市場リスク許容度が後退 FOMC、中国恒大集団関連の報道等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年9月20日)
市場のリスク許容度が後退、株式市場は下落、米ドル、円が上昇
先週は中国の大手不動産デベロッパー「中国恒大集団」のデフォルト懸念や新型コロナの感染拡大懸念、米下院の法人税引き上げ案等などが市場のリスク許容度を圧迫し、株式市場は下落、FX市場では米ドル、円が強い推移となりました。
【ドルインデックス、S&P500(CFD)、米国債利回り(10年、2年)、原油(CFD)、金(CFD)の推移】
【残存期限別の米国債利回りの推移】
先週は前半は低下したものの、後半は全体的に上昇しています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
先週は中期の年限のものを中心に直近の5週に比べ、上昇となりました。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
米国FOMCをはじめ各国の金融政策、中国恒大集団関連の報道等に注目
今週は米国の金融政策を決定するFOMCが予定されています。テーパリングの開始時期、規模に注目が集まりますが、ジャクソンホールのパウエル議長の講演等により、年内のテーパリング開始がある程度市場に浸透していることを考えると、市場の関心は利上げの開始時期へ移行しつつあり、メンバーの金利予想(ドットチャート)やパウエル議長の記者会見の内容にも注目が集まりそうです。
【前回(2021年6月)のドットチャート】
このほか、英国、日本、スイスの他、新興国では南アフリカやトルコの金融政策の発表が予定されており、金融緩和の縮小に向かっている国、現在の緩和が当面続く国、追加緩和が必要な国等、各国の金融政策のスタンスの差により、FX市場が過敏に反応する可能性が考えられるため、関連する銘柄の発表前後の値動きには注意が必要となりそうです。
また、引き続き中国の大手不動産デベロッパーの「中国恒大集団」に関する報道や新型コロナの変異種の感染者数に関する報道などにも注意が必要となりそうです。
主要通貨の強弱
先週のFX市場は、米ドル、円が強い推移となったのに対し、スイスフランが弱い推移となったほか、豪ドル、NZドルが軟調な推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間では、円、スイスフラン、米ドルが弱く、NZドルや豪ドルが強いリスク選好型の状態が続いていますが、直近では、徐々に強弱の差が縮小しており、流れが変わる可能性にも少し注意が必要となりそうです。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の変化率
米国市場
米国の株価指数CFDは、先週に続き、全体的に上値の重い状態が続いています。
欧州市場
欧州の株価指数CFDは伸び悩む動きとなる中、オランダの株価指数が比較的強い推移となりましたが、週末にかけては失速となりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは伸び悩む銘柄が多い中、台湾やシンガポールの株価指数が比較的底堅い推移となりました。
主要銘柄の相関性分析
先週は対ドルでの主要通貨の相関性は高いものの、米ドルと円が強い動きとなったこともあり、ドルストレートの中では、USD/JPYと他のドルストレートの相関性が低い数値となっています。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円とクロス円の相関係数は、全体的に比較的強い数値となりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)は比較的低い数値となっており、米国株式市場とFX市場の相関性は比較的低い動きとなりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDAの顧客のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は前半は上値が重く、サポートとなっていた109.60付近を割り込み、109.10まで下押ししたものの、後半は反発に転じ、下落分のほとんどを取り戻す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ないものの、後半の反発により苦しくなった売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートでは方向感の鈍い動きが続いており、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは序盤は底堅い動きとなったものの直近の高値水準となる1.185付近を突破できずに失速し、安値を切り下げる動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が少し増える中、下押しが続いたことにより、買いポジションのほとんどが含み損を抱えています。
このため、反発した水準では、安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げる下落基調が続いていますが、直近のサポート水準を守れるか、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは序盤は底堅く、高値を切り上げ、一時は1.39台に乗せる動きとなりましたが、その後は失速し、下落基調が続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ないですが、下落基調が続いたことにより、買いポジションのほとんどが含み損を抱えており、下押しが続くと損切りの売り、反発した水準では安堵の利益確定売りが増える可能性も考えられ、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げる動きに転じており、反発の場合は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は、安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは上値の重い推移が続き、0.72台中盤まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が少し増える中、下落基調が続いたことにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができます。
4時間足チャートでは、下落基調が続いており、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は上値の重い推移が続き、週末には4400台前半まで下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が増える中、下落基調が続いたことにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、また、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、直近では、高値、安値を切り下げる動きに転じており、この流れがどの程度続くかに注目したいところです。反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
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