FXに関するコラム・豆知識

米国FOMC、米独仏のGDP等に要注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年1月25日)


米国株は堅調地合いを維持、ドルインデックスは伸び悩み


先週は米国で大統領の就任式が行われ、無事政権交代が行われたことを受けて、経済対策への期待感が高まったほか、中国のGDPが底堅い結果となったことも重なり、米国の主要な株価指数が最高値を更新するなど、強気な相場となりました。

FX市場では小動きが続く中、イタリアの政局不安が一段落したこともあり、ユーロが反発に転じたのに対し、反発地合いが強まっていた米ドルは上値の重い推移となりました。また、底堅い動きが続いていた米国10年債利回りは1%台で伸び悩む状態が続いています。

 

【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】


今週はFOMC、米独仏GDP等に注目


今週は米国の金融政策を決定するFOMCの開催が予定されており、声明文、パウエル議長の記者会見に注目が集まります。

これまでの材料から考えると、今回の会合における政策変更の可能性は低く、大きなサプライズの可能性は低いと考えられますが、声明文やパウエル議長の記者会見の内容に過敏に反応し、短期的に不安定な相場となる可能性も考えられるため、声明文の発表前後、パウエル議長の記者会見中の動きには注意したいです。

また今週は米国、ドイツ、フランスの昨年の第4四半期のGDPの発表が予定されています。昨今の市場は以前に比べると経済指標への反応は限定的となることが多いですが、市場予想との乖離が大きいと発表直後に不安定な推移となったり、偏った結果が続くと相場の流れを変えるきっかけとなるため、一応注意が必要です。

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら


直近30日間の主要通貨の強弱


先週のFX市場では、前週はイタリアの政局不安等を理由に軟調な推移となっていたユーロが反発に転じる動きとなったほか、リスクオンのドル売りが強まり、先週まで反発地合いが強まっていた米ドルは失速する動きとなりました。ただし、直近30日間の値動きを見ると、依然としてユーロは弱く、米ドル、円、ユーロが弱いのに対し、豪ドル、ポンド、NZドルが比較的強い相場が続いています。

【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら

先週の通貨別の騰落率を見ると、ユーロが反発に転じ他の通貨に対して強かったほか、NZドルの強さが目立っています。このほか、ポンドも比較的強い状態を維持しています。

これに対し、米ドル、カナダドル、円が弱い推移となったほか、前週まで比較的強かった豪ドルが経済指標が冴えない結果となったこともあり、失速となりました。

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら


直近30日間の株価指数の増減率


米国市場

先週の米国株式市場は新大統領を歓迎し、底堅い推移となりました。主要な株価指数CFDの値動きでは、ナスダック(US100)の勢いが強いのに対し、NYダウ(US30)の値動きは比較的緩やかな動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

欧州市場

欧州の株価指数は序盤こそ底堅い動きとなりましたが、後半は概ね失速となりました。直近30日間の値動きを見ると、オランダの株価指数の強さが目立っています。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

アジア・オセアニア市場

アジア、オセアニアの株価指数は概ね底堅い推移となる中、台湾の株価指数(TWIX)や香港の株価指数(HK50)の強さが目立っています。

日本株(JP225)も米国株式の上昇に併せ底堅いですが、緩やかな上昇となっています。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

主要銘柄の相関性分析


先週のドルストレートの主要銘柄の値動きの相関性を見ると、ドル中心で概ね動いているものの、円、豪ドル、カナダドルが対ドルでの動きで相関性を強いのに対し、USD/JPYと比較的相関性の薄いEURUSD、GBP/USD、USD/CHF間の相関性が強く、円、豪ドル、カナダドルのグループとユーロ、ポンド、スイスフランといった欧州通貨とは少し異なる動きをしていたようです。

【直近1週間の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

ドル円とクロス円の通貨ペア同士の相関性を見ると、USD/JPYとクロス円の間では強い相関性を見出すことはできず、むしろ逆相関の関係にある銘柄の方が多い状態であったのが確認できます。

また、クロス円同士では比較的強い相関のものが多く、米ドル以外の通貨に対して、円の強弱がはっきりしていたようです。先ほどご紹介した先週の通貨別騰落率と併せて見ると、米ドル以外のほとんどの主要通貨に対して円が弱い推移となっていたのが確認できます。

