日銀金融政策決定会合、米国GDP等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年4月25日)
今週の注目材料
今週は日銀の金融政策決定会合が予定されています。
今回の会合では金融政策の大きな変更の可能性は低いと予想されますが、併せて公表される「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)にて消費者物価指数の見通しが前回のレポートからどの程度引き上げられるか、黒田総裁の記者会見で、現在の円相場に関して懸念を示すか等に注目が集まりそうです。
現在の円安地合いの要因の一つである他の主要国との金融政策の方向性の違いの長期化が意識させられるような内容となると、円の売り材料となりそうです。
米国ではGDP速報値、個人消費支出、耐久財受注等の重要経済指標の発表が予定されています。
強い結果が続くと、米国の利上げペース加速観測を後押しし、米ドルの下支え材料となりそうです。
このほか、ユーロ圏ではGDP速報値、消費者物価指数速報値、独IFO景況指数等、オーストラリアでは消費者物価指数に注目が集まりそうです。
また、引き続き、最新のウクライナ情勢に関する報道や本邦要人の円安牽制コメントのトーンの変化等には注意が必要となりそうです。
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は引き続き円安地合いが続いたほか、豪ドル、NZドル、ポンドが弱いのに対し、中央銀行関係者のタカ派コメントに下支えされた米ドル、ユーロが比較的強い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
先週は週末にかけて円が少し反発となりましたが、依然として主要通貨に対し、円が弱い状態が続いています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、多少の相関性を見出すことはできるものの、それほど高いわけでもなく、米ドル中心の相場ではなかったようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアはZAR/JPYを除いて比較的相関性の高い動きとなり、円の強弱は比較的はっきりとしていたようです。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性を見ると、多少の相関性はあるものの、相関の低い銘柄も多く、ユーロ中心の相場ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、週末にかけて、上値の重い推移となりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも序盤こそ底堅さを見せたものの、後半は下押しが強まりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDも週末にかけて、軟調な推移となりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、短期債を中心に上昇傾向が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較を見ると、長期債に比べ、短期債の利回りの上昇幅が大きく、2年以上のものがフラット化してきており、逆イールドに警戒が必要な状況です。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、序盤から底堅く、一時129.40付近まで上昇後失速し、高値圏で伸び悩む動きが続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、上昇基調が続いたこともあり、売りポジションに傾く中、その多くが含み損を抱えています。このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の伸び悩みにより、ストレスを抱えた買いポジションも増えており、下押しが強まると、これらの買いポジションの損切りの売りが増える可能性にも注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いています。このため、下押しの際は安値を結んだトレンドライン、また直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は直近の高値水準を突破できるかどうか等に注目しながら上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、売りポジション比率の伸びは一段落となりましたが、依然として売りポジションに大きく傾く状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/4/19)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは、前半は底堅く、一時1.094付近まで上昇したものの、その後は失速し、1.08を割り込む水準まで下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに大きく傾く中、そのほとんどが含み損を抱えている状況です。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続く中、安値圏での推移が続いています。まずは直近のサポート水準となる1.075付近を守れるか、反発の際は4月上旬からのレジスタンスであり、先週のレジスタンスとなった1.094付近を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは買いポジション比率が少し減少し、依然として偏りが少ない状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/4/19)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは序盤こそ底堅い推移となったものの、後半は下押しが強まり、1.28台前半まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が65%近くまで上昇する中、安値圏で推移しているため、そのほとんどが含み損を抱えています。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、短期間で大きな下落となった後だけに多少の反発にも注意が必要な中、下押しがどの程度まで続くか、反発に転じる際は直近のサポート水準となる1.297付近等を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週に続き売りポジション比率が増加となりました。今後もこの傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/4/19)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは前半は底堅い推移となりましたが、後半は下落基調が強まり、0.72台前半まで下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が高まる中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えています。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、ポンドドル同様に短期間で大きな下落となった後だけに短期的な反発にも少し警戒が必要な状況の中、下押しがどの程度続くか、反発に転じた際はどの程度の反発となるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは前週から大きな変化はなく、豪ドル売りのポジションがやや優勢な状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/4/19)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は前半は底堅く、4500台に乗せる動きとなったものの、後半は失速し、4200台中盤まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しにより、買いポジションのほとんどが含み損を抱えています。
このため、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、一時は高値を切り上げるような動きとなったものの、安値を大きく切り下げる動きとなり、上値の重さを意識させられる動きとなっています。
まずは下押しがどの程度続くか、反発に転じる動きとなった場合は直近のサポート水準となる4360等を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のポジションは僅かに買いポジション比率が少し増加となりました。依然として偏りは大きくありませんが、今後、売買いずれに傾いていくかにちゅもくしたいです。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/4/19)】
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