ゴールデンウィークの東京時間は流動性低下に注意|経済指標は米国雇用統計等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年5月3日)
米国長期金利が上昇に転じ、米ドル上昇
先週は米国でFOMC、日本で日銀の金融政策決定会合が行われました。 米国のFOMCでは金融政策の変更はなし、パウエル議長の会見でもテーパリングに関しては時期尚早としたものの、経済に関しては楽観的な見通しを示されたこと、その後に発表された米国経済指標が底堅い結果となったこと等により、米国長期金利は上昇に転じています。
日銀の金融政策決定会合は金融政策の変更はなし、注目された展望レポートでは物価見通しは下振れリスクが高いことが示されましたが市場の反応は限定的なものとなりました。
FX市場では米国債利回り上昇を受けて、週末にかけて米ドルが底堅い動きとなりました。株式市場は高値圏で推移していましたが、終盤には下押しに圧力が強まりました。
【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】
【残存期限別の米国債利回りの推移】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【3Dグラフで見た米国債イールドカーブの推移】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
ドル円のチャートと米国10年債利回りと日本10年債利回りの差を表示したチャートを比較すると、利回り差縮小が一服したのに合わせドル円が反発に転じているのが確認できます。
【ドル円と米国10年債利回り-日本10年債利回りの比較】
今週は本邦の祝日、米国の経済指標、英国、オーストラリアの金融政策等に注意
今週前半は日本がゴールデンウィークとなるため、東京時間の市場参加者が減るため、流動性が低下し、閑散とした相場となることが想定されます。このため、鈍い値動きとなる中、動きが荒くなる傾向があるため、注意が必要です。
米国ではISM景況指数のほか、週末には米国効用統計の発表が予定されています。底堅い結果となると、米国の金融緩和縮小の可能性が意識され、米金利上昇、米ドルの下支え材料となりそうです。
英国、オーストラリアの金融政策の決定会合では、いずれも今回の会合における金融政策変更の大きな変更の可能性は低いと考えられますが、コロナ禍からの回復期待が高いこともあり、声明文の内容等での金融緩和縮小の兆しの有無に注目が集まりそうです。
参考データ
【米国の失業率の推移】
【米国の非農業部門雇用者数変化の推移】
【米国の労働参加率の推移】
【米国の平均時給変化率の推移】
【ISM景況指数の推移】
主要通貨の強弱
先週のFX市場は米ドルが反発に転じたほか、カナダドル、スイスフランが強い推移となったのに対し、円、ユーロが対主要通貨で弱い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートを見ると、スイスフランの強い状態が続いているほか、カナダドルが最近伸びてきているのが確認できます。これに対し、円が弱くなっているのが確認できます。また、米ドルが直近では少し反発する動きとなっているのが確認できます。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の変化率
米国市場
先週の米国株式市場は高値圏で推移していたものの、終盤にかけて下押す動きとなりました。
欧州市場
欧州の株価指数も終盤にかけて下押す動きとなりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は前半は底堅い動きとなったものの、他の市場同様に週末にかけては失速する動きとなりました。
主要銘柄の相関性分析
先週の主要なドルストレートの銘柄の相関性を見ると、前週に続き、多少の相関性を見出すこともできますが、以前に比べると相関性の低い動きが続いています。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
先週は前週に続き、ドル円とクロス円の相関性が比較的高かったほか、クロス円同士の相関性が高く、円が他の主要通貨に対し近い動きとなっていたのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、株価指数とクロス円の相関性が高いほか、ドル円や豪ドル以外のドルストレートの通貨ペアと相関性が比較的高い動きとなりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は上昇基調に転じ、109円台に乗せる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が高いものの、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切利の買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
今週のドル円は、安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら反発地合いが続くかを見守りたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは買いポジションが増加、円売りポジションの減少となり、ネットすると円売りポジションが減少となりました。今週も円売りポジションの減少傾向が続くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/4/27)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週もユーロドルは底堅い推移が続いていましたが、週末には下押しが強まり、1.2に迫る動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、依然として売りポジションの比率が比較的高いものの、直近の下押しにより含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い状態が続く可能性を見出すことができそうです。
上昇基調が崩れ始めており、今週は反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションは買いポジション、売りポジションが共に増加となり、ネットすると買いポジション比率が微増となりました。
ユーロ買いポジションの増加の勢いが薄れており、今後も増加傾向が続くのかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/4/27)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは4時間足チャートを見ると、底堅い動きが続いていたものの、高値を切り上げることができずに週末には下落に転じる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買ポジション比率の偏りは少ないものの、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切の売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
今週は直近のサポート水準を守れるか、反発に転じた場合は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調が続くかを探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売買双方のポジションが減少しましたが、ネットすると買いポジション比率が少し増加となりました。
依然として買いポジションが優勢な状況が続いてはいますが、伸び悩む状態が続いており、今後の変化を見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/4/27)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは上下に振れる動きが続いた後、終盤にかけては下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると売買の偏りは少ないものの、直近の下押しで含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、下落を後押しすることが想定され、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
依然として大きな方向感を見出しにくい状況が続いていますが、安値を切り下げる動きが続くと、買いポジションの損切りの売りも絡め、下落基調が強まる可能性も視野にいれながら、方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは売買双方が増加となりましたが、ネットすると、売りポジション比率が少し減少となりました。依然として偏りが少ない状況が続いており、来週も引き続き、いずれのポジション比率が増えるかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/4/27)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は底堅い動きとなり、高値を更新する動きとなったものの、週末には下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率が少し高い中、直近の下押しにより含み損を抱えた買いポジションが少し目立つ状況となっており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、これらのポジションの損切りの売りに注意が必要となりそうです。
引き続き上昇基調が続いてはいますが、安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調が続くかを見守りたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
S&Pの先物市場における投機筋のポジションを見ると、買いポジションの比率が多い状態に転じていますが、依然として、売買の偏りの少ない状況が続いています。今後、ポジションの偏りが出てくのかを見守りたいところです。
【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/4/20)】
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