ドル円は145円付近で失速 株式市場は反発 今週は米国消費者物価指数に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年9月12日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は、週間を通して円が全面安となったのに対しスイスフランが強い推移となりました。米ドルは前半、強い推移となったものの、後半は失速し、週間を通しては比較的軟調な推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、円とポンドの弱さが目立っています。また、強かった米ドルは直近で少し失速となりました。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、米ドルは対円や対南アフリカランド以外で、相関性が比較的高い動きとなりました。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は円が全面安となったこともあり、全体的に高い相関係数となりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアを見ると、EURは対スイスフラン以外では、比較的高い相関関係となりました。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは下落が一段落し、反発に転じています。
欧州市場
欧州の株価指数も終盤にかけて反発に転じています。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数も全体的に反発に転じています。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
先週の米国債利回りは、前週に続き、上昇傾向が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、全体的に上昇となりましたが、依然として短期債利回りが10年債利回りを上回る状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolの次回(2022年9月開催)のFOMCでの利上げ確率は、先週末に雇用統計の結果を受けて50bp(0.5%)利上げの可能性が少し盛り返しましたが、時間と共に75bp(0.75%)の利上げに固まりつつあるようです。
出所:CMEグループ
FedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週もドル円は上昇基調が続き、145.00に迫る水準まで上昇後、141.50付近まで下押し、142円台で週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに傾く中、直近の下押しで苦しくなった買いポジションが多い状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、これらの買いポジションの損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値を更新できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、前週に続き、円売りポジションの比率が増加となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/9/6)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは前半は上値が重く、一時は0.986付近まで下押しする動きとなりましたが、後半は底堅く、1.012付近まで反発し、1.00台で週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の反発で含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では、利益確定の買い戻し、高値を切り上げる場面では損切りの買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、直近では、安値、高値を切り上げる反発地合いに転じつつあり、この流れが続くかを見守りたいところです。安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値をしっかりと超えることができるかに注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週と大きな変化はありませんが、売りポジションの比率が減少に転じています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/9/6)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは上値の重い推移が続き1.14付近まで下落したものの、後半は底堅く、一時は1.16台を回復する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに大きく傾く中、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが目立つ状況です。
このため、下押しした際は、安堵の利益確定の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では、安値、高値を切り上げる動きに転じています。下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいところです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週に比べ、売りポジション比率が増加しています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/9/6)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは上値の重い推移となり、0.67付近まで下押し後、0.68台後半まで反発する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の反発で含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近の高値を切り上げる動きとなりました。下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値を守れるか、上値を探る場面では直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジション比率が前週に続き、少し減少しています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/9/6)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は下落基調が続き、3900を少し割り込む水準まで下押し後、後半は反発に転じ、4070付近まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに少し傾く中、直近の反発で苦しくなった売りポジションが多い状況です。
このため、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では安値、高値を切り上げる動きに転じています。下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場では、売買双方のポジションが減りましたが、売買比率は前週とほぼ同じで売りポジションに傾く状況が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/9/6)】
今週の注目材料
今週は米国で消費者物価指数の発表が予定されています。
今のところ、市場の次回FOMCにおける利上げ幅予想は75bpに固まりつつある中、消費者物価指数の結果もこれを肯定する材料となるかに注目が集まります。
また、翌日に発表され、消費者物価指数の先行指標となる生産者物価指数にも注目したいところです。
このほか、米国では小売売上高や鉱工業生産、NY連銀製造業指数やミシガン大消費者信頼感指数の速報値等、重要経済指標の発表が続きます。
ユーロ圏ではドイツのZEW景況指数のほか、各国の消費者物価指数の改定値の発表が予定されています。消費者物価指数の改定値は、変更がなければ影響は限定的と考えられますが、改定が入るとインパクトが大きくなる可能性も考えられそうです。
英国では15日にBOEの金融政策委員会の会合が予定されていましたが、エリザベス女王の死去を受けて、22日に変更となりました。ただし、英国消費者物価指数、雇用統計、鉱工業生産、小売売上高等の重要経済指標の発表は予定通り発表となりそうです。
今週の主な経済指標
米国
9/13 21:30 米国 8月消費者物価指数
9/14 3:00 米国 8月月次財政収支
9/14 21:30 米国 8月生産者物価指数
9/15 21:30 米国 8月米国小売売上高
9/15 21:30 米国 9月ニューヨーク連銀製造業景況指数
9/15 21:30 米国 8月輸入物価指数
9/15 21:30 米国 週間新規失業保険申請件数
9/15 22:15 米国 8月鉱工業生産、設備稼働率
9/15 23:00 米国 7月企業在庫
9/16 23:00 米国 9月ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)
9/17 5:00 米国 7月対米証券投資
ユーロ圏
9/13 15:00 ドイツ8月消費者物価指数(改定値)
9/13 18:00 ドイツ9月ZEW景況指数
9/13 18:00 ユーロ圏9月ZEW景況指数
9/14 18:00 ユーロ圏7月鉱工業生産
9/15 15:45 フランス8月消費者物価指数(改定値)
9/15 18:00 ユーロ圏7月貿易収支
9/16 18:00 ユーロ圏8月消費者物価指数(改定値)
日本
9/13 8:50 日本4-6月期四半期法人企業景気調査(BSI)
9/13 8:50 日本8月国内企業物価指数
9/14 8:50 日本7月機械受注
9/14 13:30 日本7月鉱工業生産(確報値)
9/15 8:50 日本8月貿易統計
9/15 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
9/15 13:30 日本7月第三次産業活動指数
英国
9/12 15:00 英国7月GDP
9/12 15:00 英国7月鉱工業生産
9/12 15:00 英国7月貿易収支
9/13 15:00 英国8月雇用統計
9/14 15:00 英国8月消費者物価指数
9/16 15:00 英国8月小売売上高
オーストラリア
9/13 9:30 オーストラリア9月ウエストパック消費者信頼感指数
9/13 10:30 オーストラリア8月NAB企業景況感指数
9/15 10:30 オーストラリア8月雇用統計
カナダ
9/16 21:15 カナダ8月住宅着工件数
9/16 21:30 カナダ7月証券投資額
9/16 21:30 カナダ7月卸売売上高
中国
9/16 11:00 中国8月小売売上高
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