政策金利とは|各国の政策金利や与える影響などをわかりやすく解説
政策金利とは、中央銀行が最も重視する短期金利です。
中央銀行は政策金利をコントロールして、物価の安定等を達成します。
本記事では、政策金利の意味や、現在の各国の政策金利、よくある質問について詳しく解説します。
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政策金利とは
政策金利とは、中央銀行が金融政策を実行するために最も重要視する短期金利を指します。
この短期金利は中央銀行が「〇%」と決められるわけではなく、金融機関同士の取引によって決定されます(自由金利)。
そこで中央銀行は、公開市場操作(オペレーション)によって、目標の水準に政策金利を誘導します。
日本では「無担保コールレート(オーバーナイト物)」、米国では「FF(フェデラル・ファンド)金利」が政策金利に該当します。
各国の政策金利
各国の政策金利は以下の通りです(2025年4月17日更新)。
国 | 政策金利 | 最新の変更日 |
---|---|---|
日本 | 無担保コールレート(オーバーナイト物) 0.50% | 2025年1月24日(0.25%利上げ) |
米国 | フェデラル・ファンド金利 4.25~4.50% | 2024年12月18日(0.25%利下げ) |
ユーロ圏 | 主要リファイナンスオペ金利 2.40% | 2025年4月17日(0.25%利下げ) |
英国 | バンクレート 4.50% | 2025年2月6日(0.25%利下げ) |
豪州 | オフィシャル・キャッシュ・レート 4.10% | 2025年2月18日(0.25%利下げ) |
NZ | オフィシャル・キャッシュ・レート 3.50% | 2025年4月9日(0.25%利下げ) |
カナダ | オーバーナイト・レート 2.75% | 2025年3月12日(0.25%利下げ) |
スイス | SNBポリシーレート 0.25% | 2025年3月20日(0.25%利下げ) |
各国の金融政策スケジュール
各国の金融政策スケジュールは以下の通りです(2025年3月14日更新)。
国 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 23日 ・ 24日 |
– | 18日 ・ 19日 |
– | 4月30日 ・ 1日 |
16日 ・ 17日 |
30日 ・ 31日 |
– | 18日 ・ 19日 |
29日 ・ 30日 |
– | 18日 ・ 19日 |
米国 | 28日 ・ 29日 |
– | 18日 ・ 19日 |
– | 6日 ・ 7日 |
17日 ・ 18日 |
29日 ・ 30日 |
– | 16日 ・ 17日 |
28日 ・ 29日 |
– | 9日 ・ 10日 |
ユーロ圏 | 30日 | – | 6日 | 17日 | – | 5日 | 24日 | – | 11日 | 30日 | – | 18日 |
英国 | – | 6日 | 20日 | – | 8日 | 19日 | – | 7日 | 18日 | – | 6日 | 18日 |
豪州 | – | 18日 | – | 1日 | 20日 | – | 8日 | 12日 | 30日 | – | 4日 | 9日 |
NZ | – | 19日 | – | 9日 | 28日 | – | 9日 | 20日 | – | 8日 | 26日 | – |
カナダ | 29日 | – | 12日 | 16日 | – | 4日 | 30日 | – | 17日 | 29日 | – | 10日 |
スイス | – | – | 20日 | – | – | 19日 | – | – | 25日 | – | – | 11日 |
政策金利が与える影響
政策金利が与える影響を以下の3項目で解説します。
- ・利上げの場合
- ・利下げの場合
- ・据え置きの場合
利上げの場合
利上げとは、各国の中央銀行による政策金利の引き上げのことを指します。
金利が上昇すると、企業や消費者の借入コストが増加し、投資や消費活動が減少します。
利上げは主に、インフレ(物価の上昇)抑制を目的として行われます。
「利上げ」については、以下の記事で詳しく解説しています。
利上げとは|意味・メリット・デメリットなどを詳しく解説利下げの場合
利下げとは、各国の中央銀行による政策金利の引き下げのことを指します。
金利が低下すると、借入コストが減少し、企業の設備投資や消費者の支出が活発になります。
利下げは主に、景気刺激を目的として行われます。
「利下げ」については、以下の記事で詳しく解説しています。
利下げとは|意味やFX市場に与える影響などを詳しく解説据え置きの場合
