FX市場はポンド、米ドルが底堅い推移、株式市場は軟調 次期FRB議長人事等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年11月22日)
FX市場はポンド、米ドルが底堅い推移。株式市場は軟調、原油価格も下落
先週のFX市場では利上げ観測が下支え材料となったポンド、米ドルが底堅い推移となったほか、円が強い推移となりました。
一方でユーロはECB関係者のハト派的なコメントや新型コロナの感染再拡大への懸念、地政学リスク等が上値圧迫材料となり軟調な推移となったほか、資源価格の下落の影響で豪ドル等が弱い動きとなりました。
株式市場では、ナスダックやS&Pは比較的堅調な推移となったものの、その他の株価指数は軟調な銘柄が多い週となりました。
また、高値圏での推移が続いていた原油は、主要国による石油備蓄の放出を検討しているとの報道等により、値を下げる動きとなりました。
【ドルインデックス、S&P500(CFD)、米国債利回り(10年、2年)、原油(CFD)、金(CFD)の推移】
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、先週は中長期債を中心に低下となりました。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの変化を見ると、短期のものは依然として高い水準であるのに対し、中長期のものは、低下傾向にあるようです。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
次期FRB議長人事、各種経済指標等に注目
米国では、感謝祭前に決定されると報じられている次期FRB議長の人事に注目が集まっています。パウエル現FRB議長とブレイナードFRB理事が候補とされており、パウエル現FRB議長よりもハト派と考えられているブレイナード議長が就任となると、利上げ観測が後退し、市場が過敏に反応する可能性に注意が必要となりそうです。
米国で利上げ観測が強まる中、今週は米国で中古住宅販売件数、耐久財受注、PCEデフレータ、FOMC議事録などの経済指標の発表が予定されています。利上げ観測を後押しするような結果となると、米ドルの下支え材料となりそうです。
欧州ではPMI速報値、IFO景況指数等の経済指標の発表が予定されています。新型コロナ感染者再拡大による景気減速が意識される中、景況感の変化に注目が集まります。
主要通貨の強弱
先週のFX市場は利上げ観測が下支えとなったポンド、米ドルが底堅い推移となったほか、円が強い推移となったのに対し、ユーロ、豪ドルが弱い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートを見ても米ドル、円が徐々に強い推移となっているのに対し、ユーロ、豪ドルが弱い推移となっています。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の変化率
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、US100が底堅い推移となったものの、US30、US2000は下落となりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDは概ね上値の重い推移となりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは、台湾の株価指数は底堅い推移となったものの、その他の株価指数は、全体的に上値の重い推移となりました。
主要銘柄の相関性分析
先週の主要なドルストレートの通貨ペアの相関性は、普段に比べると、全体的に相関性の低い動きとなりました。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の相関性を見ると、ドル円とクロス円の相関性はUSD/JPYとGBP/JPY、CAD/JPYとの間で相関関係を見出すことができたものの、その他のクロス円との相関性は低い動きとなりました。また、クロス円同士は、GBP/JPY以外の銘柄は比較的近い動きとなりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、US500と主要な通貨ペアの相関性は低く、FX市場と為替市場の相関は限定的な状態が続いています。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、115.00に迫る動きとなったものの、後半は失速し、一時113円台まで下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率が少し高い中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性に少し注意が必要かもしれません。
4時間足チャートでは、高値を切り上げる動きとなったものの、その後は伸び悩み、安値を結んだトレンドライン付近まで下押し、下げ渋る動きとなっています。
まずは、この安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では、しっかりと115円台に載せることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物市場のポジションは増加していた円売りポジションの減少傾向が続いています。今後もこの傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/11/16)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは下落基調が続き、1.12台中盤まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、安値圏での推移が続いているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていますが、反発の際は、高値を結んだトレンドラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は、直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは売買の偏りがほとんどない状況が続いています。今後、売買のいずれに傾きが出てくるかに注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/11/16)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは反発地合いが続きましたが、週末にかけては、少し下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、下落基調が続いたことにより、買いポジションに少し傾く中、安値圏で推移しているため、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の反発で苦しくなった売りポジションも少し増えており、下押した水準では、安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなった場合は損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では、下げ渋る動きが続いています。安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、反発の際は、直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは、売りポジション比率の増加傾向が続いています。今のところ、偏りは大きくないですが、今後の傾きの変化に注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/11/16)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは下落基調が続き、0.72台前半まで下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、下落基調が続いているため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。このため、反発した水準では、安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の思い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていますが、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は、安値を切り下げることができるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、引き続き売りポジションに傾く状態が続いていますが、売りポジションの減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/11/16)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は高値圏での推移が続き、先週も高値を少し更新したものの、伸び悩む状態が続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買比率の偏りは少ない中、高値圏での推移が続いたことにより、売りポジションのほとんどが含み損を抱えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で、高値圏で伸び悩む動きとなっていることもあり、ストレスを抱えた買いポジションも少し増えており、上昇した水準では、利益確定の売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、上昇の勢いは和らいでいるようにも見えます。下押しの際は、直近の安値水準や安値を結んだトレンドラインを守れるか、上値を探る動きとなった場合は、高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のオープンポジションは、依然として偏りは大きくないですが、買いポジション比率の増加傾向が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/11/16)】
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