用語解説

押し目(おしめ)とは|FXにおける意味や押し目買いのタイミングなどを詳しく解説


押し目とは、上昇トレンドの相場で価格が一時的に下押しすることです。

押し目は一般的に買いの好機とみなされており、多くの市場参加者から注目されています。

本記事では、押し目の意味や、押し目買い・戻り売り、売買方法、よくある質問について解説します。

押し目とは

押し目とは、為替市場や株式市場、商品先物市場などにおいて、上昇基調にある中で一時的に価格が下押しする(反落する)ことです。

調整、または調整局面と呼ばれることもあります。

上昇基調(上昇トレンド)の中で「一時的に反落する局面」である押し目は、買い注文の好機とされています。

押し目まで引きつけてより安い価格でエントリーすれば、上昇トレンドに回帰した際に、より大きな値幅を獲得できます。

押し目とは
出典:TradingView

押し目買い・戻り売り

上昇トレンドにおいて、一時的に下押しした押し目のタイミングで買うことを、「押し目買い」と呼びます。

一方、FXでは売りから入る取引も可能で、下降基調にある中で一時的に価格が上昇した戻りのタイミングで売ることを「戻り売り」と呼びます。

  • ・押し目買いとは
  • ・戻り売りとは

押し目買いとは

上昇トレンドを形成している状況で、下図のように一時的に価格が下押ししているポイント(赤丸の地点)が押し目買いの場面です。

サポートラインや移動平均線、ボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を参考に、上昇への回帰を期待してエントリーするのが一般的です。

押し目買い

ただし、押し目に見えても、下落トレンド(点線)の初期段階の場合があるので注意が必要です。

戻り売りとは

下落トレンドを形成している状況で、下図のように一時的に価格が上昇しているポイント(青丸の地点)が戻り売りの場面です。

押し目買いと同様に、テクニカル指標を参考に下落への回帰を期待してエントリーするのが一般的です。

戻り売り

ただし、戻り売りのポイントに見えても、上昇トレンド(点線)の初期段階の場合があるので注意が必要です。

押し目買い・戻り売りの例

ここでは、押し目買い・戻り売りの例を以下の内容に分けて解説します。

  • ・トレンドライン
  • ・移動平均線
  • ・ラインブレイクチャート(新値足)

トレンドライン

トレンドラインとは、トレンドの傾向(方向性)を表す補助線のことで、サポートライン(下値支持線)レジスタンスライン(上値抵抗線)の2種類があります。

価格は安値高値)同士を結んだ上昇(下落)トレンドライン付近で跳ね返る傾向があり、この性質を利用します。

具体的には、価格が一時的に下がり(上がり)、上昇(下落)トレンドライン付近で反転したところが押し目買い(戻り売り)のポイントです。

以下のチャートは、米ドル/円の長期チャートでトレンドラインを活用した、押し目買いの例です。

押し目買いポイント
出典:TradingView

「トレンドライン」については、以下の記事で詳しく解説しています。

トレンドラインとは|引き方・活用方法・注意点などを詳しく解説

移動平均線

上昇トレンド(下落トレンド)では、一時的に下落(上昇)しても、移動平均線付近で反発してトレンドへ回帰していく傾向があります。

押し目買いや戻り売りは、この特徴を活用して移動平均線付近から反発するタイミングを狙います。

売買手法としては、トレンドラインからの反発を狙う戦略と同じ考え方です。

以下は、ユーロ/円の1時間足チャートに移動平均線を表示した、戻り売りの例です。

75日移動平均線(青色)からの反発局面が、戻り売りのタイミングになります。

戻り売りポイント
出典:TradingView

「移動平均線」については、以下の記事で詳しく解説しています。

移動平均線とは|基本的な見方や活用方法・期間設定の目安などを解説

ラインブレイクチャート(新値足)

ラインブレイクチャート(新値足)とは、高値安値を更新する「新値」がつく度に更新されるチャートです。

ローソク足とは異なり、時間を考慮せず価格変動のみに着目していることが特徴です。

通常の新値足では新値がつく度に足が追加されますが、「新値三本足」では直前の高値・安値のいずれかが3本更新された時点で足が追加されます。

取引ツールによっては、この新値の本数の条件も変更できます。

新値足は大きなトレンドを掴むのに適したチャートですが、短期的な押し目買い・戻り売りにも活用できます。

単純な活用方法としては「陽線陰線が切り替わるタイミングでの売買」という戦略が考えられます。

以下は米ドル/円の新値三本足のチャートで、トレンドが転換した際の継続期間を示したものです。

ラインブレイクチャート(新値足)

