逆張り(ぎゃくばり)とは|FXでの意味や注意点などを詳しく紹介
FXで利益を狙う手法の1つに「逆張り」があります。
相場の流れに沿ったトレードをする「順張り」とは反対で、相場の流れに逆らうトレードを意味します。
トレンドの転換のタイミングをうまく掴むことができれば、優位性の高い取引ができる手法です。
本記事では、逆張りの取引手法や注意点について詳しく解説します。
目次
- 1.逆張りとは
- 2.逆張りと順張りの違い
- 3.逆張りの活用方法
- 4.インジケーターを使った逆張りの取引手法
- 5.逆張りでエントリーする際の注意点
- 6.逆張りに関するQ&A
- 7.【まとめ】逆張り(ぎゃくばり)とは|FXでの意味や注意点などを詳しく紹介
逆張りとは
まず、逆張りについて読み方や意味を詳しく解説します。
- ・意味
- ・読み方
意味
FX取引における逆張りとは、相場のトレンド(流れ)と逆の方向のポジションを持つ取引方法を意味します。
つまり、価格が上昇トレンドのときに「売り」、下落トレンドのときに「買い」を行う手法です。
例えば、米ドル/円相場で上昇トレンドの際に、相場が反転することを期待して売りのポジションを持つのが逆張りです。
読み方
逆張りの読み方は「ぎゃくばり」です。
対義語は順張りで、「じゅんばり」と読みます。
逆張りと順張りの違い
順張りは、逆張りとは反対に相場のトレンド(流れ)と同じ方向のポジションを持つ取引方法のことをいいます。相場が上昇トレンドの場合は「買い」、下落トレンドの場合は「売り」のトレードを行う手法です。
例えば、米ドル/円相場で「上昇が続くだろう」という予測の元に買いポジションを持つのが順張りです。
順張り手法は、長期トレンドで特に有効です。
一般的に、FX市場ではトレンドが発生するとしばらく続く傾向があるため、順張りは王道的な手法といわれています。
一方で、逆張り手法は、トレンド転換時やレンジ相場で有効な手法です。
相場の状況に応じて、順張りと逆張りを柔軟に使い分けることが、利益を上げるために大切です。
逆張りを自動的に行える注文方法としては「指値注文」が挙げられます。
逆張りの活用方法
FXで逆張りのエントリーが可能な場面はいくつか考えられます。
- ・要人発言を狙う
- ・レンジ相場を狙う
- ・反発を狙う
要人発言を狙う
FXの要人発言とは「一国の金融政策や経済などに対して、大きな影響をもたらす人々による発言」のことです。
具体的には、中央銀行総裁、財務大臣、政府高官などが、要人に該当します。
日本・米国・欧州だと、以下のような人々が要人に該当します。
- ・日本銀行総裁・副総裁
- ・FRB(米連邦準備制度理事会)議長・理事
- ・ECB(欧州中央銀行)総裁・理事
- ・財務大臣・財務長官・財務官
これらの要人の発言内容と影響の例を挙げると、以下の通りです。
発言内容 | 政策金利 | 通貨価値 |
---|---|---|
経済に「強気」な見方 | 上がる | 上がる |
経済に「弱気」な見方 | 下がる | 下がる |
物価が「適正水準より高い」という見方 | 上がる | 上がる |
物価が「適正水準より安い」という見方 | 下がる | 下がる |
要人発言が現在のトレンドを転換させる内容だと事前に予測したら、逆張りを仕掛けます。
予想通りになれば、逆張りが成功することに期待ができます。
なお、OANDA証券では、最新の要人発言などの予定を「経済指標予測カレンダー」で配信しています。
レンジ相場を狙う
レンジ相場とは、一定の値幅(レンジ)で価格が推移している相場のことです。下図のように、一定の範囲内で価格が上下を繰り返すのが特徴です。
価格が上がっても下がっても「このラインを超えない」という水準が分かるため、そのラインに近づいた局面で逆張りを仕掛けることができます。
反発を狙う
反発とは、相場が下落から上昇(もしくは上昇から下落)に転換することを指します。
順張りの押し目買いや戻り売りは、引いた目線で見るとトレンドをフォローしていますが、その局面だけを見ると逆張りになります。
インジケーターを使った逆張りの取引手法