【直近週間のドル円、クロス円の相関性】

先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性では、株価指数と米ドルの相関性が高く、株価指数が上昇するとリスク選好のドル売り、株価指数が下落するとリスク回避のドル買いという関係になっていたのが確認できます。

また、US500とGBP/JPY、AUD/JPYの相関性も比較的強い結果となり、株価指数が上昇すると、GBP/JPY、AUD/JPYが上昇、株式市場が下落すると下落という関係を見出すことができますが、EUR/JPYは相関性が薄く、クロス円全てが株式市場と相関性が強いというわけではないようです。

【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


OANDA、通貨先物市場(FX)のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週の米ドル/円は方向感の鈍い推移が続きました。4時間足チャートを見ると、反発地合いが続いていましたが、高値を更新できない動きが続き、伸び悩む推移が続いています。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションが6割とやや多いですが、103円台後半を中心に直近のレンジ内で構築されたポジションが多く、均衡が本格的に崩れる動きとなると、売買のいずれかのポジションの損切りが増え、方向感がしっかしと出てきそうな気配となっています。

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは売買ともに微増となりましたが、大きな変化はなく、円買いが優勢な状況が続いています。このまま円買いが優勢な状況が続くのか、決済売りが増えるのかに注目したいところです。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/01/19)】

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ユーロ/米ドル(EUR/USD)

前週弱い推移となったユーロ/米ドルは反発に転じる動きとなりました。

4時間足チャートでは、安値、高値を切り上げる動きが続く中、もう一段の上昇となると、日足チャートのパラボリックの上のSARに到達し、大きな流れが変わる可能性を見出すことができそうです。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションが54%台とやや多い中、直近の反発により含み損を抱えた売りポジションが増えており、高値を切り上げる動きとなると、これらのポジションの損切りの買いが増える可能性に注意が必要となりそうです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の先週火曜日時点におけるユーロのポジションは売買双方のポジションが増えましたが、ネットすると買いポジションが微増となりました。過去の傾きを見ると、買いポジションのもう一段の積み増し余地は残されてはいますが、買いポジションに大きく傾く状況が続いていることもあり、将来的にはこれらのポジションの決済にも注意が必要となりそうです。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/01/19)】

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ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週のポンド/米ドルは底堅い推移が続き、高値を切り上げる動きとなりました。

ただし、週末には少し失速し、上昇の勢いはそれほど強くないようにも見えます。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が55%とやや多い中、底堅い推移が続いたことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すこともできますが、直近の下押しで苦しくなった買いポジションも少し増えており、下押しが続くと、これらのポジションの損切りや上昇過程で構築された買いポジションの決済売りにも注意が必要となりそうです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の先週火曜日時点における通貨先物市場のポジションはネットすると、買いポジションがやや優勢な状況が続いていますが、売買双方が微減と悩ましい状態です。今後、買いポジションの比率が増えるのか、それとも偏りが少ない状況が続くのかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/01/19)】

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豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは序盤こそ底堅い推移となったものの、後半は上値の重い推移となりました。

4時間足チャートを見ると、高値を切り上げることができない動きが続いており、流れが変わる可能性にも少し警戒が必要な状況と考えられそうです。

OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ないものの、週末の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、安値を結んだラインや直近のサポート水準を割り込むような動きとなると、苦しくなったこれらのポジションの損切りの売りが増え、短期的にでも下落が勢いづく可能性に注意が必要となりそうです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の先週火曜日時点における通貨先物市場におけるポジションは豪ドル買いのポジションが微減、売りポジションが微増とネットすると、買いポジション比率が微減となりましたが前週からほぼ横ばいとなりました。依然として偏りの少ない状況が続いており、売買いずれに傾くかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/01/19)】

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CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は高値を切り上げる動きとなり、上昇基調が続きました。ただし、日足のRSIを見ると、上昇の勢いが和らいでいるようにも見え、しっかりと上昇基調が続くかを見守りたいところです。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションが56%台とやや多い中、底堅い推移が続いたことにより、その多くが含み損を抱えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切の買いが増える可能性に注意が必要となりそうです。

ただし、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションも増えており、下押しが続くとこれらのポジションの損切りが増え、下落を後押しする可能性に注意が必要となりそうです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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