債券の基礎

国債とは?債券とは?仕組みや利回りなどについて詳しく解説

国債は債券と呼ばれる金融商品のなかで中核を占めるものであり、ベンチマークとなっています。国債のことを知るためには、債券に関することを知る必要があります。

債券とは国や企業などが不特定多数の人から巨額の資金を借りるための借用証書です。債券を購入する投資家にとって債券は金融商品であり、資金の運用手段のひとつとして債券を見ています。


債券とは借用証書


債券とは国や企業などが、不特定多数の人から巨額の資金を借りるときに出す借用証書です。債券はもともと紙で印刷された証券でした。証券一枚毎に額面金額が印刷され、事前に決められた償還時にはその金額が返済されることを意味しています。またクーポンと呼ばれた利子が書かれた札も付いていました。債券の紙自体に財産価値があることとなり、このような紙は有価証券と呼ばれています。このような借用証書を出す行為は、債券を発行するといいます。

ただし最近発行されている債券には証書がなく、電子上で管理されたペーパーレスが主流です。債券のなかでも国が発行するものを国債、地方公共団体が発行するものを地方債、一般企業が発行するものを社債と呼んで区別しています。債券のなかでも発行量が多く、活発に市場で売買されているのが国債です。債券は小口の額面金額に分けられて複数枚発行されています。小口に分けることで、不特定多数の人から巨額の借入れを行えます。


債券の役割


借用証書といってもピンとこない方も多いかと思います。そこで債券とは何かと言えば「お札」の延長にあるもので、そこに時間的な価値が組み込まれたものといった見方もあります。お札はそのままだと額面以上の価値は生みません。そのため、価値を生み出すものに変える必要があります。その価値を生み出すもののひとつが債券なのです。しかも、債券の中でも国債は国の信用の元に発行されていることで、お札と同様の信用価値があります。

ただし、債券はお札と異なり、償還まで持つことで額面金額が保障されるという時間的な制約があります。その制約の見返りとして受け取るものが、時間的な価値ともなる利息、利子なのです。債券とはお札に時間的な価値が組み入れられた金融商品といった見方もできます。

債券は国、地方公共団体、企業、または外国の政府や企業などが、広く一般の投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行されるものです。債券は発行する側、資金を調達する側からすれば債務、つまりは借金となります。反対に債券を購入する側は、融資のようにお金を貸してあげるといった感覚で債券を購入しているわけではありません。あくまで金融商品として、資金の運用手段のひとつとして債券を見ています。


債券の利回り


投資家が債券を購入する際に目安としているものがあります。それが利回りです。投資家が債券投資を行うのは、一定の金利つまり利子収入を得るためです。債券の利子は債券の期間により異なるとともに、信用力によっても異なってきます。また債券の利回りは経済や物価動向により大きく動くといえるでしょう。日米欧などの10年国債の利回りは長期金利とも呼ばれ、金利のひとつの目安になっています。


運用先としての債券


債券は一部の専門家が売買しているものであり、多くの人にとって直接関係ないものと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし実際に私たちは間接的ながらも国債を中心とした大量の債券を購入しています。国債などの債券を保有しているのは、日本国債で言えば、日銀をはじめ都市銀行や地方銀行、生命保険会社や年金運用者などです。

つまり私たちの預貯金や生命保険料などのお金の運用対象に国債などが使われているといえます。いわば私たちが債券の保有者とも言えます。これは欧米でも同様です。現在では中央銀行が大量に国債を保有していますが、銀行などの金融機関も国債で資金を運用しているのです。


債券の種類


債券の中でも中心的な役割を担っているのが、国の発行している債券である国債です。国債は国が収入より支出が多い際にために発行して借金をするための手段です。特に新規国債と呼ばれる国債は将来の税収を担保に発行されます。債券には国債のほかに地方債や社債などもあります。地方債や社債についてもそのほとんどが国内の金融機関によって保有されるのです。


中央銀行が国債を大量に保有


日銀をはじめ日米欧の中央銀行は金融緩和策の一環として国債などを大量に市場から買い入れています。これは量的緩和策とも呼ばれているものです。日銀は紙幣を発行していますが、それは日銀にとっては負債となります。民間銀行が日銀の当座預金に預けている資金も日銀にとっては負債となります。その負債の反対側にある日銀の資産は何かといえば、主に日銀の保有する国債などになっているのです。

国債の価格が暴落すれば、それは国の信用が失墜することにもなりますが、日銀が国債という資産をバックに発行している紙幣の信用も失墜します。国債を大量に保有している銀行や郵貯、保険会社の経営にも影響を与え、それが私たちの保有資産の劣化に繋がる恐れもあるのです。


どうして金融機関は国債を購入するのか


なぜ金融機関は国債を主体とした債券を購入しているのでしょうか。国債は危ないという人もいます。国債など買わずに現金のまま保有していた方が安全という方もいるかもしれません。しかし何兆円という現金を保有するには巨大な金庫も必要となり盗難の危険もあります。

そのために国内の金融資産にあって、国が発行している安全性の高い傾向にある国債などで資金を運用しているのです。国債以外に兆円単位で購入できる金融資産がないということもありますが、金融商品の中にあってその中核となっているものが国債を主体とする債券といえるのです。


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本記事の監修者・久保田博幸(くぼた・ひろゆき)


慶応義塾大学法学部卒業後、国内の証券会社に入社。1986年から14年間以上にわたり、債券現物・先物のディーリングを担当する。債券市場のホームページの草分け

「債券ディーリングルーム」を開設。また、幸田真音著『日本国債』(講談社)の登場人物のモデルとなる。専門は日本の債券市場の分析。特に日本国債の動向や日銀の金融政策に詳しい。現在、金融アナリストとしてヤフーニュース(個人)に記事を配信している。また「牛さん熊さんの本日の債券」というメルマガを配信中。日本アナリスト協会検定会員。主な著書に『日本国債先物入門』(パンローリング)、『債券の基本とカラクリがよーくわかる本』(秀和システム)、『中央銀行と金融政策がよくわかる本』(秀和システム) など多数。

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