーズは「マーケットスクイーズ」と呼ばれる現象の一種です。
マーケットスクイーズには、以下の2種類があります。
- ・ショートスクイーズ
- ・ロングスクイーズ
ショートスクイーズは日本語で「踏み上げ」と呼ばれることもあります。
FX取引だけでなく、先物市場やCFDなどのボラティリティの高い相場でよく見られます。
ロングスクイーズとの違い
ロングスクイーズとは、市場が買い(ロング)に傾いている状態から相場が急落する現象・状態のことです。
名前の通り、ショートスクイーズの真逆の現象・状態です。
ロングスクイーズの仕組みは、下図の通りです。
原理はショートスクイーズと共通で、売りと買い、上昇と下落が逆です。
ショートスクイーズと比較すると、ロングスクイーズという単語が用いられるケースは多くありません。
ショートスクイーズの要因
ショートスクイーズの主な要因について解説します。
- ・ショートポジションの蓄積
- ・投機筋による買い仕掛け
- ・ショートポジションの損切り
- ・新規に買う投資家の参入
ショートポジションの蓄積
価格が低迷していて、ショートポジションが蓄積している状態です。
ショートポジションが多ければ多いほど、ショートスクイーズ発生時の価格上昇も大きくなると予想できます。
投機筋による買い仕掛け
市場がショートに傾いている状況は、ショートスクイーズが発生しうる環境であり、投機筋が買い仕掛けしやすい環境と考えられます。
株式投資の場合、空売り比率や空売り残高を参照して、ショートスクイーズを狙った買い仕掛けが行われる場合があります。
FXの場合でも、チャートの形状などからショートに傾いている状況を察知し、買い仕掛けが行われる場合があります。
ショートポジションの損切り
反転上昇の値動きがあると、ショート勢が損切り(あるいは利益確定)で反応し、そのショートカバー(買い戻し)が連鎖することで、価格が急騰する流れが生まれます。
多くのストップロスが約定する水準では、上昇に弾みがつき、さらに価格を押し上げる要因となります。
新規に買う投資家の参入
上昇の動きを見て、新規に買う投資家が参入してきます。
これも、価格を一段と押し上げる要因だと考えられます。
ショートスクイーズ過去の事例
ショートスクイーズの過去の事例では、2024年5月にニューヨーク商品取引所(COMEX)で起きた、銅先物市場の高騰が有名な例の1つといえます。
この事例のチャートは、下図の通りです。
出典:TradingView
この時のNY銅市場の値動きは、「記録的なショートスクイーズ」と報道されています。
ショートスクイーズに関するQ&A
ショートスクイーズに関する、よくある質問について解説します。
- ・ショートスクイーズはどうやって見極めたらいいですか?
- ・ショートスクイーズが起きるとどうなりますか?
- ・ショートカバーとの違いは何ですか?
ショートスクイーズはどうやって見極めたらいいですか?
ショートスクイーズは、市場にショートポジションが蓄積している時に発生する可能性があります。
ショートポジションを保有している場合は注意が必要です。
市場の売られすぎは、オシレーター系指標を参考に判断することも可能です。
また、OANDA証券が提供するオープンポジションやオープンオーダーでは、未決済のポジションや未約定のオーダーを確認できます。
これによりポジションやオーダーの偏りを見ることができます。
ショートスクイーズが起きるとどうなりますか?
ショートスクイーズは、ショートカバーの連鎖によって相場が急騰する状況のことです。
投機筋による仕掛けをきっかけとする場合もあれば、何かしらの材料を要因とする場合もあります。
FXや先物市場、CFD相場のようにレバレッジの高い市場ではボラティリティが高くなりやすいので、ショートカバーも連鎖しやすく、急騰相場に繋がることもあります。
ショートカバーとの違いは何ですか?
ショートスクイーズは下落していた価格が急騰することを指すのに対し、ショートカバーは売りポジションの決済を意味します。
大規模なショートカバーが発生すると、ショートスクイーズにつながる可能性があります。
「損切り」で買い戻すケースの説明は、下図の通りです。
【まとめ】ショートスクイーズとは|意味・過去の事例やよくある質問を解説
ショートスクイーズとは「市場が売りに偏っている状態から一転して相場が急騰する現象・状態」のことです。
マーケットスクイーズの一種であり、対義語としてロングスクイーズがあります。
ショートスクイーズでは強い上昇トレンドが発生します。
このため、ショートスクイーズの発生を的確に見抜けば、買い(ロング)によって大きな利益を狙うことができます。
そのためにはテクニカル分析やファンダメンタルズ分析によって、相場をあらゆる角度から考察することが重要です。
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