日銀為替介入実施もドル高地合い続く 株式市場は軟調 今週はその後の介入動向や米欧経済指標に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年9月26日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は、米金利上昇を背景に米ドルが強い動きとなったほか、日銀の為替介入の影響もあり、円が強い動きとなりました。これに対し、トラス政権による大規模減税、国債増発による財政悪化懸念が重石となったポンドが全面安となったほか、ユーロ、NZドルや豪ドルが比較的弱い動きとなりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、引き続き米ドルやスイスフランが強いのに対し、ポンド、NZドル、豪ドルが弱い状態が続いています。円は日銀の介入を受けて、少し反発しています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に相関性が高く、対ドルで主要通貨は近い動きになっていたのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性はドル円とクロス円の相関は少し低いものの、クロス円同士は相関性が高い動きとなりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアを見ると、全体的に多少の相関を見出すことはできるものの、EUR/GBPは他の銘柄と異なる動きをしていたようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは前週に続き、軟調な推移が続きました。
欧州市場
欧州の株価指数も全体的に軟調な推移が続きました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数も全体的に軟調な推移が続きました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
先週の米国債利回りは、上昇傾向が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、前週に続き全体的に上昇となりましたが、依然として短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2022年11月開催)のFOMCでは、0.75%利上げし、3.75-4.00%となる確率が72.9%まで上昇しています。
出所:CMEグループ
FedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は底堅く、日銀の黒田総裁の会見後は146円に迫る水準まで上昇したものの、その後、日銀の為替介入が行われたことにより、140円台まで下落後、143円台を回復して週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると売りポジション比率が少し優勢な中、直近の反発により、苦しくなった売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移となる可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、145円付近で伸び悩む動きが続き、その後上抜けるも急落、反発と方向感を見出しにくい動きが続いています。また、日銀の介入による変動後ということもあり、神経質な動きに警戒が必要な状況です。
まずは現在の反発がどの程度続くか、上値を探る場面では、次にどの水準で介入が入るか、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、売買双方のポジションが減少となりましたが、ネットした売買のポジション比率は前週とほとんど同じ水準となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/9/20)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは、前半は横ばい推移が続きましたが、後半は下値を探る動きが続き、0.97を割り込む水準まで下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、安値圏で推移しているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重い状態が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いており、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下値を探る場面では直近の安値を更新できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは売りポジションが大きく減少したことにより、買いポジション比率が優勢な状態に変化しています。ただし、週末のユーロの下落を受けて、現在は売りポジションが再度増えている可能性も考えられそうです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/9/20)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、上値の重い推移が続き、1.08台前半まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに大きく傾く中、安値圏で推移しているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続く中、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下値を探る場面では直近の安値を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売りポジション比率が少し減少となりました。ただし、週末にかけての下押しで再度売りポジションが増えている可能性も考えられそうです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/9/20)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは、上値の重い推移が続き、0.65に迫る水準まで下落しています。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、安値圏で推移しているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、直近では下落基調が再開しています。反発の際は高値を結んだラインや直近の高値を突破できるか、下押しの際は直近の安値を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、買いポジションが増加、売りポジションが減少し、売りポジション比率が減少となりました。ただし、週末にかけての下落で、現在は売りポジションが再度増加している可能性も考えられそうです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/9/20)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は、下落基調が続き、3600台まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、安値圏で推移しているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いています。反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場では、前週に比べ売りポジションが減少しましたが、依然として売りポジションに大きく傾く状況が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/9/20)】
今週の注目材料
今週は米国で耐久財受注、消費者信頼感指数、新築住宅販売件数、個人消費支出、PCEデフレーター等の重要経済指標の発表が続くほか、パウエル議長のコメント機会が予定されており、今後の米国の金融政策の手がかりを求めて注目が集まりそうです。
欧州では、ドイツのIFO景況指数やユーロ圏の消費者物価指数の速報値、また、ラガルドECB総裁のコメントに注目したいです。
ドル円やクロス円は二度目の介入を警戒した神経質な状態が続くことが想定され、本邦政府要人の円安牽制コメントやレートチェック報道、実際の介入発動等、最新の報道に注意が必要となりそうです。
また、先週はロシアがウクライナ侵攻のため、部分動員令を発動したことを受けて、地政学リスクが意識され、ユーロの上値を圧迫する材料となりました。今週も引き続き、ウクライナ情勢に関する最新の報道には注意したいです。
今週の主な経済指標
米国
9/27 20:30 パウエルFRB議長コメント機会
9/27 21:30 米国8月耐久財受注
9/27 22:00 米国7月住宅価格指数
9/27 22:00 米国7月ケースシラー価格指数
9/27 23:00 米国9月消費者信頼感指数
9/27 23:00 米国8月新築住宅販売件数
9/28 20:00 米国週間MBA住宅ローン申請件数
9/28 21:30 米国8月卸売在庫
9/28 23:00 米国8月中古住宅販売保留件数
9/28 23:30 米国EIA週間原油在庫
9/29 21:30 米国4−6月期GDP(確報値)
9/29 21:30 米国週間新規失業保険申請件数
9/30 21:30 米国8月個人消費支出、個人所得、PCEデフレーター
9/30 21:30 米国9月シカゴPMI
9/30 21:30 米国9月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)
ユーロ圏
9/26 17:00 ドイツ9月IFO企業景況感指数
9/26 22:00 ラガルドECB総裁コメント機会
9/28 15:00 ドイツ9月GFK消費者信頼感調査
9/28 15:45 フランス9月消費者信頼指数
9/28 16:15 ラガルドECB総裁コメント機会
9/29 18:00 ユーロ圏消費者信頼感指数、経済信頼感指数
9/29 21:30 ドイツ9月消費者物価指数(速報値)
9/30 15:45 フランス9月消費者物価指数(速報値)
9/30 16:55 ドイツ9月失業率
9/30 18:00 ユーロ圏8月失業率
9/30 18:00 ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
日本
9/27 8:50 日本8月企業向けサービス価格指数
9/28 8:50 日銀金融政策決定会合議事要旨公表
9/28 14:00 日本7月景気先行指数、景気一致指数
9/29 8:50 日本週間対外対内証券売買契約等の状況
9/30 8:50 日本8月失業率
9/30 8:50 日本8月鉱工業生産(速報値)
9/30 8:50 日本8月小売販売額
9/30 14:00 日本9月消費者態度指数
9/30 14:00 日本8月新設住宅着工個数
英国
9/29 17:30 英国8月消費者信用残高
9/29 17:30 英国8月マネーサプライ
9/30 15:00 英国4-6月期四半期GDP(改定値)
9/30 15:00 英国4-6月期四半期経常収支
オーストラリア
9/28 10:30 オーストラリア8月小売売上高
カナダ
9/29 21:30 カナダ7月GDP
スイス
9/30 16:00 スイス9月KOF景気先行指数
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