FXに関するコラム・豆知識

米英の利上げ観測強まる、引き続き中国恒大集団関連の報道にも要注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年9月27日)



先週は中国恒大集団のデフォルト懸念が燻る中、注目されたFOMCでは、市場予想通り金融政策は現状維持となりましたが、年内のテーパリング開始の可能性が示されたほか、金利見通しでは、2022年中の利上げ開始を示唆する内容となりました。

この結果を受けて、米国債利回りは上昇、FX市場では、米ドルが底堅い推移となりました。株式市場は中国恒大集団のデフォルト懸念が和らいでいたこともあり、底堅い動きとなりました。

英国のイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会も金融政策は現状維持となったものの、資産購入プログラムの減額に投票した委員が増えたことから、金融緩和縮小、利上げ観測が強まり、上値の重い推移となっていたポンドが反発に転じる動きとなりました。

金融緩和の縮小、利上げ観測が強まる中央銀行が徐々に増えてきているのに対し、金融緩和縮小までの道のりが遠い中央銀行も依然として多く、温度差が意識されやすいかもしれません。

参考データ

FOMCメンバーの金利見通しの前回からの変化です。点線が前回(2021年6月)のものです。

2022年末の部分に注目すると、前回の会合時には2022年中の利上げはないと予想していたメンバーのうち数人が利上げ予想に変わったのが確認できます。

また、2023年末時点の金利予想も全体的に上方シフトしています。

出所:FRBのウェブサイトより

【ドルインデックス、S&P500(CFD)、米国債利回り(10年、2年)、原油(CFD)、金(CFD)の推移】

   

【残存期限別の米国債利回りの推移】

直近では上昇基調に転じつつあります。

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債利回りの推移はこちら

 

【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】

全体的に過去5週に比べ上昇しています。

 

【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債のイールドカーブの推移はこちら

 

引き続き中国恒大集団関連の報道、米国ISM景況指数等に注目


今週も引き続き中国恒大集団のデフォルト懸念に関する報道に注目が集まりそうです。子会社の一部事業停止が報じられているほか、29日にも利払いの期日が控えており、最新の報道に揺さぶられる神経質な相場が続くかもしれません。

経済指標は米国の耐久財受注やISM製造業景況指数等に注目が集まります。底堅い結果が続くと、利上げ観測を後押しし、米ドルの下支え材料となりそうです。

参考データ

【ISM景況指数の推移】

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら

過去の経済指標の推移はこちら


主要通貨の強弱


先週のFX市場は、円が全面安となったほか、ポンドが弱い動きとなった対し、カナダドルやスイスフランが強い動きとなりました。

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら

直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートでは、米ドルがジリジリと上昇する中、全体的には強弱が少し収縮し、強弱がはっきりしない状態となっています。

【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら


直近30日間の株価指数の変化率


米国市場

米国の株価指数CFDは、序盤は上値の重い推移が続いたものの、その後は反発に転じる動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

欧州市場

欧州の株価指数CFDも序盤は上値の重い推移となったものの、その後は反発に転じる動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

アジア・オセアニア市場

先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDも、序盤に下押す動きとなった後は、反発となりました。ただし、香港の株価指数CFDは週末にかけ失速する動きとなりました。

 

主要銘柄の相関性分析


先週の主要なドルストレートの通貨ペアの相関性は、普段に比べると、少し弱い数値となり、米ドル中心の相場ではなかったようです。

【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

ドル円とクロス円同士の相関関係は、ZARJPYを除いては高い相関関係となっており、円の強弱がはっきりとしていたのが確認できます。

【先週のドル円、クロス円の相関性】

先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)はドル円、クロス円との相関性が高い動きとなりました。このほか、対ドルストレート銘柄との相関性は、GBP/USD、AUD/USDとの数値がやや高いものの、EURUSDとの相関性は低い数値となりました。

【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週のドル円は、序盤に下押す動きとなり、直近のサポート水準でもある109.10付近まで下押す動きとなったものの、その後は反発に転じ、110.80付近まで上昇する動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに傾く中、底堅い推移が続いたことにより、売りポジションのほとんどが含み損を抱えています。

このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

ただし、現在の110.80付近は少し前にレジスタンスとして上値を抑えた水準でもあり、また含み益を抱えた買いポジションが多く、利益確定が増える可能性も考えられ、上値が圧迫される可能性にも少し警戒が必要かもしれません。

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の円の通貨先物市場のポジション比率は円買いが少し増加、円売りが少し減少し、ネットすると、円売りポジションの比率が減少となりました。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/9/21)】

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ユーロ/米ドル(EUR/USD)

先週のユーロドルは一時1.17を割り込む水準まで下押しましたが、反発に転じ、1.17台を回復して週末を迎えました。週間を通しては、1.17台を中心に方向感の鈍い推移が続いています。

OANDAのオープンポジションを見ると、下落基調が続いたことにより、含み損を抱えた買いポジションが多いものの、先週のレンジとの中心となる1.17台前半に売買双方のポジションが多く、均衡が崩れると、苦しくなったポジションの損切り注文が増える可能性に注意が必要となりそうです。

4時間足チャートを見ると、依然として下落基調が続いていますが、直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは売りポジションが増加し、買いポジション比率が低下し、売買比率の差が僅かとなりました。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/9/21)】

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ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週のポンドドルは前半は上値が重く、1.36付近まで下押す動きとなった後、少し戻され、1.36台後半で週末を迎えています。

OANDAのオープンポジションを見ると買いポジションの比率が高い中、下落基調が続いていることもあり、含み損を抱えた買いポジションが増えており、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

一方で週末の後半の反発により、含み損を抱えた売りポジションも少し出てきており、下押した水準での買い戻し、高値を切り上げる動きとなった場合は損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要かもしれません。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていますが、直近では少し大きな反発が入った後だけに、下押しの際は安値を切り下げることができるか、反発に転じた際は、直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調が続くかを見守りたいところです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売買双方のポジションが増加となりましたが、売りポジションの増加の方が多く、売買の偏りがほとんどない状態が続いています。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/9/21)】

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豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは中国恒大集団関連の報道に揺さぶられ、終わってみれば、方向感を見出しにくい状態が続きました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が高い中、上値の重い状況が続いていることもあり、含み損を抱えた買いポジションが多く、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

一方で先週は横ばい推移となったことでストレスを抱えた売りポジションも少し増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要かもしれません。

4時間足チャートでは下落基調が続いていましたが、少し大きな反発となっており、下押しの際は直近の安値水準を守れるか、反発の際は引き直したトレンドラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら方向感を探っていきたいです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、前週に続き売りポジション比率の増加傾向が続いており、今後もこの傾向が続くか、これらのポジションの決済が増えるのかに注目したいところです。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/9/21)】

投機筋の通貨先物ポジションのチェックはこちら

CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は序盤は上値の重い推移となったものの、後半は反発に転じ4400台中盤まで押し戻す動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が高い中、直近の反発により含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

一方で依然として含み損を抱えた買いポジションも残っており、上昇した水準では安堵の利益確定売りが上値を圧迫する可能性にも少し注意が必要となりそうです。

4時間足チャートを見ると、反発地合いが続いているものの、4400台後半は過去にもみ合った水準ということもあり、様々な思惑が交錯する水準とも考えられるため、しっかりと高値を切り上げることができるかに注目したいです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のS&P500先物のオープンポジションは、偏りは大きくありませんが、買いポジションの比率が前週に比べ、少し増加しました。

 

【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/9/21)】

投機筋の株価指数先物市場のポジションのチェックはこちら

 
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