FXのスキャルピング手法とは|利益を出すコツや禁止理由なども紹介
FXの代表的な取引スタイルの1つに「スキャルピング」があります。
スキャルピングは、数秒から数分程度の短期間で小さな利益を狙い、その利幅をコツコツ積み重ねていくトレード手法のことです。
本記事では、スキャルピングの具体的な手法や、実践する際の注意点などを詳しく解説していきます。
目次
- ・1.FXのスキャルピング手法とは
- ・2.スキャルピングの方法
- ・3.FXのスキャルピングのメリット
- ・4.FXのスキャルピングのデメリット
- ・5.FXのスキャルピングで利益を出すコツ
- ・6.OANDA証券でスキャルピングを行うのは禁止?
- ・7.FXのスキャルピングに関するQ&A
- ・8.【まとめ】FXのスキャルピング手法とは|利益を出すコツや禁止理由なども紹介
FXのスキャルピング手法とは
ここでは、FXのスキャルピング手法の意味や、他のトレード手法との違いを説明します。
スキャルピングの意味
FXのスキャルピング手法とは、1回の取引を数秒~数分までの短期間で完了させる取引スタイルです。
1日に何度も取引を行い、小さな利幅をコツコツと積み重ねます。
1回のトレードで得られる利益は小さいですが、資金効率が良く、複利運用によって大きく資産を増やす期待ができます。
スキャルピングは、ポジションを持つ時間が短いため、突発的に発生する大きな価格変動に巻き込まれるリスクを抑えられます。
ただし、取引回数が増える分、スプレッド(売値と買値の差)の負担が大きくなることに注意が必要です。
スキャルピングで利益を出すには、トレードスキルを向上させることが不可欠です。
また、スキャルピングという名前の由来は、ネイティブ・アメリカンが行っていた「頭皮を剥ぐ(英語でscalp)」という習慣から来ているとされます。
相場から頭皮を剥ぐように薄い利益を狙っていく取引手法がスキャルピングです。
他のトレード手法と比較
FXの世界ではスキャルピング以外にも、デイトレードやスイングトレードといったさまざまな取引スタイルがあります。
それぞれの取引スタイルが持つ特徴や違いについて、以下の表でまとめました。
取引スタイル | スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | ポジショントレード |
使用するチャート | 1分足~15分足 | 5分足〜日足 | 1時間足~週足 | 日足~月足 |
メリット | ・1回のトレードリスクが少ない ・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない |
・1回のトレードリスクが少ない ・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない |
・一度に狙える利益はデイトレより大きい ・相場に張り付く必要がない ・ポジショントレードより取引機会が多い |
・一度に大きな利益を狙うことができる ・相場に張り付く必要がない |
デメリット | ・取引回数が増えるためスプレッド分のコストが嵩む ・一度に大きな利益は期待できない ・トレード中は相場に張り付く必要がある |
・一度に大きな利益は期待できない ・相場を頻繁にチェックする必要がある |
・1回のトレードリスクが大きい ・ポジションを翌日に持ち越すためストレスが大きい ・週を跨いでポジションを持つと週末リスクがある |
・1回のトレードリスクが大きい ・トレードチャンスは少ない ・ポジションを翌日に持ち越すためストレスが大きい ・週を跨いでポジションを持つと週末リスクがある |
スキャルピングの方法
スキャルピングの具体的なやり方(手法)としては、例えば以下の4つが挙げられます。
トレンド相場:順張り
上昇トレンドや下落トレンドなどの「トレンド相場」では、順張りを仕掛けます。
上昇トレンドなら「買い」、下落トレンドなら「売り」で入ります。
タイミングについては、トレンドが一時的に反転した時にエントリーします。
上昇トレンドなら下値支持線(サポートライン)に触れたところ、下落トレンドなら上値抵抗線(レジスタンスライン)に触れたところが狙い目となります。
レンジ相場:逆張り
レンジ相場とは、価格が一定の範囲で上下を繰り返す相場です。
このレンジ相場では「逆張り」を仕掛けます。
具体的には、レンジの上限に近づいたら「売り」、下限に近づいたら「買い」を狙います。
レンジブレイク:順張り
レンジブレイクとは「レンジ相場を上下どちらかの方向に抜けること」です。
この場面では、抜けた方向への「順張り」を仕掛けます。
