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【2024年】トルコリラ円の見通し|推移やポイントを詳しく解説


トルコリラはトルコ共和国の通貨で、高金利通貨として人気を集めています。

本記事では、トルコリラの基本情報やこれまでの推移、今後の見通しのポイントについて詳しく解説します。

トルコリラとは

トルコリラとは、トルコ共和国の通貨です。

トルコ共和国(リラ)に関する基本情報を以下にまとめます。

国名 トルコ共和国
大統領 レジェップ・タイップ・エルドアン大統領
(2023年6月3日再任:任期5年)
政府 議院内閣制から実権型大統領制に移行(2018年6月)
内閣は大統領の任命による
(行政権の全てが大統領に属す)
通貨 トルコリラ
表記 TRY
トルコ共和国中央銀行 TCMB
(TURKIYE CUMHURİYET MERKEZ BANKASI)
中央銀行総裁 ファティ・カラハン総裁

参照:外務省など

トルコの金融政策

トルコの現在の金利と、これまでの金利の推移を以下にまとめます。

  • ・現在
  • ・金利推移

現在

トルコの現在の主な金利の種類と利率は、以下の通りです。

金利種類 金利
1週間レポ(政策金利) 貸出:50.00%
翌日物(O/N) 借入:47.00% 貸出:53.00%
後期流動性貸出金利 貸出:56.00%

金利推移

以下は、2010年5月20日〜2024年3月22日(現在)までの政策金利推移の表とグラフです。

(ボタンをタップすると表が開閉します)

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日付 金利
2010年5月20日 7.00
2010年12月17日 6.50
2011年1月21日 6.25
2011年5月8日 5.75
2012年12月19日 5.50
2013年4月17日 5.00
2013年5月17日 4.50
2014年1月29日 10.00
2014年5月23日 9.50
2014年6月25日 8.75
2014年7月18日 8.25
2015年1月21日 7.75
2015年2月25日 7.50
2016年11月25日 8.00
2018年6月1日 16.50
2018年6月8日 17.75
2018年9月14日 24.00
2019年7月26日 19.75
2019年9月13日 16.50
2019年10月25日 14.00
2019年12月13日 12.00
2020年1月17日 11.25
2020年2月20日 10.75
2020年3月18日 9.75
2020年4月23日 8.75
2020年5月22日 8.25
2020年9月25日 10.25
2020年11月20日 15.00
2020年12月25日 17.00
2021年3月19日 19.00
2021年9月24日 18.00
2021年10月22日 16.00
2021年11月19日 15.00
2021年12月17日 14.00
2022年8月19日 13.00
2022年9月23日 12.00
2022年10月21日 10.50
2022年11月25日 9.00
2023年2月24日 8.50
2023年6月23日 15.00
2023年7月21日 17.50
2023年8月25日 25.00
2023年9月22日 30.00
2023年10月27日 35.00
2023年11月24日 40.00
2023年12月22日 42.50
2024年1月26日 45.00
2024年3月22日 50.00

トルコリラ 金利推移202409

2023年2月24日の8.50%以降、右肩上がりに利上げしていることが分かります。

トルコリラ/円の推移

トルコリラ/円は約10年前に1リラ=55円でしたが、現在(2024年9月時点)は1リラ=4円台まで下落しています。

この10年間、トルコ中銀は利上げ・利下げを繰り返し、金融政策の変更を実施してきましたがトルコリラ安が続いています。

直近の1年間は下げ止まっているようにも見えますが、少しづつ安値更新を続けています。

以下、約10年分のトルコリラ/円の週足チャートと、金融政策の転換点をまとめます。

トルコリラ/円(TRY/JPY)週足チャート 2013年7月22日~2024年9月10日

トルコリラ/円の推移202409

出典:TradingView

垂直線の色 日付 内容
2016年11月25日 チェティンカヤ総裁のもと
利上げを開始
オレンジ 2018年6月8日 政策金利を1週間レポから
後期流動性貸出金利に変更
2018年9月14日 利下げ支持のエルドアン大統領により中銀総裁解任
2019年7月26日 ウイサル総裁のもと
利下げを開始
2020年9月25日 再度利上げを開始すると
11月にウイサル総裁は解任
2021年9月24日 カブジュオール総裁のもと
利下げを開始
水色 2023年6月23日 エルカン総裁のもと
利上げを開始