逆張りを狙う場合には、トレンドの転換を予測するためにインジケーターを使用するのが一般的です。
ここでは、代表的なインジケーターであるRSI、ストキャスティクス、ボリンジャーバンド、MACDを使った逆張りの取引手法を紹介します。
- ・RSIを使った逆張りの取引手法
- ・ストキャスティクスを使った逆張りの取引手法
- ・ボリンジャーバンドを使った逆張りの取引手法
- ・MACDを使った逆張りの取引手法
RSIを使った逆張りの取引手法
RSI(相対力指数)は、相場の過熱感(買われすぎ、売られすぎ)を分析するのに役立ちます。RSIの数値は0~100%で表され、30%を下回ると売られすぎ、70%を超えると買われすぎと判断するのが一般的です。
出典:TradingView
上画像では、RSIで買われすぎのサインが出たところから、価格が下落しています。
逆に、売られすぎのサインが出たところから反発上昇していることが分かります。
このようにRSIを使うことで、トレンドの反転を予測でき、逆張りで利益を狙うことが可能です。
ストキャスティクスを使った逆張りの取引手法
ストキャスティクスは、%Kと%Dの2本のラインが表示されるテクニカル指標で、こちらも相場の過熱感を分析することを得意としています。
ストキャスティクスは0~100%で表され、20%を下回ると売られすぎ、80%を上回ると買われすぎと判断するのが一般的です。
また、2本のラインが80%よりも上にあり%Kが%Dを下抜けたら売り、2本のラインが20%よりも下にあり%Kが%Dを上抜けたら買い、という売買シグナルも読み取ることができます。
出典:TradingView
上画像では、2本のラインが80%よりも上にあり%Kが%Dを下抜けたら価格も下落に転じ、2本のラインが20%よりも下にあり%Kが%Dを上抜けたら価格も上昇に転じていることが分かります。
ただし、ストキャスティクスはサインが頻繁に出現する傾向があるため、その分ダマシが発生しやすいという側面もあります。
ボリンジャーバンドを使った逆張りの取引手法
ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心として、その上下に統計学を用いて計算された標準偏差(σ:シグマ)を表示します。
正規分布の場合、以下の確率で、価格がバンド内に収まるという性質があり、逆張りに使われることもあります。
- 【ボリンジャーバンドのバンド内に収まる確率】
- ・±1σ:約68.3%
- ・±2σ:約95.4%
逆張りではローソク足がバンドに到達したとき(または行きすぎたとき)に、相場が反転すると予測してエントリーします。
ただし、ローソク足がバンドを抜け出したままトレンドが継続する可能性もあるため注意が必要です。
トレードの質を上げるためには、ボリンジャーバンドがエクスパンション(拡散)とスクイーズ(収束)を繰り返す性質を利用すると良い可能性があります。
- ・エクスパンション(拡散):バンドの幅が拡大している状態
- ・スクイーズ(収束):バンドの幅が縮小している状態
エクスパンションからスクイーズに移行するタイミングでは、トレンドが変わることがあるため、逆張りが考えられます。
見極め方としては、ローソク足の推移とは反対側のバンド(下記画像のAの箇所)の向きが逆に変わるときを、エントリーポイントと考える方法があります。
出典:MT4
MACDを使った逆張りの取引手法
MACD(マックディ)は主にトレンドの転換点を予測し、売買のタイミングを判断するために使われるテクニカル指標です。基本的にMACDは、MACDとシグナルで構成され、それぞれ以下の計算式で求められます。
- ・MACD=短期の指数平滑移動平均線-長期の指数平滑移動平均線
- ・シグナル=MACDの移動平均線
その2つが交差するタイミングがトレンド転換を意味するため、エントリーに有効と考えられます。
出典:TradingView
また、MACDとシグナルの差を表す「ヒストグラム」は、MACDとシグナルが交差したときに0になるため、これをエントリーの判断基準とすることも可能です。
- ・マイナス→0→プラスのとき:ゴールデンクロス=買いのサイン
