株式市場は引き続き底堅い推移 今週は各国の経済指標に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年2月15日)
主要株価指数が堅調地合いを維持
【S&P500(CFD)週足チャート】
先週も株式市場は主要国の金融緩和の長期化、バイデン新政権の経済政策への期待感が根強く、底堅い状態が続いています。
米国10年債利回りは引き続き景気回復期待と国債発行額の増加見込み等により、ジリジリと上昇しています。
米ドルの上昇は一服し、前週に続き対ポンド、豪ドルで売られたほか、対ユーロ、円でも軟調な推移となりました。
【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】
今週は各種経済指標に注目
今週は各国で重要な経済指標の発表が続きます。今後の各国の中央銀行の金融政策を占う上で重要なものも多く、注目が集まりそうです。
米国では、小売売上高、鉱工業生産、中古住宅販売件数等の経済指標、FOMC議事録の公開が予定されています。
小売売上等の経済指標が雇用統計に続き、冴えない結果が続いてしまうと、市場がネガティブに反応する可能性も考えられます。ただし、金融緩和の長期化が意識される可能性も考えられ、悩ましいところです。いずれにせよ、短期的には不安定な推移となる可能性も考えられるため、発表前後の値動きには少し注意が必要です。
欧州ではドイツのZAW景況指数、ユーロ圏各国のPMI速報値が予定されています。ロックダウン状態が続く都市も多い中、ワクチン接種への期待感等から、景況感が改善の兆しが出てくるかに注目が集まります。
本邦ではGDP速報値、消費者物価指数などの経済指標の発表が予定されています。昨今では無風通過となることが多い経済指標ですが、日銀の金融政策(マイナス金利の深掘りの可能性)にも少し注目が集まっており、市場予想との乖離が大きいと過敏に反応する可能性があるため、少し注意したいです。
このほか、英国では消費者物価指数、小売売上高、PMI速報値、オーストラリアでは雇用統計、小売売上高の発表も予定されており、それぞれ注意が必要となりそうです。
直近30日間の主要通貨の強弱
先週のFX市場は豪ドル、ポンド等が底堅い推移となったのに対し、米ドル、円が弱い推移となりました。
直近1カ月の強弱ではポンド、ユーロが強いのに対し、円、スイスフラン、米ドルが弱い推移となっています。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の株価指数の増減率
米国市場
先週の米国株式市場は伸び悩む動きとなったものの、週末にかけて再度高値を追う動きとなり、堅調地合いを維持しています。
欧州市場
欧州の株価指数は下押す場面もありましたが、米国株式市場同様に週末にかけては盛り返す動きとなりました。
アジア・オセアニア市場
アジア、オセアニアの株価指数も中国株式を中心に堅調な推移が続いています。日本株も引き続き底堅く、バブル崩壊後の高値を切り上げる動きとなっています。
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの主要銘柄の値動きの相関性を見ると、前週から一変し、各主要通貨が対ドルで相関性の高い動きとなっており、ドル中心で動いていたのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円とクロス円の通貨ペア同士の相関性はカナダドル円を除いて相関性は薄く、ここからもドル中心の相場であったと予想することができます。ただし、円が他の通貨に比べて弱い状態であったこともあり、クロス円同士の相関性は比較的強い結果となっています。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性では、株価指数とドルストレートの通貨ペアの相関性は多少あるものの、前週よりも低下気味であるほか、クロス円との相関性は薄く、米国株式市場とFX市場の相関性が薄くなっているのが確認できます。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、通貨先物市場(FX)のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は上値の重い推移となりましたが、1月中旬にレジスタンスとなった104.40付近がサポートとなり、反発する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると買いポジションの比率が65.6%と増加する中、先週中盤からのレンジである104.40-105.20付近の水準で構築された買いポジションが多い状況です。
高値をしっかりと切り上げる動きとなると、後半の反発により含み損を抱えた売りポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移となる可能性が考えられる一方で、買いポジションの利益確定売りが上値を圧迫する可能性にも注意が必要となりそうです。
今週のドル円は、しっかりと高値を切り上げることができるか、上昇した水準で利益確定の売りがどの程度入るか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは円売りポジションは横ばいでしたが、円買いポジションが減少したことにより、全体で円買いポジションの比率が低下しています。
買いポジションが減少したものの、依然として円買いポジションが優勢な状況が続いており、これらのポジションの決済売りが増えると、ドル円ももう一段の上昇余地は残されているように見えます。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/02/09)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは底堅い推移が続き、1.215付近まで上昇となりました。
その後は1.21を割り込む水準まで下押したものの、買い戻しが入り、1.21台を回復して週末を迎えました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が57.7%と少し多い中、先週の後半のレンジである1.2080-1.2150付近の水準で構築されたポジションが多く、売買の力が均衡する状態が続いています。
大きな方向感を見出しにくい状況が続く中、まずは直近のレンジを上下いずれに抜けだすか等に注目しながら、売買いずれのポジションが苦しくなるかを見守りたいところです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションは前週からほぼ横ばいとなりました。ピーク時に比べると、ある程度調整が入り、買いポジション比率が減少していますが、今後、値動きの動きと合わせて、再度買いポジションが増加するか、減少傾向が続くのかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/02/09)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは底堅い推移となり、直近のレジスタンス水準の1.376をしっかりと上抜け、1.3865付近まで上昇しています。その後も下押した水準では買いが入り、底堅いまま週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が62.2%台まで上昇する中、底堅い推移となったことで、その多くが含み損を抱えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
しっかりと高値を切り上げる動きとなった後だけに、今週も底堅い推移が続くかを見守りたいところです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは買いが増加、売りが減少し、ネットすると、買いポジション比率が増加しています。
徐々に買いポジションへの傾きが大きくなっており、今後もこの傾向が続くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/02/09)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは底堅い推移が続き、0.7770付近まで上昇する動きとなりました。後半は伸び悩む動きとなりましたが、下押した水準では買いが入り、底堅い状態のまま週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率が少し上昇する中、底堅い推移が続いたことにより、その多くが含み損を抱えており、下押しした水準ではこれらのポジションの安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなった場面では損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは前週から横ばいとなり、引き続き売買の偏りが少ない状況が続いており、今後、売買の偏りが売買いずれに傾くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/02/09)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は伸び悩む動きが続いたものの、週末にかけては高値を切り上げる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションが67%台まで上昇する中、その多くが含み損を抱えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増えることが想定され、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
今週も最高値を更新することができるか、下押しの際は買いがしっかりと入ってくるかに注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。