CMEグループとは|取引所の仕組みや特徴を詳しく解説
CMEグループとは、米国のシカゴを拠点とする、世界有数のデリバティブ取引所運営会社です。
本記事では、CMEグループの概要と取引所の仕組み、特徴などを詳しく解説します。
目次
- 1.CMEグループとは
- 2.CMEグループの特徴
- 3.CMEグループの主な取引プラットフォーム
- 4.CMEグループが提供するFedWatch
- 5.【まとめ】CMEグループとは|取引所の仕組みや特徴を詳しく解説
CMEグループとは
CMEグループ(Chicago Mercantile Exchange Holdings Inc.)は、米国シカゴを拠点とする世界有数のデリバティブ取引所運営会社です。
下記4つの取引所を中核とし、金利・株価指数・外国為替・エネルギー・農産物・金属など、幅広い商品のデリバティブ取引を扱っています。
- ・CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)
- ・CBOT(シカゴ商品取引所)
- ・NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)
- ・COMEX(ニューヨーク商品取引所)
CMEとは
CMEとは「Chicago Mercantile Exchange」の略称で、シカゴ・マーカンタイル取引所のことです。
世界最大の先物取引所として知られており、農産物・通貨・金利・株価指数などの幅広い商品が取引されています。
国際的な市場としてほぼ24時間稼働しており、電子取引システム「CM Globex(グローベックス)」などを提供しています。
日経平均株価や円の先物・オプションなども上場しているなど、日本の市場にも影響を与える取引所です。CBOTとは
CBOTとは「Chicago Board of Trade」の略称で、シカゴ商品取引所のことです。
1848年に設立された現存する米国最古の取引所であり、先物取引の契約の概念を生み出した取引所としても知られています。
元々はシカゴ地域の穀物商が、安定的な穀物取引を目的として設立した取引所で、現在も大豆やトウモロコシなど穀物の先物取引で影響力を与えています。
また、穀物や農産物に限らず、株価指数先物・債券先物・金利先物などの金融デリバティブ商品も活発に取引されています。
NYMEXとは
NYMEX(ナイメックス)とは「New York Mercantile Exchange」の略称で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所のことです。
世界最大の商品・エネルギー先物の取引所であり、エネルギーでは主に石炭・原油・電力など、貴金属ではプラチナ・パラジウムなどが取引されています。
元々は商品、先物の取引ではなく商品自体の売買を行う市場として発展したとされています。
2008年からCMEグループの傘下に入ったことで、従来よりさらに取引量が増加傾向にあります。
世界の原油価格の代表的な指標として知られる「WTI原油先物」は、NYMEXが取り扱う主要な商品の1つです。
COMEXとは
COMEX(コメックス)とは「Commodity Exchange」の略称で、旧ニューヨーク商品取引所のことです。
主に金・銀・銅等の金属類の先物取引を行っており、特に金(ゴールド)の先物が代表的な商品として知られています。
1994年にNYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)と合併し、現在は「COMEX division」の名称で、NYMEXの一部門となっています。
CMEグループの特徴
CMEグループの特徴は、以下の通りです。
- ・世界最大級のデリバティブ取引所
- ・高度なテクノロジーによる取引プラットフォーム
世界最大級のデリバティブ取引所
CMEグループは世界最大級のデリバティブ取引所として知られ、公式サイトによれば年間取引額は約1,000兆ドルに達します。
グループの取引所は、金利・株価指数・外国為替・エネルギー ・農産物 ・金属などのあらゆる主要資産における、世界的な指標となる商品を提供しています。
世界で最も多彩なデリバティブ取引商品を取り扱っていることから、各国の投資家がリスク管理に利用しています。
高度なテクノロジーによる取引プラットフォーム
CMEグループでは、高度なテクノロジーによって開発された取引プラットフォームを提供しています。
以下は、主な取引プラットフォームとその概要です。
取引プラットフォーム | 概要 |
---|---|
CME Globex | 世界の取引所とほぼ24時間接続できる電子取引システム |
CME Direct | 先物・オプション・ブロック取引などの一元管理ツール |
CME ClearPort | 異なる資産間の取引の清算受託サービス |
EBS | FX取引の電子仲介システム |
BrokerTec | 債券取引のプラットフォーム |
CMEグループの主な取引プラットフォーム
CMEグループの主な取引プラットフォームは、以下の通りです。
- ・CME Globex
- ・CME Direct
- ・CME ClearPort
CME Globex
CME Globex(グローベックス)とは、先物・オプション取引の電子取引プラットフォームのことです。
ロイターとCMEの共同で開発され、世界150カ国以上で利用されています。
世界中のあらゆる取引所と提携しており、利用者はほぼ24時間グローバル市場へアクセスすることができます。
CME Direct
CME Direct(CMEダイレクト)とは、1つの画面でCMEグループの先物・オプション市場・ブロック取引をまとめて管理できる取引ツールです。
迅速な動作と堅固なセキュリティ、高度なカスタマイズを行えることが特徴です。
CME Directは、iPhone用とAndroid用のアプリも提供されています。
CME ClearPort
CME ClearPort(CMEクリアポート)とは、グローバルOTC市場向けに提供されている、異なる資産間の取引の清算受託サービスです。
取引所を介さない直接的な取引であるOTC(店頭取引)で、1,800以上の上場商品の決済に対応しています。
2002年にサービスを開始し、現在では1日におよそ45万枚の決済を行っています。
金融機関からブローカーまで、世界中で17,000を超える利用者を抱えています。
CMEグループが提供するFedWatch
CMEグループはFedWatch(フェドウォッチ)というツールも提供しています。
FedWatchとは、金利先物市場のデータを基に、米国の政策金利変更に関する市場の織り込み度を算出・公表するツールです。
簡単に言えば、次回以降のFOMCで政策金利が変更される可能性を確認できます。
以下のような画面で、過去データの比較や実現確率の予想などを見られます。
出典:CME
「FedWatch Tool(フェドウォッチ ツール)」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【まとめ】CMEグループとは|取引所の仕組みや特徴を詳しく解説
CMEグループは、世界有数のデリバティブ取引所運営会社です。
CME・CBOT・NYMEX・COMEXという4つの主要取引所を運営しており、グループ全体で世界最大のデリバティブ取引所を構成しています。
また、CME GlobexやCME Directなど、高度な取引プラットフォームを提供しています。
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