FXに関するコラム・豆知識

時間と価格の順位の相関性を用いたRCIのご紹介


RCIとは?


RCIは指定した期間のローソク足に時間の順位、価格(終値)の順位を付け、その2つの順位の相関関係を-100から+100までの数値で表示するインジケーターです。

一般的には0より大きな数値の場合は上昇基調、0より少ない数値の場合は下落基調と判断されるほか、80を超えると買いに過熱感あり、-80を下回ると売りに過熱感ありと判断されます。

 

RCIの計算方法

RCIの数値の計算するときは、最初にローソク足に2つの種類の順位を付けます。

一つ目の「時間」の順位は直近の足を1として過去に向かい順位をつけていきます。

もう一つの「価格」の順位は期間の足のうち、終値が高いものから順に順位をつけていきます。

 

【順位付けのイメージ】

この2つの順位の相関性を算出し、-100から100の数値で示したものがRCIです。

上昇トレンドの際は、上の図のように、直近の足が近付くにつれ、終値が高くなっていく傾向があるので、時間の順位と価格の順位の相関関係は高くなる(100に近づく)傾向があるのに対し、下降トレンドの場合は、反対に直近の足に近づくにつれ、終値が低くなる傾向があるため、時間の順位と価格の順位の相関関係は逆相関の関係(マイナス100に近づく)となります。


RCIを使った分析例


RCIの注目点①RCIの水準

最初に注目したいのはRCIの数値の水準です。

RCIの数値は前述の通り、時間の順位と価格の順位の相関を-100から100の間で示すインジケーターで数値が100に近い状態のときは、直近の足に近づくにつれ、価格が上昇する傾向が強く、上昇トレンドと判断でき、一方で価格が-100に近づくと、直近の足に近づくにつれ、価格が下落しており、下降トレンドと判断することができます。

ただし、80~100の場合は期間中の多くの足が陽線で上昇基調が続いたこと、-80~-100の場合は期間中の多くの足が陰線で下落基調が続いたことを示しており、それぞれ、買い、売りに過熱感が出てきていると判断することができ、流れが変わる可能性にも注意が必要と判断することができます。

また、中間地点の0を跨ぐ動きとなると、トレンド転換の可能性に注意が必要な状況と考えられます。ただし、0に近い水準の場合はトレンドが不明確な状況ともいえるため、方向性がもう少し出てくるまで様子を見るという考え方もできそうです。

 

RCIの注目点②RCIの傾き

また、RCIの傾きに注目すると、値動きの方向性を判断しやすくなります。

移動平均線同様、データの性質上、価格の動きに対して、少し遅れての反応とはなりますが、RCIが上向くと上昇基調、下向くと下落基調が強まっている状態を示しており、その後もトレンドが続く可能性を見出すことができます。

短い期間のものはすぐに上下に振れてしまいますが、中長期の足で見ると、値動きの方向感がつかみやすいという特徴があります。

【ユーロドルの5分足チャートに期間26のRCIを表示させた例】

 

期間の異なるRCIを併せて分析することで相場の状況を把握

RCIは一つの期間のものだけで分析するよりも、複数の期間の足を比較しながら分析すると、相場の状況を把握しやすいです。

次のチャートはユーロドルの5分足のチャートに期間9、26、52のRCIを同時に表示させたものです。

黄色のラインが期間9のラインで短期的な価格の勢いを分析するのに適したラインです。売買のタイミングを探る場面等で主に使います。

これに対し、期間26のものでは、短期的なトレンドを、期間52のものでは、中長期のトレンドを分析する際等に主に使われます。

例えば、期間の長いRCIが上向いていいたり、0をしっかりと上抜けるような状態になった場合に上昇基調と判断し、短期のRCIが下落から反発に転じるような状態となったところを狙って買いでエントリーといった戦略を考えることができます。

【ユーロドルの5分足チャートでの分析例】


OANDA RCIのインストール方法


OANDA RCIはこちらからダウンロードすることができます。

MT5またはMT4のメニューの「ファイル」→「データフォルダを開く」をクリックします。

表示されるエクスプローラーの「MQL5」フォルダ(MT4の場合はMQL4)内の「indicators」のフォルダの中にダウンロードしたex5ファイル(MT5の場合)、またはex4ファイル(MT4の場合)をコピーし張り付けます。

エクスプローラーを閉じ、最後にMT5またはMT4を再起動すると、インストールが完了します。


OANDA RCIの設定方法


OANDA RCIを表示するには、チャートを選択した上で、ナビゲーター内のOANDA_RCIをダブルクリック、またはチャート上にドラッグ&ドロップします。

表示される設定画面で設定を行います。

設定項目

最初にMT5の場合は「仕様」タブ、MT4の場合は、「全般」タブの「DLLの使用を許可する」の部分にチェックを入れます。

【MT5の場合】

【MT4の場合】

その他の設定は主に「インプット(MT4の場合はパラメーターの入力)」タブで行います。

主な設定項目は次の通りです。

変数名 内容
期間1~3 RCIを算出するための期間を指定します。3本まで可能で、デフォルトは9、26、52です。

不要のラインはカラーの部分で「None」を選択すると、表示されなくなります。

RCIのチャート上のレベル(水平線)を追加、削除する場合は、「レベル」タブで行います。

追加する場合は「追加」ボタンを押し、追加する水準を入力し、指定します。削除したい場合は削除する水準を選択した状態で「削除」ボタンをクリックし、削除します。

OKを押すと、設定したレベルが反映されます。

 
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