公開市場操作とは｜仕組みや種類などをわかりやすく解説
公開市場操作とは、中央銀行が国債の売買や資金の貸付などを行い、資金の流れを調整する取引のことです。
本記事では、公開市場操作の仕組みや種類、よくある質問などをわかりやすく解説します。
公開市場操作とは
ここでは、公開市場操作の目的と役割について解説します。
- ・目的
- ・役割
目的
公開市場操作とは、中央銀行が国債の売買や資金の貸付などを行い、資金の流れを調整する取引のことです。
中央銀行は物価の安定などを目的に金融政策を行います。その中心手段が公開市場操作です。
日銀の金融政策には、公開市場操作の他に「預金準備率操作」や「公定歩合操作」があります。
公開市場操作は、「オペレーション」や「オペ」とも呼ばれます。
役割
公開市場操作の主な役割は、資金の供給や吸収を行い、金融調節を行うことです。
日銀の場合は、金融政策決定会合で金融政策の内容や方針を決定します。
日銀の金融政策決定会合は、基本的に年8回行われます。
2025年は1・3・4・6・7・9・10・12月に行われる予定です。
公開市場操作の種類
公開市場操作は、主に以下のように大別されます。
- ・買いオペ・売りオペ
- ・長期オペ・短期オペ
買いオペ・売りオペ
買いオペ（資金供給オペレーション）は、中央銀行が金融市場から国債などを買い入れることです。
これにより金融市場に資金を増やす（供給する）ことで、消費や投資などの経済活動を促し、物価の下落を抑制します。
デフレーションの際に実施される金融政策手段です。売りオペ（資金吸収オペレーション）は、中央銀行が保有している国債などを金融市場へ売却することです。
金融市場の資金を減らす（吸収する）ことで、消費や投資などの経済活動を抑制し、物価の下落を促します。
インフレーションの際に実施される金融政策手段です。長期オペ・短期オペ
長期オペは主に銀行券など、中央銀行の安定的な負債に対応するものとして、長期的に資金を供給するための手段です。
代表的な例として、国債の買い入れが挙げられます。
短期オペは、主に一時的な資金過不足に対応するための手段です。
例としては、国庫短期証券買入オペなどが挙げられます。
日銀の主な公開市場操作
資金供給オペレーションの主な種類は、以下の通りです。
- ・国債買入
- ・国庫短期証券買入オペ
- ・国債買現先（かいげんさき）オペ
- ・CP等買現先オペ
資金吸収オペレーションの主な種類は、以下の通りです。
- ・手形売出オペ
- ・国債売現先（うりげんさき）オペ
- ・国庫短期証券売却オペ
公開市場操作に関するQ&A
公開市場操作に関する、よくある質問に回答します。
- ・公開市場操作とオペレーションの違いは何ですか？
- ・公開市場操作と金融政策の違いは何ですか？
- ・公開市場操作と公定歩合操作の違いは何ですか？
公開市場操作とオペレーションの違いは何ですか？
公開市場操作とオペレーションは、一般的に同義で使用されます。
オープンマーケットオペレーション（open market operation）と呼ぶことや、省略して
オペと呼ぶこともあります。
公開市場操作と金融政策の違いは何ですか？
金融政策は、中央銀行が金利の誘導や通貨の調整（金融調節）をすることを指します。公開市場操作はその中の具体的な実行手段の1つであり、日銀の主な金融政策の手段です。
公開市場操作と公定歩合操作の違いは何ですか？
公定歩合操作とは、主に無担保コールレート（O/N物）の上限を決める役割を担っています。
現在はオペレーションが中核的な政策手段ですが、1994年に金利自由化が完了するまでは、公定歩合操作が金融政策の中心手段でした。
【まとめ】公開市場操作とは｜仕組みや種類などをわかりやすく解説
公開市場操作とは、中央銀行が国債の売買や資金の貸付などを行い、資金の流れを調整する取引のことです。
日銀の主な金融政策の手段であり、「オペレーション」や「オペ」とも呼ばれます。
公開市場操作は、市場へ資金を供給する買いオペ（資金供給オペレーション）と市場の資金を吸収する売りオペ（資金吸収オペレーション）に大別されます。
また、長期的と短期的のオペがあり、それぞれ目的が異なります。
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