FX取引で勝率が高い人|勝っている人のデータやポイントを解説
FX投資で勝率が高い人のデータを見れば、「実際に勝っている投資家」の特徴をつかむことができます。
本記事では、OANDA証券ユーザーの1ヶ月間の取引データ(2020年7月)を分析しました。
口座資産の増減率で上位100、下位100のアカウントを抽出し、勝っているトレーダーと負けているトレーダーは何が違うのかを、さまざまな数値から解説しています。
目次
- 1.FX取引で勝っている人はいるの?
- 2.FX取引のトレードデータを比較
- 3.集計データについて
- 4.FX取引で勝率を上げるためのポイント
- 5.【まとめ】FX取引で勝率が高い人|勝っている人のデータやポイントを解説
FX取引で勝っている人はいるの?
調査によると、口座資産評価額が前月比で増加となったアカウントは約36%でした。
このデータを参考にすると、「FXで先月より資産を増やせるトレーダーは、全体の約3分の1」ということになります。
下図は、今回の調査で「資産が何%増減したか」の分布です。
資産が増えたトレーダーのうち、最も多いのは「0〜20%増えた」、逆に資産が減ったトレーダーで最も多いのは「0〜20%減った」でした。
FX取引のトレードデータを比較
次に、口座資産評価額の増減率について、上位100、下位100のアカウントのデータを比較します。
比較するデータは以下の通りです。
- ・ロスカット数
- ・勝率
- ・リスクリワード比率
- ・勝率×リスクリワード比率
これらの比較により、勝っているトレーダーと負けているトレーダーのトレード内容を把握できます。
ロスカット数
ロスカットの発生件数では、約10倍の差がつきました。上位100アカウントの平均回数が「5.7回」なのに対し、下位100アカウントの平均回数は「52.8回」となっています。
また、下位100アカウントでは、高いレバレッジで取引するケースも多く見られました。
この結果を見ると、レバレッジを最大限に活用し「ハイリスク・ハイリターン」のトレードを行う人は、資産を大きく減らす傾向にあると考えられます。
ただし、上位100アカウントの中にも、このようなトレードを行う人々が、少数ながら存在しました。
ハイリスク・ハイリターンの手法は「ハイリターン」の方を手にできれば、資産を大きく増やせます。
短期間で大きな利益を狙いたい場合は、許容できるリスクの範囲内で、レバレッジを高めることも1つの戦略といえます。
しかし、下位100アカウントがそうであったように、大きく口座資産を減らすリスクがあることも、十分に理解しておく必要があります。
勝率
勝率を比較すると、上位100アカウントが「66%」、下位100アカウントが「41%」と、約1.5倍の差がついています。
前者は「3回に2回」、後者は「5回に2回」の割合が、勝ちトレードだった計算です。
ただし、勝率が高ければ良い、低ければ悪いというわけではありません。
上位100アカウントの中には、「勝率50%以下」のケースが17件ありました。
また、下位100アカウントの中には、「勝率60%以上」のケースが15件ありました。
つまり、6〜7人に1人程度の割合で「勝率が低いのに資産が増えている」「勝率が高いのに資産が減っている」というトレーダーが存在すると考えられます。
FXの成績は「勝率だけで決まるわけではない」ことがわかります。
リスクリワード比率
リスクリワード比率とは、「1回の取引における利益と損失の比率」を表します。リスクリワード比率の計算式は、以下の通りです。
- リスクリワード比率=勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失
この数値が1を上回れば「勝つときの金額が、負けるときの金額より大きい」、1を下回れば「勝つときの金額が、負けるときの金額より小さい」ことを意味します。
調査では、上位100アカウントの平均は「1.92」、下位100アカウントの平均は「0.64」でした。
両者を比較すると、3倍の差があります。
上位100アカウントの数値は、「勝つときの金額が、負けるときの金額の約2倍」であることを意味します。
このリスクリワード比率は、「利益確定・損切り」の水準を調整することで、コントロールできます。
そのため、リスクリワード比率が低いのであれば、この部分を改善することが1つの打開策となる可能性があるでしょう。
勝率×リスクリワード比率
勝率とリスクリワード比率は、下表の通り片方だけの数値が良くても、好成績は残せません。
勝率だけが良い | 勝つことが多いが、毎回の利益が小さい |
リスクリワード比率だけが良い | 勝ったときの利益は大きいが、勝つことが少ない |
勝率とリスクリワード比率は、両立が重要です。
その両立を、各アカウントがどの程度できているかは、以下の散布図でわかります。
見ての通り、上位100アカウント(青のドット)は全体的に勝率もリスクリワード比率も高く、下位100のアカウント(赤のドット)は逆になっています。
とはいえ、いずれも例外的なアカウントが存在します。
上図の①の勝率は37%程度と低いものの、リスクリワード比率は上位100アカウントの中で、おおよそ上位4割以内に入っています。
一方、②の勝率は90%程度と非常に高いものの、リスクリワード比率がほぼゼロと極端に低く、下位100アカウントに入っています。
また、分布図を色分けして、勝率・リスクリワード比率の最低ラインの目安をまとめると、下図のようになります。
最低ラインは、勝率で37%程度、リスクリワード比率で0.3程度です。
また、斜めのオレンジ線の通り、「勝率ごとの最低リスクリワード」は変わります(ピンクのゾーンの中に、例外的に上位100のアカウントが混ざっていますが、これらのケースは除外しています)。
これらの数値は、あくまでも今回の調査における目安ですが、「勝率×リスクリワード比率がどの程度必要か」という目安にできるでしょう。
集計データについて
集計の対象は、OANDA証券の東京サーバ、NYサーバにおけるFXの全アカウントです。
アカウント毎に、月初から月末の口座資産評価額の増減率を基準として集計しました。
この場合のアカウントとは、OANDA証券のPrimaryアカウント、サブアカウントをそれぞれ1つのアカウントとして集計しています。
