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IFD(イフダン)注文とは|FX取引での活用方法やメリット・デメリットを解説


IFD(イフダン)注文とは、新規注文と、1つの決済注文(指値もしくは逆指値)をワンセットにして同時に出すという方法です。

「If done」を略してIFDと呼ばれます。決済注文を指値にする場合、逆指値にする場合で、それぞれメリット・デメリットがあります。

本記事ではIFD(イフダン)注文の活用方法や、メリット・デメリット、よくある質問について詳しく解説していきます。

IFD(イフダン)注文とは

FX取引におけるIFD(イフダン)注文とは「If done」の略で、新規注文と1つの決済注文(指値もしくは逆指値)を同時に発注するという方法です。

新規注文が成立してはじめて決済注文が有効になります。

決済注文は、指値逆指値の双方で出すことが可能です。

決済注文を指値で発注すれば利益確定、逆指値で発注すれば損切りを自動で行えます。

IFD(イフダン)注文の活用方法

IFD注文は、以下のトレードをする際に活用できます。

  • ・指値を使ったIFD(イフダン)注文
  • ・逆指値を使ったIFD(イフダン)注文

指値を使ったIFD(イフダン)注文

指値を用いたIFD注文は「○○円になったら新規で買い、その後に○○円になったら利益確定の売り決済をする」という注文です(ロングの場合)。

指値を使ったIFD(イフダン)注文

例えば、現在の価格が150円のときに「①149円になったら買い、②151円まで上がったら売る」という注文を出します。

この発注の後、実際に①まで下落すれば自動的に買い注文が、②まで上昇すれば自動的に売り注文が執行されます。

結果、③のように2円の利益幅を得られます。

逆指値を使ったIFD(イフダン)注文

逆指値を用いたIFD注文は「○○円になったら新規で買い、その後に○○円になったら損切りの売り決済をする」という注文です(ロングの場合)。

逆指値を使ったIFD(イフダン)注文

例えば、現在の価格が151円のときに「①150円になったら買い、②148円まで下がったら売る」という注文を出します。

②で損切りを行うことにより、その後の下落で発生する可能性があった③の損失を回避できます。

FX取引でのIFD(イフダン)注文の設定方法

ここでは、FX取引でのIFD注文の設定方法を、以下の2つの内容に分けて解説します。

  • ・指値の利益確定の設定方法
  • ・逆指値の損切りの設定方法

指値の利益確定の設定方法

ここでは新規指値注文(売り)と、決済指値注文(買い)をセットで発注する方法を紹介します。

150円になったら新規で売り、その後142円まで下がったら決済買いで利益確定する注文方法です。

指値の利益確定の設定方法
出典:MT4

  • ①注文種別:成行注文→指値注文
  • ②注文種別:Buy Limit→Sell Limit(売り指値)
  • ③価格:0.000→150.000
  • ④決済指値(T/P):0.000→142.000
  • ⑤決済逆指値(S/L):0.000

MT4では、上記画像のように設定します。最後に「発注」をクリックすると、指値の利益確定IFD注文が発注されます。

逆指値の損切りの設定方法

ここでは新規指値注文(売り)と、決済逆指値注文(買い)をセットで発注する方法を紹介します。

150円になったら新規で売り、その後153円まで上がったら決済買いで損切りする注文方法です。

逆指値の損切りの設定方法
出典:MT4

  • ①注文種別:成行注文→指値注文
  • ②注文種別:Buy Limit→Sell Limit(売り指値)
  • ③価格:0.000→150.000
  • ④決済指値(T/P):0.000
  • ⑤決済逆指値(S/L):0.000→153.000

最後に「発注」をクリックすると、逆指値の損切りIFD注文が発注されます。

指値を使ったIFD(イフダン)注文のメリット・デメリット

ここでは、指値(利益確定)を使ったIFD注文の、メリット・デメリットについて解説します。

  • ・指値を使ったIFD(イフダン)注文のメリット
  • ・指値を使ったIFD(イフダン)注文のデメリット

メリット

指値を使ったIFD注文は、新規注文が約定すると同時に、利益確定の決済指値注文が発注されます。

エントリーから利益確定まで自動で行ってくれることから、忙しくてチャートが見れない場合でも効率よく取引をすることが可能です。

デメリット

利益確定を予約する一方で、逆指値注文(損切り)は設定しません。

仮にエントリーした後に相場が逆行すると、損切りがないためリスク管理ができず、損失が拡大する可能性があります。

逆指値を使ったIFD(イフダン)注文のメリット・デメリット

続いて、逆指値(損切り)を使ったIFD注文の、メリット・デメリットについて解説します。

  • ・逆指値を使ったIFD(イフダン)注文のメリット
  • ・逆指値を使ったIFD(イフダン)注文のデメリット

メリット

逆指値を使ったIFD注文は、新規注文が約定すると同時に、損切りの決済逆指値注文が発注されます。

ポジションを持つと同時に損切りが発注されるため、エントリーと同時にリスク管理ができることを意味します。

デメリット

新規注文が約定してポジションを持っても、指値注文(利益確定)がありません。

チャートが見られない間に利益確定のチャンスを逃すなど、機会損失が起きる可能性があります。

FX取引のIFD(イフダン)注文に関するQ&A

IFD注文に関して、よく見られる疑問点は以下のようなものです。

  • ・IFD(イフダン)注文で取引中に決済はできますか?
  • ・IFO注文との違いは何ですか?

IFD(イフダン)注文で取引中に決済はできますか?

IFD注文の取引中という場合「①新規注文が約定している」「②新規注文が約定していない」という2つのパターンがあります。

①の場合は「待機中の決済注文をキャンセル→その後に成行注文で決済」という流れによって、決済できます。

②の場合は、決済するポジション自体がまだない状態です(IFD注文自体の取り消しは可能です)。

①の場合において、IFD注文の取引中に決済したい場合は、待機中の決済注文をキャンセルし、その後に成行注文で決済します。

IFD注文の発注状態からダイレクトに決済できるわけではありませんが、このような流れでの決済は可能です。

IFO注文との違いは何ですか?

IFD注文とIFO注文の違いは「OCO注文を掛け合わせているか、いないか」です。

IFO注文とは、IFD注文にOCO注文を掛け合わせた注文方法です。

IFO注文の仕組み

上図の通り「新規と決済の注文を同時にする」という仕組みはIFD注文で、「利益確定と損切りを同時に設定する」という仕組みはOCO注文です。

IFO注文は、このようにIFD注文にOCO注文を掛け合わせています。

IFO注文については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【まとめ】IFD(イフダン)注文とは|FX取引での活用方法やメリット・デメリットを解説

FX取引におけるIFD(イフダン)注文とは「If done」の略で、新規注文と、1つの決済注文(指値もしくは逆指値)を出すという方法です。

これにより「新規注文と利益確定」または「新規注文と損切り」といった、エントリーと決済の組み合わせを発注できます。

決済には利益確定、または損切りのどちらかを選ぶため、それぞれメリット・デメリットがあります。

発注方法はもちろんのこと、メリット・デメリットを加味した上で、IFD注文を使うようにしましょう。


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