- ・プラス→0→マイナスのとき:デッドクロス=売りのサイン
出典:TradingView
「MACD」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
逆張りでエントリーする際の注意点
FXで逆張りのエントリーをする際には、以下の点に注意する必要があります。
- ・無計画なナンピン(難平)を行わない
- ・損切りラインを決めておく
- ・根拠を持ったトレードをする
無計画なナンピン(難平)を行わない
逆張りを使う際は、無計画なナンピン(難平)の取引を行わないようにすることが大切です。
ナンピンとは、相場が思惑とは逆行した際に、ポジションを追加して平均単価を下げる(上げる)ことです。
逆張りではトレンドと反対方向にポジションを保有するため、予測が外れた場合には大きな損失につながるリスクが高くなります。
損切りラインを決めておく
逆張りは、トレンドに逆行した取引をするため、トレンドが順行した場合には損失の拡大リスクも大きくなります。
そのため、順張りのトレード以上に損切りを徹底する必要があります。
ポジションを持つ前に、「これ以上の損失が出たら諦める」という価格水準を明確にしておくことが大切です。
根拠を持ったトレードをする
ただ闇雲に逆張りをするのではなく、テクニカル指標やファンダメンタルズを十分に分析した上で、根拠を持ってトレードする必要があります。
根拠を持って行ったトレードであれば、万が一読みが外れた場合でも、予想通りに相場が動かなかった原因を探ることで、次回の予測精度を上げることができます。
逆張りに関するQ&A
FXの逆張りに関して、よく見られる疑問点は以下のようなものです。
- ・逆張りで勝つポイントはありますか?
- ・順張りと逆張りどちらが損をしにくいですか?
- ・逆張りは初心者でもできますか?
逆張りで勝つポイントはありますか?
逆張りで勝つポイントの1つは、レンジ相場が発生しやすい、市場の落ち着いた時間帯を狙うことです。
FXの市場は、ロンドン市場やニューヨーク市場が開いている時間に、活発化しやすい(トレンドが出やすい)傾向があります。
そのため、この2つの市場が開いていない時間帯を狙うことが、レンジ相場を狙うということになります。
具体的には、東京市場が開いている時間のうち、9時台〜15時台はこの条件を満たしていると考えられます。
この時間帯の中でも、9時台は市場が活性化する傾向があるため、その流れが落ち着いた後の時間が狙い目になります。
おおよその時間でいうと、10時台〜15時台がレンジ相場になりやすい傾向があります。
こうした取引の時間帯については「FXの取引時間」の記事で詳しく解説しています。
順張りと逆張りどちらが損をしにくいですか?
初心者のうちは「順張りの方が損をしにくい」と考えられます。
理由は、すでに現れているトレンドを追いかけるため、損をする展開になりにくいからです。
一方の逆張りでは「期待していた反転が起きない」ことがしばしばあり、その分損をしやすい傾向があります。
初心者のうちは逆張りより順張りの方が、損をしにくいといえるでしょう。
逆張りは初心者でもできますか?
逆張りは初心者でも可能ですが、トレンドに逆らう取引方法のため、順張りに比べると難易度が高いといえます。
一方、順張り(トレンドフォロー)は相場の流れに乗る取引方法なので、逆張りに比べて分かりやすく、初心者にも推奨されます。
【まとめ】逆張り(ぎゃくばり)とは|FXでの意味や注意点などを詳しく紹介
逆張りは、相場のトレンドと逆の方向のポジションを持つ取引方法です。
これに対して、相場の流れに沿ったトレードをする方法を順張りといい、一般的に順張りが王道とされます。
王道の順張りだけではなく、逆張りのトレードを選択肢に入れることで、利益を得るチャンスが増えます。
しっかりと根拠を持った取引を心がけ、狙いに反してトレンドが続いた際には損切りを行うことが大切です。
FX初心者の方向けの知識は、以下のコンテンツでわかりやすく解説しています。
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