月初のアカウントの残高に月初時点での未実現の損益、月内の入金額をプラスしたものを「月初の口座資産評価額」とし、月末時点の残高に月末時点の未実現損益、月内の出金額をプラスしたものを「月末の口座資産評価額」として、この2つの数字の増減率で算出しています。
ロスカット発生件数は、ロスカットとなったポジションの数で集計しています。
勝率、リスクリワード比率については、月内に決済が行われたデータを基に計算しています。
このため、未決済のポジションに関するデータは含まれていません。
リスクリワード比率の平均を算出するにあたり、勝率100%、0%のケースを除いて算出しています。
FX取引で勝率を上げるためのポイント
FX取引で勝率を上げるためのポイントは、以下の通りです。
- ・必要以上に取引をしない
- ・損失のリスクを抑える
- ・取引を振り返る
- ・損益比率(リスクリワード)を考慮する
必要以上に取引をしない
FX取引で勝率を上げるためには、必要以上に取引をしないことが重要です。
優位性の高いエントリーポイントのみに絞って取引を行えば、勝率を高めやすくなります。
しかし、そのようなエントリーポイントの出現頻度は多くありません。
こうしたポイントに絞って取引を行う場合、自然に取引の回数は少なくなります。
取引の回数を抑えることは、スプレッドなどの取引コストを抑えることにもつながります。
損失のリスクを抑える
FX取引を行う上で、一定の損失が出ることは避けられません。
しかし、その損失リスクを抑えることはできます。
勝率を上げることの根本的な目的は「利益を出すこと」です。
その利益を出すためには、損失のリスクを一定レベルまでに抑えることも重要です。
損失リスクを抑えるために重要なことは、以下の2点です。
- ①:損切りのルールを決める
- ②:事前に損切り注文を発注しておく
①については「損失額・損失率・損失の値幅・テクニカル指標の動き」などを基準に決めます。
②については、以下のような注文方法を組み合わせることで、相場がどのような方向に動いても、事前に設定した売買を自動で行えます。
それぞれの注文方法の詳細はリンク先で詳しく解説しています。
また、損切りのルールの決め方については「FX取引の損切りとは」の記事をご参照ください。
取引を振り返る
毎日の取引の振り返りは、FX取引の勝率を上げるために重要なことの1つです。
取引を振り返る際は、過去のトレードや勝率の高かったトレードを参考にすることで、改善点を見つけやすくなります。
また、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析の手法も用いることで、過去の成績をより深く分析できます。
こうした分析を行った上で、その時々の相場状況に合わせ、トレードルールを柔軟に見直すことも重要です。
損益比率(リスクリワード)を考慮する
損益比率(リスクリワード)を考慮することも、FX取引の損益をプラスにする上で重要です。
リスクリワードでは、トレード1回あたりの損失に対して、どのくらいの利益が出ているかを比率で表します。
以下の図は、リスクリワードと勝率の関係をグラフにしたものです。
①の通り、勝率が低くてもリスクリワードが高ければ、利益が出ます。
また、②のように勝率が高ければ、リスクリワードが低くても利益が出ます。
勝率を高めることだけを考えるなら、②のようにリスクリワードを下げれば良いことになります。
つまり、1回の勝ちトレードで大きな利益を狙わず、勝ちトレードの回数を増やすことだけ考えれば、勝率を高めやすくなります。
ただ、最終的に重要なのは収支がプラスになることです。
その目的を達成できるのであれば、①のように「勝率は低くても、リスクリワードの高い取引」を行うことも正しいといえます。
どちらのスタンスをとるにしても、勝率とリスクリワードの関係を理解することで、1回の取引でどこまでのリスクを負うべきかを判断しやすくなります。
【まとめ】FX取引で勝率が高い人|勝っている人のデータやポイントを解説
FX投資で資産を増やせるトレーダーの特徴は「ロスカットが少ない、勝率が高い、リスクリワード比率が高い」の3点であることがわかりました。
勝率とリスクリワード比率は、片方が高いだけでは好成績に繋がらないケースもあるため、双方のバランス(勝率×リスクリワード比率)も重要になります。
そして、これらの条件を満たすためには「必要以上に取引をしない、取引を振り返る」などの基本的な心構えや習慣が重要となります。
また、損失リスクを一定レベルに抑えるために、逆指値注文・IFD注文・OCO注文などのあらゆる注文方法を駆使することも必要です。
OANDA証券では独自に開発したトレードプラットフォームである「fxTrade」を提供しています。
fxTradeはあらゆる注文方法を快適に利用でき、オリジナルのインジケーターも豊富に搭載されているため、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析をしやすいことも特徴です。
全てのトレーダーの取引状況が一目でわかる「OANDAオーダーブック」などの、FX取引の勝率を高める上で役立つツールも提供しています。
OANDA証券でのお取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。
Published by
OANDA Lab編集部
OANDA証券株式会社が運営する「OANDAラボ」は、FX/CFDを統計学的側面で科学するメディアです。外国為替(FX)や世界の株価指数、金や原油などの商品市場に関するマーケット情報やデータ、ニュースを提供しています。
会社名:OANDA証券株式会社
所在地:東京都千代田区平河町1-3-13 CIRCLES平河町 10階
加入協会:一般社団法人金融先物取引業協会 / 日本証券業協会 / 日本商品先物取引業協会 / 日本投資者保護基金
登録番号:第一種 金融商品取引業 関東財務局長 (金商) 第2137号
問い合わせ先:お問い合わせフォームから
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。