株式市場は軟調、FX市場では豪ドル、カナダドルが強い推移 今週は米国雇用統計等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年10月4日)
株式市場は軟調推移、FX市場では豪ドル、カナダドルが堅調推移
先週は中国恒大集団のデフォルト懸念、米国の債務上限問題への警戒感、米国の金融緩和縮小観測、ドイツの連立政権樹立への不透明感、天然ガス価格の急騰等、様々な材料が入り乱れ、悩ましい動きとなりました。
株式市場は上値の重い推移となったほか、米国債利回りは上昇したものの、後半は失速、FX市場では、豪ドル、カナダドルが比較的強いのに対し、ユーロの弱さが目立つ週となりました。
■参考データ
【ドルインデックス、S&P500(CFD)、米国債利回り(10年、2年)、原油(CFD)、金(CFD)の推移】
【残存期限別の米国債利回りの推移】
上昇傾向が続いていますが、先週後半は下押しとなりました。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
長期の利回りは前週よりも上昇したものの、短期は前週より低下となりました。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
米国経済指標等に注目
今週は米国で雇用統計、ISM非製造業景況指数等の重要経済指標の発表が予定されています。
これらの経済指標が強い結果となると、利上げ観測を後押しし、米国債利回り上昇、米ドルの下支え材料となりそうです。これに対し、株式市場にとっては、素直にポジティブな反応となる可能性の方が高そうですが、米国債利回りが上昇するようであれば、金利上昇を警戒し、ネガティブに反応する可能性も考えられそうです。
また、今週も引き続き中国恒大集団関連や米国の債務上限問題等に関する最新の報道に注目です。ネガティブな報道だけでなく、ポジティブな報道にも注意したいです。
このほか、オーストラリアでは政策金利の発表が予定されています。今回の会合では政策金利の変更の可能性は低いと考えられますが、声明の内容等で今後の金融政策の方向性が示されると、豪ドルを中心に市場が過敏に反応する可能性があるため、発表前後は特に注意したいです。
参考データ
【米国の非農業部門雇用者数の推移】
【米国の失業率の推移】
主要通貨の強弱
先週のFX市場は、豪ドル、カナダドル、米ドルが強い推移となったのに対し、ユーロ、ポンド、NZドルが弱い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートでは、米ドルに続き、カナダドル、円が比較的強い状態が続いています。一方で豪ドル、NZドルが直近では反発しつつありますが、依然として弱い状態が続いています。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の変化率
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、下落基調が続きましたが、週末には少し反発する動きとなりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDは全体的に上値の重い状態が続いています。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDも、上値の重い銘柄が多かったですが、下落基調が続いていた中国や香港の株価指数は比較的底堅い動きとなりました。
主要銘柄の相関性分析
先週の主要なドルストレートの通貨ペアの相関性を見ると、CNH以外は対米ドルで比較的相関性の高い動きとなっていたようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円とクロス円同士の相関関係は、普段に比べると相関性が低く、円の強弱ははっきりとしない相場であったのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、USD/JPYとUS500は相関性が低いのに対し、ドルストレートやクロス円とUS500の相関性は比較的高い動きとなりました。ただし、AUD/USDやAUD/JPYとの相関は普段に比べると少し低い数値でした。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、底堅く、一時は112.00を上抜ける動きとなったものの、終盤にかけては失速し、110.00付近まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、底堅い推移が続いたことにより、売りポジションの比率が増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、底堅い動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションも少し増えており、安値を切り下げる動きとなると損切りの売り、反発した水準では安堵の利益確定の売りが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
しばらく続いた109-111のレンジ水準をしっかりと上抜ける動きとなった後だけに、下押しがどの程度となるか、上値を探る動きとなった場合はしっかりと高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の円の通貨先物市場のポジション比率は円売りポジションの減少傾向が続いていましたが、先週は円売りポジションが増加となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/9/28)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは上値が重く、一時は1.15台中盤まで下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、下落基調が続いたことにより、含み損を抱えた買いポジションが増える中、その多くが含み損を抱えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の反発で含み損を抱えた売りポジションも少し増えており、下押した水準では利益確定の買い戻し、反発が続く場面では、損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、今のところ、下落基調が続いており、下押しの際は、直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは売りポジションが増加したことにより、売買の偏りが殆どない状態となりました。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/9/28)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは安値を切り下げ、一時1.34に迫る動きとなった後、週末には少し反発し、1.35台を回復となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、下落基調が続いていることもあり、買いポジションの比率が高い中、その多くが含み損を抱えており、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で週末の反発により、含み損を抱えた売りポジションも少し出てきており、下押した水準での買い戻し、高値を切り上げる動きとなった場合は損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要かもしれません。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていますが、下押しの際は安値を切り下げることができるか、反発に転じた際は、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは、買いポジション比率が少し上昇しましたが、依然として売買の偏りがほとんどない状態が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/9/28)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは安値を切り下げる動きとなり、0.717付近まで下落となりましたが、その後は反発地合いが続き、0.72台後半まで戻す動きとなりました。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていますが、OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りが少ない中、直近の反発により苦しくなった売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すこともできそうです。
下押しの際は直近の安値水準を守れるか、反発の際は引き直したトレンドラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら方向感を探っていきたいところです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、前週に続き売りポジション比率の増加傾向が続いており、今後もこの傾向が続くかに注目したいです。また、売りポジションへの偏りが過去の水準と比較すると大きな偏りとなっていることを考えると、これらのポジションの決済の取引が増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/9/28)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は序盤は上値の重い推移となり、4270付近まで下押す動きとなった後、週末には少し反発し、4300台後半まで戻す動きとなりました。
4時間足チャートを見ると、直近では反発に転じつつありますが、OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに大きく傾く中、その多くが含み損を抱えており、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、今のところ、下落基調が続いており、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか、反発の際は、直近の高値水準やトレンドラインを突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物のオープンポジションは、依然として偏りは大きくありませんが、買いポジションの比率が前週に比べ、少し増加となりました。
【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/9/28)】
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