上の通り、トレンドが反転した後は次のトレンドが継続しやすい傾向があります。

fxTrade」はOANDA証券が独自に開発した取引ツールで、ラインブレイクチャート(新値足)の表示も含めて、多彩な機能を直感的な操作で利用できます。

「fxTradeでのラインブレイクチャートの設定方法・トレードへの応用方法」については、以下の記事で詳しく解説しています。

ラインブレイクチャート(新値足)でトレンドを把握する

押し目買いのタイミング・ポイント

押し目買いのタイミング・ポイントは、以下の通りです。

  • ・高値掴みの含み損に注意する
  • ・基本は順張りでエントリーする
  • ・ダマシに注意する
  • ・タイミングを見極める

高値掴みの含み損に注意する

押し目買いの注意点として、トレンドライン移動平均線サポートラインとして機能せず、為替レートが下抜けて高値掴みとなり、含み損を抱えてしまうことが挙げられます。

例えば以下のチャートの青丸部分では、トレンドラインでサポートされず、下抜けています。

トレンドラインでサポートされず下抜けたチャート
出典:TradingView

期待通りの値動きにならない場合は、損切りして次の機会を待つことも重要です。

基本は順張りでエントリーする

FXの基本戦略として順張りと逆張りがある中で、押し目買いはトレンドの一時的な下落局面で順張りのエントリーをする方法です。

順張りと逆張りの違い

トレンドライン移動平均線でサポートされ反発する場合はトレンドが継続すると考え、逆に下抜くようであればトレンドの終了と考えます。

「順張り」については、以下の記事で詳しく解説しています。

順張り(じゅんばり)とは|FXでの意味やポイントをわかりやすく解説

ダマシに注意する

テクニカル指標を活用しても、予測とは反対方向に価格が動く「ダマシ」が発生することがあるため注意が必要です。

例えば、上昇トレンド中に押し目を作っている際に、RSI(相対力指数)が売られすぎの水準に達し、反発を期待して押し目買いしたものの、価格がさらに下落し続けてしまうなどが該当します。

「ダマシ」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ダマシとは|発生しやすいタイミングや回避する方法などを詳しく解説

タイミングを見極める

押し目買いをする場合、価格は必ずしもサポートラインとなるトレンドライン移動平均線まで下押しするわけではなく、サポートラインの手前で反発することもあります。

押し目買いの際にはエントリータイミングを見極める必要があります。

タイミングが早すぎると含み損を抱える可能性もあり、逆に遅すぎると利益額が少なくなります。

トレンドを見極める方法として、ダウ理論があります。

ダウ理論とテクニカル分析を組み合わせることで、押し目買いのタイミングを見極めるのに役立ちます。

「ダウ理論」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ダウ理論とは|6つの法則や相場分析に使えるインジケーターなどを分かりやすく解説

また、ダウ理論とテクニカル指標を組み合わせることで、押し目買いのタイミングを見極めるのに役立ちます。

押し目に関するQ&A

押し目に関する以下の質問について解説します。

  • ・「押し目待ちに押し目なし」とは何ですか?
  • ・押し目買いとナンピンの違いは何ですか?
  • ・押し目買いは初心者におすすめですか?
  • ・押し目買いの反対は何ですか?

「押し目待ちに押し目なし」とは何ですか?

押し目を狙う戦略はトレンドフォローの王道とされますが、価格の上昇圧力が強い場合には押し目が作られないこともあります。

このように、押し目を待っても押し目が来ずに、買いの機会を逃してしまうことを「押し目待ちに押し目なし」と言います。

押し目買いとナンピンの違いは何ですか?

ナンピンとは、保有ポジションに対して相場が逆の方向に進んだ際に、さらにポジションを追加して平均取得単価(平均コスト)を下げる取引手法です。

それに対して、押し目買いは上昇基調(上昇トレンド)の中で、一時的に下降したポイントで、価格の再上昇を期待し、買いポジションを取る取引手法です。

ナンピン買い・ナンピン売り

押し目買いとナンピンは、取引時の目的に違いがあります。

「ナンピン」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ナンピン(難平)とは|ナンピン買い・ナンピン売りの意味や注意点を解説

押し目買いは初心者におすすめですか?

押し目買いのポイントは、トレンドライン移動平均線などを活用して見つけられるので、初心者でも狙いやすいと考えられます。

FXでは買いだけではなく売りからもエントリーできるので、上昇トレンドの際には押し目買い、下落トレンドの際には戻り売りで利益を狙えます。

押し目買いの反対は何ですか?

押し目買いの反対は戻り売り(もどりうり)です。

戻り売りとは、相場が下落トレンドにある状態で、一時的に価格が上がった際に売ることを指します。

戻り売りを実際の米ドル/円1時間足チャートで見ると、以下の通りです。

戻り売りポイント
出典:TradingView

チャートにレジスタンスライン(上値抵抗線)を引き、オレンジの丸の部分まで一時的に上昇したタイミングが、売りのエントリーポイントとなります。

【まとめ】押し目(おしめ)とは|FXにおける意味や押し目買いのタイミングなどを詳しく解説

押し目とは、相場が上昇トレンドにある中で、一時的に価格が下押しする(反落する)ことです。

トレンド発生時には押し目がしばしばみられます。

トレンドが継続する限り、押し目買い・戻り売りすることは有効な売買手法となります。

また、押し目のタイミングを見つけるには、トレンドライン移動平均線など、他のテクニカル指標を使う方法もあります。

複数のテクニカル指標やチャートパターンを組み合わせることで、より精度の高い分析を行いやすくなります。

押し目を含めたFX取引の基礎的な用語や、FX初心者の方が取引を行う上で役立つポイントは、以下のコンテンツでわかりやすく解説しています。

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