売りと買いが拮抗するレンジ相場が続いた後、それが一方向に傾いたということは、しばらくその方向に相場が偏ると推測できます。
ペナント:順張り
ペナントとは、三角形の旗のような形で、先に行くほど値幅が小さくなるチャートパターンです。
このペナントでも、レンジブレイクと同じく「ペナントを抜けた方向」に順張りします。
上に抜ける上昇ペナントなら「買い」、下に抜ける下落ペナントなら「売り」です。
以上で解説した売買手法は、あくまで基本的な考え方であり、実際には複数の指標も合わせて見ながら、臨機応変に対応することが重要です。
FXのスキャルピングのメリット
スキャルピングのメリットは、主に以下3つです。
メリット①:資金効率が良い
スキャルピングは、チャンスがあれば1日に何度も取引を行います。
手持ちの資金を寝かせることなく、短期間で回転させながら利益を狙えるため、他の取引スタイルに比べ資金効率が良いです。
利益が増えた分を複利運用することもできるので、指数関数的な資産の増やし方も期待できます。
メリット②:価格変動リスクを抑えられる
スキャルピングは短時間で取引を完了させるため、価格の変動によって資産価値が変動するリスクを抑えられます。
基本的にポジションを保有している時間が長いほど、大きな価格変動に巻き込まれる可能性があり、資産価値の増減による精神的な負担も増します。
その点、素早くポジションを決済するスキャルピングは、価格変動リスクや資産価値の増減による精神的な負担を抑えられるのがメリットです。
メリット③:取引経験を積みやすい
スキャルピングは1日に何度も取引を行うので、取引経験を積みやすいです。
成功経験と失敗経験に加えて、トレードを振り返る経験を重ねることで、他のトレードスタイルよりも早く成長できます。
FXのスキャルピングのデメリット
スキャルピングのデメリットは、主に以下の3つです。
デメリット①:簡単ではない
スキャルピングは短時間のトレードだからといって、いつでも同じように稼げるような簡単さはありません。
通貨ペアの特徴や、時間帯別の値動きの特徴といったデータや、重要な経済指標の把握などが前提となります。
その上で、瞬時の判断力や、取引ツールの操作なども影響します。
また、厳格なトレードルールや、ルールを守るメンタルも重要です。
デメリット②:取引コストが積み上がる
FXでは、取引ごとに売値と買値の差であるスプレッドが発生します。
何度もスキャルピングを繰り返すたびに、スプレッドのコストが積み上がっていきます。
スプレッドを上回る値幅を獲得しなければ、利益は増えていきません。
「スプレッド」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
デメリット③:取引環境の影響を受ける
FXの注文は、FX会社のサーバに届いて約定します。
インターネット回線を通じて行う注文と約定は、0.001秒単位の通信スピードに影響を受けます。
ごくわずかなタイムラグですが、その差が勝敗を分けることにもつながるのです。
どれだけ売買判断が優れていたとしても、注文から約定までの通信スピードや、約定力によっては、意図したトレードにならないことが考えられます。
FXのスキャルピングで利益を出すコツ
スキャルピングは、資金効率に優れた取引スタイルです。
ある程度の相場経験が必要になりますが、取引スキルを身につければ、継続的に利益を得る期待が持てます。
ここでは、スキャルピングで利益を出すコツについて詳しく紹介します。
スキャルピングで利益を出すコツは、以下の通りです。
コツ①:値動きが活発になりやすい時間帯や通貨ペアで取引する
FXの相場は、24時間いつでも同じような値動きをするわけではありません。また、通貨ペアによって値動きの傾向も異なります。
スキャルピングで効率よく利益を得るためには、狙いの通貨ペアで、値動きが活発になりやすい時間帯を選ぶのがポイントです。
時間帯については、世界三大市場(東京、ロンドン、ニューヨーク)のオープン直後の時間が、特に値動きが活発になります。
各市場のオープン時間を、日本時間にすると以下の通りです。
- ・ウェリントン市場(4時)
- ・シドニー市場(7時)
- ・東京市場(9時)
- ・ロンドン市場(17時)
- ・ニューヨーク市場(22時)
その他、ロンドン市場が始まる17時〜、ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる22時〜3時も、比較的値動きが活発な時間帯です。
また、OANDA証券が提供する「ボラティリティ グラフチャート」では、任意の通貨ペアの「時間ごとの変動幅の傾向」や「曜日ごとの変動幅の傾向」を知ることができます。
