アノマリーとは|意味やFX・株での具体例についてわかりやすく解説
アノマリーとは、金融市場において合理的な説明が難しいものの、よく観測される事象(規則性)のことを指します。
本記事では、アノマリーの意味や具体例、注意点などについて詳しく解説します。
目次
- 1.アノマリーとは
- 2.アノマリーの具体例
- 3.アノマリーを利用したトレードアイデア
- 4.アノマリーに関する注意点
- 5.アノマリーに関するQ&A
- 6.【まとめ】アノマリーとは|意味やFX・株での具体例についてわかりやすく解説
アノマリーとは
アノマリーの意味と注目されている理由について、詳しく解説します。
- ・意味
- ・注目されている理由
意味
アノマリー(Anomaly)とは、日本語で「例外」「矛盾」「異例」などと訳されます。
一般的に、投資用語では「説明することができない価格の規則性(論理的には説明できないが、よく起こる現象)」のことを指します。
相場のアノマリーは、経験則、規則性、変則性、変異性など、いくつかの言葉で説明され、相場格言や季節性(シーズナリティ)と呼ばれるものも含まれます。
注目されている理由
アノマリーは論理的には説明できませんが、偶然ではなく長期間において観測される現象のことです。
観測の軸となるのは、月や曜日、1日の時間帯などの時間によるもの、大統領選挙やスポーツといったイベントによるものなど、種類はさまざまです。
アノマリーを取引に用いることで市場平均よりも高い期待収益率が見込めるのではないかと、一部のマーケット参加者はアノマリーに注目しています。
アノマリーの具体例
FXや株におけるアノマリーの具体例を紹介します。
- ・FX取引におけるアノマリー
- ・株取引におけるアノマリー
FX取引におけるアノマリー
FX取引におけるアノマリーの代表的な具体例の効果・内容は、以下の通りです。アノマリー | 効果・内容 |
---|---|
月末のロンフィク (ロンドンフィックス) |
ロンドンフィックス(日本時間25時。夏時間では24時)に向けてポンドが買われやす |
五十日(ごとうび) | 5・0がつく日は仲値にかけて円安が進みやすい |
水星の逆行 | 金融占星術における水星の逆行時は相場が荒れやすい |
米国大統領選挙のドル高 | 米国の大統領選挙がある年はドル高に進みやすい |
ジブリの法則 | 金曜ロードショーでジブリ映画がテレビ放映される日は相場が荒れやすい |
株取引におけるアノマリー
株取引におけるアノマリーはFXよりも多くあり、相場格言や財務指標などのパターンが増えます。代表的な具体例の効果・内容は、以下の通りです。
アノマリー | 効果・内容 |
---|---|
1月効果 | 米国株は1月に上昇しやすい |
4月効果(こいのぼり天井) | 日本株は4月に上昇しやすい |
5月に売り逃げろ(Sell in May) | 5月初旬まで上昇しやすいが天井となりやすい |
10月効果 | 米国株は10月に下落しやすい |
ウィンターラリー | 米国では冬に株価が上昇しやすい |
掉尾の一振(とうびのいっしん) | 日本では年末にかけて株価が上昇しやすい |
二日新甫(ふつかしんぽ)は荒れる | 1日が休日で2日から取引が始まる月は相場が荒れやすい |
曜日効果 | 月曜日の収益率は低く、週末は収益率が高くなりやすい |
リターン・リバーサル | 直近のリターンが高い企業は、長期では低いリターンになりやすい |
バリュー効果(低PER効果) | PERの低い株式は高いリターンになりやすい |
小型株効果 | 企業規模(時価総額)の小さな株式ほど高いリターンになりやすい |
モメンタム効果 | 相場は一方向に進みやすい |
低ボラティリティ・アノマリー | 株価の変動幅(ボラティリティ)が小さい株式ほど株価収益率が高くなりやすい |
アノマリーを利用したトレードアイデア
ここでは、五十日(ごとうび)のアノマリーを利用したトレードアイデアを紹介します。
米ドル(USD)/日本円(JPY)の場合、仲値が決まる時間(9時55分)に向けて価格が上昇する(ドル買い円売りとなる)傾向があります。特に、五十日(5日、10日、15日、20日、25日、30日)は輸入企業による資金決済が多く、実需のドル買いが集中して価格が変動しやすいとされ、この日付を狙ってエントリーします。
インジケーターは、MT4のチャート上に日本時間を表示することができる、OANDA証券のオリジナルインジケーター「OANDA_Local_Time」を使用します。
MT4の初期状態では表示時間に日本と時差があり、日本時間を把握しづらいですが、同インジケーターを利用することでわかりやすくなります。
具体的な手順は、以下の通りです。
- 【手順①】チャートにOANDA_Local_Timeをセットし、五十日の9時にエントリー
- 【手順②】9時55分になったら決済
五十日(ごとうび)の仲値に向けて、9時にエントリーを狙うシンプルなトレードアイデアです。
詳しくは、以下の記事を参照してください。
「OANDA_Local_Time」でアノマリーを利用するトレード手法アノマリーに関する注意点
アノマリーを取引に活用する際には、継続性(注目度)が重要です。
アノマリーは、いくつかの事象に対してマーケット参加者が過剰に行動してしまうことによって発生するという説があります。
市場参加者が注目しなくなるとアノマリーが発生しなくなる可能性があるため、アノマリー投資が通用しなくなるリスクには注意しておく必要があります。
アノマリーに関するQ&A
アノマリーに関するよくある質問に回答します。
- ・アノマリーは常に有効ですか?
- ・アノマリーの検証方法は?
アノマリーは常に有効ですか?
アノマリーは特定の市場環境や期間において有効であることが多い傾向にありますが、常に有効とは限りません。
市場の動向を注視し、他の分析手法などと併用することで有効性を確認することが重要です。
アノマリーの検証方法は?
アノマリーの検証は、過去の市場データを用いてそのパターンが、どの程度再現されるかを分析することが重要です。
以下の記事では、「月末のロンフィク(ロンドンフィックス)」を実際に検証しています。
FXのアノマリーとは?具体例を用いて実際の検証方法を徹底解説【まとめ】アノマリーとは|意味やFX・株での具体例についてわかりやすく解説
アノマリー(Anomaly)とは、投資用語で「論理的には説明できないが、よく起こる現象」のことです。
偶然ではなく長期間において観測されるパターンであることから、投資の根拠として用いられることがあります。
アノマリーはマーケット参加者が過剰に行動することによって発生するという説があります。
マーケット参加者が注目しなくなるとアノマリーが発生しなくなる可能性があるので、このようなリスクには注意しておく必要があります。
アノマリーを含めたFX取引の基礎的な用語や、FX初心者の方が取引を行う上で役立つポイントは、以下のコンテンツでわかりやすく解説しています。
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