株高、ドル安地合いが続くかに注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年4月19日)
株高、ドル安地合い続く
先週も引き続き経済回復への期待感が根強く、株式市場は欧米株を中心に底堅い推移が続きました。FX市場では、米国債利回りが緩やかに下落したことにより、米ドルの上値の重い状態が続きました。
【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】
米国債利回りの推移を見ると、残存期間が長い債券を中心に緩やかに低下する動きとなりました。
【残存期限別の米国債利回りの推移】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【3Dグラフで見た米国債イールドカーブの推移】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
ドル円のチャートに米国10年債利回りと日本10年債利回りの差を表示したチャートを見ると、利回り差縮小に併せてドル円の上値が重くなっているのが確認できます。
【ドル円と米国10年債利回り-日本10年債利回りの比較】
今週も引き続き米国長期金利、株式市場の動向のほか、ECB理事会、経済指標にも注目
今週も米国長期金利の動向に注目が集まりそうです。引き続き下押しが続くのか、それとも再上昇に転じるかにより、米ドルの強弱、株式市場が影響を受けることが想定されます。また、高値更新が続く欧米の株式市場が引き続き上昇基調が続くかにも注目したいところです。
また、欧州では、ECB理事会が予定されています。前回の会合でPEPPの買い入れ加速を決定したばかりということもあり、今回の会合での金融政策の変更の可能性は低いと考えられますが、ラガルド総裁の会見内容等にユーロが過敏に反応する可能性もあるため、注意が必要です。
経済指標は、米国で中古販売件数等の住宅関連の経済指標、欧州では各国のPMIの速報値の発表が予定されており、堅調地合いを維持できるかに注目が集まります。
このほか、英国では消費者物価指数、雇用統計、小売売上高等の重要経済指標の発表が予定されています。景気回復の兆しが確認できるとポンドの下支え材料となりそうです。
主要通貨の強弱
先週のFX市場は米ドルが全面安となったほか、カナダドルやスイスフランが比較的弱い動きとなりました。一方で強い推移となったのは豪ドル、NZドルといったオセアニア通貨のほか、前週は弱かったポンドが少し反発となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートを見ると、米ドルの下落が続いているのに対し、直近ではオセアニア通貨が反発しているのが確認できます。ただし、全体的に強弱の幅は縮小しているようです。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の変化率
米国市場
先週もFRBの強力な金融緩和、コロナ禍から経済正常化への期待感等を背景に、底堅い推移が続き、US500等で最高値更新が続きました。
欧州市場
欧州の株価指数も米国株式市場同様に底堅い推移が続き、最高値を更新する銘柄が増えています。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は、欧米の株価指数に比べると最高値を更新する銘柄は少ないですが、概ね底堅い推移が続きました。
主要銘柄の相関性分析
先週の主要なドルストレートの銘柄の相関性を見ると強弱の差はあるものの、主要通貨は概ね対ドルで近い動きとなっていたのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
先週は米ドル中心の相場であったこともあり、ドル円、クロス円の銘柄の相関性は、バラバラでまとまりのない状態となっており、円の強弱ははっきりとしませんでした。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、株式市場とドルストレートとの相関性が高く、株式市場が上昇すると、ドル売り、株しい市場が下落するとドル買いという動きになっていたのが確認できます。これに対し、株式市場とクロス円の相関性を見出しにくい状態が続きました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は上値の重い推移となり、108円台まで下落する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると依然として買いポジションの比率が高い状態が続いていますが、下押しが続いたことにより、買いポジションのほとんどが含み損を抱えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え下落を後押しすることが想定され、上値の重い状況が続く可能性を見出すことができそうです。
今週のドル円は、直近のサポート水準を守れるか、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは売買双方増加となりましたが、円売りポジションの増加数の方が少し多く、ネットすると円売りポジションが微増となりました。依然として円売りポジションの方が優勢な状況が続いていますが、今後もこの流れが続くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/4/13)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週もユーロドルは底堅い推移が続き、1.2に迫る水準まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率が58%程度まで上昇する中、上昇基調が続いたことにより、その多くが含み損を抱えており、高値を切り上げる動きとなると、これらの売りポジションの損切りの買いが増え、また、下押した水準ではこれらのポジションの利益確定の買い戻しが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
今週もしっかりと高値を切り上げることができるか、下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、上昇基調が続くかを見守りたいところです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションは買いポジション、売りポジションが双方減少し、ネットすると、前週に続き、買いポジション比率が低下となりました。
依然として、ユーロ買いのポジションが優勢な状況ではありますが、買い比率の低下が続いており、この傾向が続くかに注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/4/13)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは反発に転じ、1.38台中盤まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買ポジション比率の偏りは少ないものの、反発地合いが強まったことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切の買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
下押しの際はレジスタンスであった1.38付近の水準や安値を結んだライン、直近のサポート水準等を守れるか、上値を探る動きとなった場合は直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいところです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売買双方のポジションが増加となる中、ネットすると買いポジション比率が少し増加となりました。
依然として買いポジションが優勢な状況が続いてはいますが、伸び悩んでおり、増加傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/4/13)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは底堅い推移となり、0.776付近まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、底堅い推移となったことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
下押しの際はレジスタンスであった0.7675付近や安値を結んだライン、直近のサポート水準等を守れるか、上値を探る動きとなった場合は高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調が続くかを見守りたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは売買双方が微増となる中、ネットすると、買いポジションが少し減少となりました。依然として偏りが少ない状況が続いており、売買いずれに傾くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/4/13)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は底堅い推移が続き、4200に迫る動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションが63%台まで傾く中、上昇により、その多くが含み損を抱える状況となっており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
下押しの際は安値を結んだトレンドラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は、しっかりと高値を切り上げることができるか等に注目しながら、今週も上昇基調が続くかを見守りたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
S&Pの先物市場における投機筋のポジションを見ると、前週に続き、売買の偏りの少ない状況が続いています。今後、ポジションの偏りが出てくのかを見守りたいところです。
【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/4/13)】
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