安値とは|意味や確認方法・活用方法・よくある質問を解説
安値とは、ある一定期間の中でついた最も安い価格のことです。
昨日の安値、年初来安値、コロナショック以降の最安値などという使われ方をすることもあります。
多くの市場参加者が安値を意識して見ているので、安値を確認・活用することは相場の方向性を知るのに役立ちます。
本記事では、安値の意味・確認方法・活用方法について解説していきます。
安値とは
安値とは、一定期間内における最も安い価格のことで、ローソク足で言うと一番下の価格(下ヒゲの先端)のことです。
安値は、その期間内において「売りたい」という投資家よりも「買いたい」という市場参加者が多くなった転換点であり、その期間の重要なサポート(下支え)地点の目安となることがあります。
したがって、その後の展開で安値を切り下げるのか、サポートされて反発するのかがポイントとなります。
安値を切り下げた場合は、下落相場の可能性が高まる傾向にあります。
安値の確認方法
ローソク足とインジケーターによる安値の確認方法を解説します。
- ・ローソク足での確認方法
- ・インジケーターでの確認方法
ローソク足での確認方法
ローソク足で安値を確認する方法について解説します。
ローソク足とは、一定期間の「始値・終値・高値・安値」の4つの価格を、実体とヒゲで表したものであり、始値よりも終値が高いもの(下図左)が陽線、始値よりも終値が安いもの(下図右)が陰線です。
実体(四角の部分)から上下に伸びている細い線を一般的にヒゲと呼び、下図のように安値は下ヒゲの先で確認することができます。
インジケーターでの確認方法
まずは、短期トレードで活用できるインジケーター「OANDA-High-Low」で、安値を確認する方法を紹介します。
出典:MT4
OANDA-High-Lowは「MT4」「MT5」で利用可能で、「期間」や「ローソク足の本数」を設定することにより、チャート上に高値と安値のラインを引くことができます。
短期トレードにおいては、前日の高値・安値などは多くの市場参加者が注目する価格水準で、高値はレジスタンスラインに、安値はサポートラインになりやすいです。
レジスタンスとして機能している高値、もしくはサポートとして機能している安値を抜けていく動きになると、短期的にその方向へのトレンドが強まる傾向にあります。そのため、高値・安値は短期トレードにおいて絶好のエントリーポイントになる場合があります。
また、トレーダーによっては前日の高値・安値だけではなく、各マーケットごとの高値・安値を知りたいという人も多いでしょう。
「MT5」専用ですが、MT5用各マーケットHigh-Low表示インジケーターを活用することで、為替相場の中心となる東京市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場ごとの高値・安値を確認することが可能です。
出典:MT4
前日の高値・安値同様に、多くの市場参加者が各マーケットの高値・安値に注目しており、それらの水準を抜けた方向にトレンドが形成される場合もあります。
安値の活用方法
安値の活用方法について解説します。
- ・サポートライン
- ・チャートパターン
サポートライン
安値を利用して、サポートラインを引く方法を紹介します。
サポートライン(下値支持線)とは、下値を支えるラインのことです。一般的にサポートライン付近に価格が迫る場合は、下落基調が和らぐ傾向がありますが、反発せずにラインを割り込むと下降基調が強まり、トレンド転換する可能性があります。
上昇トレンドにおいて、一定期間の安値はサポートラインを引く際の目安の1つとして活用できます。何度も反発している安値水準は特に重要で、そのような水準を下に抜けた場合、下落の勢いが加速する可能性があるため、注意が必要です。
チャートパターン
チャートパターンとは、相場のトレンド転換または継続する際に出現する特徴的なチャートの形のことです。 大きく、反転型(リバーサルパターン)・継続型(コンティニュエイションパターン)の2つに分かれます。
ここでは、反転型で安値が意識された代表的なチャートパターンの1つであるダブルボトム(2番底)について解説します。
ダブルボトムは、上図のように同じ水準の安値を2回つけた後(2つの谷を形成した後)上昇に転換するチャートパターンのことです。
一般的には、同じ水準の安値を2回つけた後に、ネックネックラインを上抜けるタイミングは、買いシグナルの1つとなります。
その他のチャートパターンについては、こちらで詳しく解説しています。
安値に関するQ&A
安値について、多く見られる疑問点は以下の通りです。
- ・安値と最安値の違いは何ですか?
- ・安値の基準とは何ですか?
安値と最安値の違いは何ですか?
安値とは一定期間内の最も安い価格のことで、「昨日の安値」「先週の安値」という使い方をします。
下落相場の場合には、安値が更新されると、いくつもの安値が存在することになりますが、その中でも大底についた安値を最安値と呼びます。
また、それまでの最安値が更新(切り下がる)された場合、新たな安値を新安値と呼ぶのが一般的です。
安値の基準とは何ですか?
一定期間を基準とし、その中で形成される谷の底の価格が安値です。
相場にはレンジ相場とトレンド相場の2種類があり、レンジ相場での安値がサポートラインになることが多く、安値が切り下がることで下落トレンドが形成されます。
レンジ相場においてもトレンド相場においても、安値は取引する際の1つの目安となるでしょう。
【まとめ】安値とは|意味や確認方法・取引時間・よくある質問を解説
安値とは、一定期間内における最も安い価格のことで、それまでの最安値を下回った場合の価格を新安値と呼ぶのが一般的です。
安値は、チャートのローソク足やインジケーターなどを使って簡単に確認することができます。
また、安値を意識したチャートパターンも複数あり、エントリーポイントの目安として活用することも可能です。
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