トルコリラ/円の今後の見通しとポイント

トルコリラ/円の今後の見通しで重要なポイントは、主に以下の3点です。

  • ・エルドアン大統領
  • ・インフレの鈍化
  • ・円安要因

エルドアン大統領

トルコは2018年6月に議院内閣制から実権型大統領制に移行したことで、実質的にエルドアン大統領の独裁政権になっています。

エルドアン大統領は、「利上げをすればインフレは鈍化する」という一般的な経済学の常識とは逆の独自理論を展開しています。

中央銀行へ利下げをするように圧力をかけ、利下げをせずに利上げを実施した総裁は解任する傾向があります。

現在は、中央銀行の利上げに一定の理解を示し、政策金利50%を維持していますが、いつエルドアン大統領の利下げ圧力が再開するか予想できません。

利下げ圧力が再開した時にトルコリラ売りが進む可能性があることから、エルドアン大統領の動向には注目です。

インフレの鈍化

トルコ中央銀行は、インフレに悩まされてきました。

現在は政策金利を2024年3月に50%まで引き上げたことで、5月のCPI(消費者物価指数)前年同月比75.45%をピークにインフレは鈍化し始めています。

このままインフレが鈍化していくようであれば、通貨の信用も回復し、トルコリラも底堅く推移する可能性があります。

円安要因

トルコリラ/円は、円相場の影響も受けます。

以下はトルコリラ/円のチャートで、米ドル/円(折れ線グラフ)を重ねて表示させています。

トルコリラ/円(TRY/JPY)週足チャート 2019年7月22日~2024年9月10日

トルコリラ/円 今後のポイント(円安要因)

出典:TradingView

青いゾーンでは少しづつ円安が進んでいますが、円安の要因よりもトルコリラ安が強く進んだことでトルコリラ/円は下落しています。

紫ゾーンでは円安が大幅に進んだことでトルコリラ安が相殺され、トルコリラ/円の下落は鈍化しました。

黄色ゾーン(現在)は円高(大幅円安の戻り)の影響から、対トルコリラでも円高が進み、トルコリラ/円は安値を更新しています。

日銀はこれから金融正常化を進め、追加利上げの可能性を示唆していることから円高が進む可能性が高く、対トルコリラでも円高が進みトルコリラ/円の上値を押さえる可能性があります。

以上のことから、「エルドアン大統領」「インフレの鈍化」「円安要因」の3点に大きな変更がない場合、2024年のトルコリラ/円は少しづつ安値を更新するリスクを抱えながら、現在の水準を維持する可能性があります。

トルコリラ/円に関するメリット・デメリット

トルコリラ/円を取引するメリット・デメリットをまとめます。

  • ・メリット
  • ・デメリット

メリット

トルコリラを取引する最大のメリットは「スワップポイントです。

トルコリラ/円は2024年9月2日時点で1万通貨あたり約42円/日のスワップポイントが付与される(OANDA証券の場合)ことから、スワップポイントを目的とする長期取引で人気の通貨です。

なお、スワップポイントは、FX会社によって異なります。

デメリット

トルコリラは高金利通貨として人気を集めていますが、金利が高いということはそれだけリスクの高い通貨であるということです。

流動性が低く急落のリスクがあること、マイナーな国であることから情報が取りにくいことがデメリットとして挙げられます。

【まとめ】トルコリラ円の見通し|推移やポイントを詳しく解説

トルコリラ(TRY)はトルコ共和国の通貨です。

トルコ共和国の中央銀行はTCMB(TURKIYE CUMHURİYET MERKEZ BANKASI)で、現中央銀行総裁はファティ・カラハン氏が務めます。

エルドアン大統領の「利下げをすればインフレは鈍化する」という経済学の常識とは逆の独自理論からインフレが進み、2024年5月にはCPI(消費者物価指数)前年同月比75.45%を記録しています。

トルコリラ/円は右肩下がりで推移しており、少しづつ安値を更新している状況です。

トルコリラ/円の下落要因である「エルドアン大統領」「インフレの鈍化」「円安要因」の3点に変更がない場合は、2024年のトルコリラ/円は少しづつ安値を更新するリスクを抱えながら、現在の水準を維持する可能性があります。

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