株式市場は堅調地合いを維持できるか? 米国債利回りはジワリと上昇 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年2月22日)
株価指数は上昇一服、米国債利回りは上昇
【S&P500(CFD)週足チャート】
先週の株式市場は調整売りに押されるものの、下押した水準では底堅く、高値圏での推移が続いています。このまま上昇基調が続くのか、調整売りが強まるのかに注目したいところです。
米国10年債利回りは、1.3%台に乗せる水準まで上昇し、軟調な米ドルの下支え材料となり、ドルインデックスは下げ渋る状態が続いています。
【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】
パウエルFRB議長の議会証言に注目
今週は米国でパウエルFRB議長の議会証言が予定されています。今後の米国の金融政策の手がかりを求めて、注目されることが想定されます。
事前の資料からは大きなサプライズとなる可能性は低いと考えられますが、市場が過敏に反応する可能性もあるため、証言中は市場の値動きに注意が必要となりそうです。
経済指標は米国でGDP改定値、耐久財受注、個人消費支出等、ユーロ圏ではドイツのIFO景況指数等、英国では雇用統計の発表等が予定されています。
昨今の傾向では市場に大きなインパクトを与える可能性は低いと考えられますが、市場予想との乖離が大きいと反応も大きくなる可能性があるため、一応注意が必要です。
直近30日間の主要通貨の強弱
先週のFX市場は円、スイスフランが弱いほか、米ドル、ユーロなどが比較的弱いのに対し豪ドル、ポンド、NZドルが比較的強い推移となり、リスク許容度が高い状態のときに多い動きとなりました。
直近1カ月の強弱を見ても、円、スイスフラン、ユーロ、米ドルが弱いのに対し、ポンド、豪ドル、NZドルなどが強い状態が続いています。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の増減率
米国市場
先週の米国株式市場は調整売りに押され、伸び悩む動きとなりましたが、下押した水準では底堅く、依然として高値圏での推移が続いています。
欧州市場
欧州の株価指数調整売りに押され、伸び悩む動きとなりました。欧州の株価指数の中では、英国の株価指数が比較的大きな下押しとなりました。
アジア・オセアニア市場
アジア、オセアニアの株価指数も伸び悩む動きとなりました。底堅い推移が続いた中国株式も下押しが強まりました。
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの主要銘柄の値動きの相関性を見ると、対米ドルでの各主要通貨の動きには一定の相関性はあるものの、前週に比べると、薄れているのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円とクロス円の通貨ペア同士の相関性を見ると、ドル円とクロス円の相関性は低いですが、ポンド円、豪ドル円、NZドル円、カナダ円等の通貨ペア同士では、比較的相関性が高い動きとなりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、株価指数とドルストレート、クロス円共に相関性は薄く、米国株式市場とFX市場の相関性が低い状態となりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、通貨先物市場(FX)のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は底堅い推移が続き、106.20付近まで上昇後、調整売りに押され、105.20付近まで下押しする動きとなりました。
週末には下げ止まり感も少し出てきてはいますが、OANDAのオープンポジションを見ると買いポジションの比率が61.2%と比較的高い中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションも多く、下押しが続くとこれらのポジションの損切りの売りも加わり、短期的にでも下落が勢いづく可能性にも少し注意が必要となりそうです。
反発に転じた場合も高値圏ではこれらの買いポジションの利益確定売りが増える可能性にも注意したいです。
今週のドル円は、しっかりと踏ん張り、上昇基調を維持できるかに注目したいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは売買双方のポジションが微増となりました。
売買をネットすると、円買いポジションが少し増えており、今後も増加傾向が続くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/02/16)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは下押し後、反発する動きとなり、方向感を見出しにくい状況が続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りはあまり大きくない中、直近の上昇により、1.21台前半の水準で構築されたものを中心に含み損を抱えた売りポジションが増えており、高値を切り上げる動きとなると、短期的にでもこれらのポジションの損切りを絡めた上昇に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、徐々に値動きが収縮するような動きとなっており、均衡が上下のいずれに崩れるかを見守りながら、方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションは前週からほぼ横ばいとなりました。ピーク時に比べると、ある程度調整が入り、買いポジション比率が減少していますが、今後、値動きの動きと合わせて、再度買いポジションが増加するか、減少傾向が続くのかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/02/16)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週もポンドドルは底堅い推移となり、1.4台に乗せる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が60.9%台まで上昇する中、底堅い推移となったことで、その多くが含み損を抱えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の下押しで含み損を抱えた買いポジションも少し出てきており、調整売りが続くとこれらのポジションの損切りも絡めた下押しにも注意が必要となりそうです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週から横ばいとなり、ネットすると、買いポジション比率が高い状態が続いています。
徐々に買いポジションへの偏りが大きくなっており、今後もこの傾向が続くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/02/16)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは伸び悩む動きが続いたものの、終盤には高値を切り上げる動きとなり、0.78台後半まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率が58%台と比較的高い中、底堅い推移が続いたことにより、売りポジションの多くが含み損を抱えており、下押しした水準ではこれらのポジションの安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなった場面では損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは前週から横ばいとなり、引き続き売買の偏りが少ない状況が続いており、今後、売買の偏りが売買いずれに傾くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/02/09)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は底堅いものの、高値圏で伸び悩む動きとなりました。
依然として上昇基調が続いていますが、OANDAのオープンポジションを見ると、高値圏で買い、下押しにより含み損を抱えた買いポジションが少し増えており、調整売りが強まると、これらのポジションの損切りの売りを絡めた下押しに注意が必要となりそうです。
今週も最高値を更新することができるか、下押しの際は買いがしっかりと入ってくるかに注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
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