用語解説

FXの証拠金維持率とは|計算方法・ロスカットとの関係性について解説


FXの証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金に対する純資産の割合を指します。

証拠金維持率を確認することで、ロスカットなどのリスク状況を把握できます。

本記事では、証拠金維持率の計算式や、ロスカットとの関係性などについて詳しく解説していきます。

証拠金維持率とは

証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金(必要証拠金)に対する、純資産(有効証拠金)の割合を指します。

証拠金維持率を確認することにより、ロスカットのリスク状況を把握できます。

証拠金維持率が高いほど口座に余力があることを表し、低いほどロスカットのリスクが高まっていることを表します。

証拠金維持率の計算式

ここでは証拠金維持率の計算式と、有効証拠金や必要証拠金の意味について解説します。

  • ・計算式
  • ・有効証拠金とは
  • ・必要証拠金とは

計算式

証拠金維持率は、以下の計算式で表されます。

  • 証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100

例えば、有効証拠金(純資産)が10万円、1ドル150円で1万通貨保有(必要証拠金:150円×1万通貨×4%=6万円)した場合、

10万円÷6万円×100=166.6%

証拠金維持率は約167%となります。

有効証拠金とは

有効証拠金とは、FXの口座残高にポジションの評価損益(含み益、含み損)を加えた金額(純資産)です。

含み益が増えると有効証拠金が増え、含み損が増えると有効証拠金は減少します。

なお、含み損が増えると余剰証拠金(有効証拠金から必要証拠金を引いた金額)の割合が減り、証拠金維持率の低下につながり、ロスカットのリスクが高まります。

有効証拠金とは

必要証拠金とは

必要証拠金とは、取引に必要(建玉の保有に必要)となる金額です。

必要証拠金の計算式は、以下の通りです。

  • 【必要証拠金の計算式】

    必要証拠金=現在の為替レート×取引数量×証拠金率(レバレッジ)

FXの必要証拠金は、為替レートや取引数量、証拠金率(レバレッジ)などによって変わります。

例として、米ドル/円で必要証拠金を計算してみます。

OANDA証券では米ドル/円の証拠金率が4%(レバレッジが25倍)であるため、1ドル150円の時に1,000通貨(15万円分)の取引を行う場合の計算式は、以下の通りです。

  • 150円×1,000通貨×4%=6,000円

必要証拠金は6,000円となり、この金額が1,000通貨(15万円分)の建玉保有に必要であるということです。

証拠金維持率とロスカットの関係性

ロスカットは、含み損によって有効証拠金が減少し、証拠金維持率が低下した場合に、自動的にポジションを清算する仕組みです。

証拠金維持率が、FX会社の定めた水準になると、ロスカットが執行されます。

そのため、トレードの際には証拠金維持率の変化を把握し、ロスカットの可能性が高まらないように注意することが重要です。

証拠金維持率が低い場合は、口座に資金を追加することで(有効証拠金を増やすことで)、維持率を高めることができます。

また、ポジションを保有する際には、証拠金維持率が低くならないように、取引数量を調整することが重要です。

以下では、OANDA証券のロスカットルールについて解説します。

  • ・OANDA証券のロスカットルール
  • ・OANDA証券のロスカットシミュレーション

OANDA証券のロスカットルール

OANDA証券のロスカットルールはサーバーによって異なり、以下のように設定されています。

  • FX 東京サーバー:証拠金維持率が100%以下となった場合に発動(個人・法人)
  • ニューヨーク(NY)サーバー:証拠金清算割合(%)が100%以上となった場合に発動(個人・法人)
  • ※証拠金清算割合(%)=必要証拠金÷有効証拠金

OANDA証券のロスカットシミュレーション

OANDA証券が提供する「証拠金・損益シミュレーション」では、ロスカット水準(レート)を自動で算出できます。

口座資産や通貨ペア、取引数量など必要事項を入力するだけで簡単に利用可能です。

例えば、口座資産が10万円で米ドル/円を1,000通貨取引した場合では、下記のような結果となります(1ドル150円の時)。

OANDA証券のロスカットシミュレーション①

OANDA証券のロスカットシミュレーション②

【まとめ】FXの証拠金維持率とは|計算方法・ロスカットとの関係性について解説

FXの証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金(必要証拠金)に対する、純資産(有効証拠金)の割合を指し、以下の計算式で求めることが可能です。

  • 証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100

有効証拠金は、FXの口座残高に未実現の損益を加えた金額、必要証拠金は取引に必要(建玉の保有に必要)となる金額を意味します。

含み損の拡大によって証拠金維持率が一定の水準以下になると、ロスカットが執行されます。

ロスカットの基準となる証拠金維持率の値はFX会社によって異なります。

トレードの際には証拠金維持率の変化をチェックしておくことが、資産を守る意味でも大切です。


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