先週末は冴えない米国経済指標により米国債利回り低下 今週はFOMCに注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年7月25日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は、米国経済指標にて冴えない結果が続いたこと等の影響で、米国債利回りが低下し、主要通貨の中では米ドルが最弱通貨となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月を見ると、強かった米ドルの勢いが和らいでいるのに対し、弱い推移が続いた円が直近では、少し反発しています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、多少の相関性は見出すことはできるものの、対新興国通貨等では、相関の低いものも多いです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
また、ドル円、クロス円の通貨ペアは全体的に多少の相関性を見出すことはできるものの、ドル円とクロス円の相関性は低いほか、南アフリカランド円が他のクロス円との相関が低く、前週に比べ、円の強弱ははっきりとしていなかったようです。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアを見ると前週に続き相関性の低い組み合わせも多く、ユーロの強弱は円や米ドルに比べると明確ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、底堅い推移が続いた後、週末にかけて少し失速する動きとなりました。
欧州市場
欧州の株価指数は全体的に底堅さを見せる中、オランダの株価指数の強さが目立ちました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は日本やオーストラリア、シンガポール、台湾等の株価指数が比較的底堅いのに対し、中国や香港の株価指数が伸び悩みました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
先週の米国債利回りは、全体的に週末にかけ低下となりました。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、超短期債の利回りは依然として上昇基調なのに対し、短期〜長期債利回りは低下傾向が続いています。また、短期債利回りが10年債までの中長期利回りを下回る逆イールド状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は高値を切り上げに失敗後、安値を結んだラインや直近のサポート水準を割り込み、一時は135円台まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ないものの、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えています。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、 直近では下値を探る動きが続き、上昇基調が一段落となりました。
反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下値を探る動きとなった場合は、直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調が続くかを見守りたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、売買双方のポジションが増えましたが、ネットしたポジションは前週と大きな変化はありませんでした。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/7/19)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは底堅いものの、1.0280付近で伸び悩む動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率がやや高い中、直近のレンジとなる1.013-1.028付近で構築されたポジションが増えています。このため、このレンジを上下に抜けるような動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切り注文が増える可能性に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、反発が一段落し、横ばい推移が続いています。まずは直近のレンジを上下いずれに抜けるか等に注目しながら方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週に続き、売りポジション比率が増加となりました。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/7/19)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは反発に転じ、1.205付近まで上昇となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が62%程度まで増加する中、安値圏で推移していることもあり、その多くが含み損を抱えています。
このため、上値を探る場面では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の反発地合いで苦しくなった売りポジションも増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では高値、安値を切り上げる動きに転じています。今週も直近の高値、安値を切り上げる動きが続くか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売買双方のポジションが減少しましたが、売買の傾きは、前週と大きな変化はありませんでした。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/7/19)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは底堅い推移が続き、0.7に迫る動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾いていますが、反発地合いが続いていることもあり、含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の水準で構築された買いポジションも多く、上値を探る場面では、これらのポジションの利益確定の売りが上値を圧迫する可能性にも注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、反発地合いが続いていますが、下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、反発地合い継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは前週と大きな変化はなく、売りポジションに傾く状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/7/19)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は底堅い推移が続いた後、週末は少し下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の下押しにより、苦しくなった買いポジションが少し増えています。
このため、上値を探る場面では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、反発地合いが続いていますが、下押しの際は直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場では、前週に続き、売りポジション比率が増加傾向が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/7/19)】
今週の注目材料
今週は米国の金融政策を決定するFOMCがメインイベントとなりそうです。
市場では一時は100bpの利上げを予想する声も増えましたが、今のところ75bpの利上げとの見方に固まりつつあり、サプライズとならない限り、声明文の内容やパウエル議長の記者会見に今後の利上げに関する手がかりを求めて注目が集まりそうです。
【参考資料】
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移】
金利先物市場では、今週のFOMCでは、75bpの利上げとの見方が中心です。
出所:CMEグループ
FedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
米国ではこのほか、GDP速報値や耐久財受注、PCEデフレーター等の重要経済指標の発表が続きます。先週は週末にかけて米国経済指標で冴えない結果が続き、市場のリスク許容度が後退となりました。
今週も冴えない結果が続くと市場のリスク許容度を圧迫する可能性に注意が必要となりそうです。
他にはユーロ圏で消費者物価指数やドイツIFO景況指数、オーストラリアでは四半期に一度の消費者物価指数の発表に注目したいです。
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