据え置きとは、政策金利が現状の水準に維持されることを指します。
一般的に金利が据え置かれる場合、経済の現状が適切であると判断されています。
政策金利の推移
主要国の政策金利の推移は、以下の通りです。
主要国の政策金利の推移は「主要国政策金利」のページで確認できます。
- ・米国(FRB)政策金利の推移
- ・日本(BOJ)政策金利の推移
- ・ユーロ圏(ECB)政策金利の推移
- ・英国(BOE)政策金利の推移
- ・豪州(RBA)政策金利の推移
米国(FRB)政策金利の推移
以下は、直近10年間の米国(FRB)の政策金利(FFレート)です。
現在のレートは4.50%で、直近1年では最も低い水準です。
日本(BOJ)政策金利の推移
以下は、直近10年間の日本(BOJ・日銀)の政策金利無担保コールレート(オーバーナイト物)です。
現在のレートは0.50%で、直近1年では最も高い水準です。
ユーロ圏(ECB)政策金利の推移
ユーロ圏(ECB)の政策金利(主要リファイナンス金利)です。
2025年4月時点の政策金利は2.40%で、下落トレンドを形成しています。
英国(BOE)政策金利の推移
以下は、直近10年間の英国(BOE)の政策金利です。
現在のレートは4.50%で、直近1年では最も低い水準です。
豪州(RBA)政策金利の推移
以下は、直近10年間の豪州(RBA)の政策金利です。
現在のレートは4.10%で、直近1年では最も低い水準です。
政策金利に関するQ&A
政策金利に関するよくある質問に回答していきます。
- ・公定歩合との違いは何ですか?
- ・政策金利と国債との関係は?
- ・政策金利と銀行の関係は?
- ・政策金利はFX市場に影響がありますか?
- ・現在の日本の政策金利は?
公定歩合との違いは何ですか?
かつての日本では、日銀が定めた「公定歩合」により、金融機関に貸し出しを行っていました(規制金利)。
公定歩合を変更することで、金融機関の金利も動く仕組みでした。
1994年には金利自由化が完了し、1995年からは公開市場操作を通じて金融市場調整を行うようになりました。
2006年、公定歩合の名称は「基準割引率および基準貸付利率」に変わり、無担保コールレートの上限金利(0.5%)となっています。
政策金利と国債との関係は?
政策金利と国債の金利には関係があり、政策金利が変更されると、国債の利回りは影響を受けて上下動します。
償還までの期間が短い国債は政策金利の影響を受けやすく、政策金利が引き下げられれば国債の利回りも下がり、政策金利が引き上げられれば国債の利回りも上がりやすいです。
その一方、償還までの期間が長い国債の利回りについては、政策金利に加えて中長期の物価見通し等も反映されるため、政策金利の変化が直ちに国債利回りの上下動に結びつくとは限りません。
政策金利と銀行の関係は?
政策金利が利上げまたは利下げされると、さまざまな短期金利が影響を受けます。
利上げは、銀行から見て調達金利の上昇を意味し貸出金利を上げる流れが生まれ、企業や個人は借り入れしにくくなるため、投資や消費が抑制され景気が落ち着きます。
利下げは、銀行から見て調達金利の低下を意味し貸出金利を下げる流れが生まれ、企業や個人は借り入れしやすくなるため、投資や消費が活性化し景気が上向きになります。
政策金利はFX市場に影響がありますか?
FX市場は、政策金利の影響を受けます。
通貨ペアはさまざまな要因で値動きしますが、一般的に政策金利が高い国の通貨は買われやすく、低い国の通貨は売られやすい傾向があります。政策金利の利上げは通貨高、利下げは通貨安として影響する傾向があります。
2022年以降に米国が利上げする一方で、日本は低金利を維持していたことから、日米金利差が拡大し、その影響でドル高円安トレンドが生まれたと考えられます。
現在の日本の政策金利は?
日本の政策金利・無担保コールレート(オーバーナイト物)は、0.50%です(2025年4月9日時点)。
OANDA証券では「国別経済指標」を提供しており、各主要国の政策金利をご覧いただけます。
【まとめ】政策金利とは|各国の政策金利や与える影響などをわかりやすく解説
政策金利とは、中央銀行が金融政策を実行するために最も重要視する短期金利を指します。
短期金利は中央銀行が「〇%」と決められるわけではなく、金融機関同士の取引によって決定されます。
そこで中央銀行は、公開市場操作(オペレーション)によって、目標の水準に政策金利を誘導します。
政策金利の変更は、さまざまな金融市場に大きく影響するため注目度が高いです。
各国の政策金利の推移は、「国別経済指標」で確認することができます。
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