どの通貨ペアがどの時間、どの曜日に動きやすいかの傾向を知ることができ、スキャルピングの狙いをつけるのに役立ちます。
コツ②:売買ルールを定める
トレードする際には、「どうなったらエントリーする」「どうなったら決済(利確、損切り)する」というルールに従うことが重要です。
特にスキャルピングのような短期売買の場合、ルールがなければ無秩序に何回でもトレードできてしまい、失敗につながりやすいです。
ルール通りに勝って、ルール通りに負けることを繰り返し、トータルで利益を積み重ねていくことが重要です。
コツ③:取引コストを抑える
スキャルピングの成績は、スプレッドの他、約定力やスリッページからも影響を受けます。
それらの点にこだわって、取引環境を作ると良いでしょう。
OANDA証券では、リアルスプレッドNo.1を目指し、見えているスプレッド+約定力に注力しています。
また、公正・公平な取引環境提供のため、約定までの時間やスリッページの発生状況などの情報を公開しています。
OANDA東京サーバーインフラデータ
のページから確認することができるので、この記事と一緒に確認してみましょう。コツ④:長期足のトレンドを分析する
スキャルピングでは、1分足や5分足といった短い時間足で取引をするのが基本です。
だからといって、1分足や5分足だけを見て取引すれば良いわけではありません。
出典:TradingView
FX相場は、「長期足のトレンド方向」に沿って動く傾向があります。
大きな流れを把握しつつ、小さな局面で優位性の高い方向へトレードするのがセオリーです。
OANDA証券でスキャルピングを行うのは禁止?
OANDA証券ではスキャルピングを禁止するという明確な規定はありません。
一般的なスキャルピングを行うことが可能です。
ただし、取引内容によっては取引が制限される場合もあります。
OANDA証券の口座開設は、以下のボタンより行えます。
※弊社にてお客様の取引手法に問題があると判断した場合は、お取引をご遠慮いただく場合がございます。
※弊社のカバー先がお客様の取引のカバーを継続することが難しいと判断した場合も同様です。
FXのスキャルピングに関するQ&A
FXのスキャルピングに関して、よく見られる疑問点は、以下の通りです。
スキャルピングをしない方が良いタイミングはありますか?
スプレッドが広がるタイミングは、全てスキャルピングをしない方が良いタイミングといえます。
具体的には、以下のようなタイミングです。
- ①:重要な経済指標の発表前後
- ②:突発的なイベント発生時
- ③:早朝や年末年始など
①と②のタイミングでは、経済指標の発表やイベントの影響によって、取引が売りか買いのどちらか一方に偏る場合があります。
これによって市場の流動性が低下するため、売買が成立しにくくなり、スプレッドも広くなります。
③のタイミングは、単純に市場参加者が少ないため、流動性が低下しスプレッドが広がります。
これらのタイミングでスプレッドが広がると、スキャルピングでは手数料負けをしやすくなり、利益が出にくくなります。
ただし、経済指標発表時の為替レート変動をあえて狙うトレード手法もあります。
難易度がやや高いと想定されるので、事前に研究してから取引する必要があるでしょう。
ボラティリティが活発になる時間帯はありますか?
東京市場の米ドル/円の場合、日本時間の平日8時〜10時、特に9時55分前後はボラティリティが高まる傾向が見られます。
外国為替市場が9時55分前後に活発になるのは、仲値(なかね)が決定するためです。
仲値とは、金融機関が外国為替を取引する際の基準となるレートです。
このレートが決まる時間にかけて取引が増加します。
10時を過ぎると取引は一段落し、ボラティリティも次第に落ち着いていきます。
スキャルピングではボラティリティがある方が値幅を稼ぎやすいため、平日8時〜10時の時間帯は、取引に向いている時間帯といえます。
【まとめ】FXのスキャルピング手法とは|利益を出すコツや禁止理由なども紹介
スキャルピングは、数秒~数分の取引を、何度も繰り返す取引スタイルです。
小さな値幅をコツコツと積み上げていくことになりますが、獲得した利益を複利運用することで、資産を指数関数的に増やしていくことも可能です。
スキャルピングで安定的に利益を得るためには、取引スキルや経験が必要であり、継続して取り組む姿勢が大切です。
短期間で大きな利益を得ようとするのではなく、経験を積み重ねながら利益を増やしていくのが良いでしょう。
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