先週はドル高全面高、株式市場は軟調推移 今週はFOMC、米国雇用統計等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年5月2日)
今週の注目材料
今週は米国で金融政策を決定するFOMCの開催が5月3日〜4日に予定されています。
政策金利に関して、市場の織り込み度の目安となるCMEグループのFedWatchToolを見ると、前回よりも大きな利上げ幅となる50bpの利上げと見方が中心となっています。市場の混乱を好まない傾向があるFedが、50bp以外のサプライズの利上げとなる可能性は低いと考えられますが、絶対的なものでもないため、サプライズの可能性も一応、頭の片隅に置いておきたいです。
さらに、3月の会合時の議事要旨にて、早ければ5月の会合からバランスシートの縮小(テーパリング)が開始される可能性が明らかになったことからも、テーパリングが開始されるか、仮にテーパリングが開始されるとして、どのくらいのペースとなるかにも注目が集まりそうです。
このほか、声明文のほか、パウエル議長の記者会見にて、今後の金融政策に関する新たな手がかりが出てくるかに注目したいです。
【参考資料】FedWatchToolによる5月会合における政策金利確率
出所:CMEグループ FedWatchTool
【参考資料】前回のFOMC議事録のバランスシート縮小開始に関する記述
経済指標は米国の雇用統計の発表が週末に予定されているほか、ISM景況指数等の発表が予定されています。米国雇用統計の代表的なデータとなる非農業部門雇用者数の変化、失業率等に加え、今回の会合では、物価上昇率への影響が大きい平均時給の上昇率等のデータに注目が集まりそうです。
【参考資料】米国の賃金上昇率(前月比)
このほか、英国でBOEの金融政策委員会、オーストラリアでは、RBA理事会と金融政策を決定する会合が予定されており、いずれも、市場では利上げ実施との予想が中心となっています。
利上げ幅や今後の金融政策の手がかりに注目が集まり、発表前後は不安定な推移となることが想定されるため、注意したいです。
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は米ドルが全面高となったほか、前週まで弱い推移であった円が比較的強い推移となったのに対し、豪ドルやNZドルが弱い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月では、米ドルの強さが目立っています。円は少し反発となりましたが、依然として弱い状態が続いています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、米ドルは対主要通貨で全体的に相関性が高く、近い動きとなりました。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアはドル円以外は全体的に相関性が高く、円は対ドル以外で近い動きとなりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性を見ると、多少の相関性はあるものの、相関の低い銘柄も多く、ユーロ中心の相場ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、週末にかけて、上値の重い状態が続いています。
欧州市場
欧州の株価指数CFDは反発に転じたものの、週末は失速となりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は反発地合いが強まりましたが、週末は少し伸び悩む動きとなりました。ただし、香港の株価指数は堅調な推移となりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、依然として上昇傾向が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較を見ると、上昇傾向にありますが、先週末は前週末とほぼ同じ水準で推移しています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、序盤こそ上値の重い動きとなったものの、底は固く、反発に転じた後、日銀の金融政策決定会合の結果を受けて、一時は131円台まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、上昇基調が続いたこともあり、売りポジションに傾く中、その多くが含み損を抱えています。このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の下押しにより、ストレスを抱えた買いポジションも増えており、下押しが強まると、これらの買いポジションの損切りの売りが増える可能性にも注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いています。このため、下押しの際は安値を結んだトレンドラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は直近の高値水準を突破できるかどうか等に注目しながら上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場では円売りポジションが減少となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/4/26)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは、上値の重い推移となり、一時は1.05を割り込む水準まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに大きく傾く中、そのほとんどが含み損を抱えている状況です。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続く中、安値圏での推移が続いています。下押しの際は、直近のサポート水準となる1.047付近を守れるか、上値を探る場面では高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週に続き買いポジション比率が少し減少となり、売買比率の偏りが少ない状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/4/26)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは上値の重い推移となり、1.24付近まで下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が65%台まで上昇する中、安値圏で推移しているため、含み損を抱えた買いポジションが増えています。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の反発により苦しくなった売りポジションも少し増えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、反発地合いが続いています。下押しの際は直近の安値水準となる1.24付近を守れるか、上値を探る場面では、直近の高値水準や高値を結んだライン等を上抜けることができるか等に注目しながら、下落基調が続くかを見守りたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週に続き売りポジション比率が増加となりました。今後もこの傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/4/26)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは上値が重く、0.705付近まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が6割を超える中、安値圏で推移しているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続く中、下落の勢いは少し和らいでいるようにも見えますが、直近のサポート水準の0.705付近を守れるか、反発の際は直近の高値水準を上抜け、0.72台を回復できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジション比率が少し減少したものの、前週から大きな変化はなく、豪ドル売りのポジションがやや優勢な状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/4/26)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500の上値は重く、4100台前半まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに大きく傾く中、直近の下押しにより、買いポジションのほとんどが含み損を抱えています。
このため、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、直近では4135-4310付近を中心としたレンジの攻防が続いています。まずはこのレンジを上下いずれに抜けるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場の買いポジション比率が増加となりました。このまま買いポジションの増加傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/4/26)】
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