1.使用するテクニカルの紹介
この記事では、US30(米国ウォールストリート株価指数30)の日足でブレイクアウトを狙うトレードアイデアを紹介します。
US30は日足ベースで明確なトレンドが出やすい傾向があり、そのような相場環境で役立ちます。
ブレイクアウトとは、直近の高値・安値など相場で意識される価格帯の突破をきっかけに、その方向への値動きが一気に加速することです。
この一方向への大きな値動きを狙うブレイクアウト戦略は、エントリーポイントが明確で勢いづいた値動きが捉えられ、利益を伸ばしやすいという特徴があります。
ただし、ブレイクアウト戦略には「高値(安値)掴みする可能性がある」「ボラティリティが低下しているときに使いにくい」という弱点があります。
今回紹介するトレードアイデアは、その弱点を克服するには「単純移動平均線」と「ADX」を用いるのがポイントです。
それでは最初に使用するテクニカルの概要から解説しましょう。
使用するテクニカルの概要説明
単純移動平均線(21) | 単純移動平均線は、一定期間の終値を平均化するだけのシンプルな計算により作られます(その他に、別の計算をする派生パターンも多く存在)。 そのラインの傾きにより、トレンドの方向性が判断できます。 |
ADX(10) | ADXは「Average Directional Movement Index」の略で、日本語に訳すと平均方向性指数です。 トレンドの強弱をラインで表すテクニカル指標で、相場の上昇・下降を問わず、単純にトレンドが強くなれば上昇、弱くなれば下降していきます。 一般的に、ADXの値が20~30を超えるとトレンドが強い状態と判断できます。 |
画像1は、US30の日足に期間21の単純移動平均線と、期間10のADXを表示したチャートです。
単純移動平均線はトレンドの方向性を判断するのに役立つテクニカル指標で、ラインの傾きが右肩上がりで、その上をローソク足が推移していれば上昇トレンド、ラインの傾きが右肩下がりで、その下をローソク足が推移していれば下降トレンドと判断できます。
一方、ADXはトレンドの強弱を判断するのに適したテクニカル指標です。
このトレードアイデアでは、ADXの値が「30」ラインを超えると、トレンドが強くなりそうだと判断します。
なお、MT4/MT5のADXは、デフォルトでレベル表示がない状態なので、プロパティ画面の「レベル」タブで30のラインを追加して表示しましょう。
画像1/単純移動平均線とADXを表示したチャート
2.トレード手順
単純移動平均線でトレンドの方向性を、ADXでトレンド強さを判断し、直近の高値・安値をブレイクしたタイミングでエントリーします。
ここでは、上昇トレンドを買いで狙う場合のトレード手順を解説します。
下降トレンドを売りで狙う場合は、この条件を反転させて考えます。
<手順①>
トレンドの方向性および強弱を確認
ローソク足が単純移動平均線(期間21)の上を推移していれば上昇トレンドと判断します。
一方、ADX(期間10)の値は30を超えれば、トレンドが強くなっていると判断できるので、買い目線でエントリーを狙います。
<手順②>
直近高値をブレイクしたところでエントリー
上昇トレンドが強くなっていることが分かったら、エントリーのタイミングを待ちます。
直近の高値を上方向にブレイクアウトしたタイミングでエントリーします。
<手順③-A>
利益確定
上昇トレンドの勢いが弱まり、下降トレンドへの転換が考えられるポイントで決済します。
タイミングは2つあり、「ADXの値がピークから下がり始める(図の決済A)」か「単純移動平均線を終値で割り込む(図の決済B)」を満たした時点で利益確定とします。
<手順③-B>
損切り
損切りに関しては、「ブレイクアウトした価格水準」もしくは「直近安値を下回る水準」で行います。
どちらかの水準に損切りの逆指値注文を置くのがセオリーです。
画像2/トレード例
<総括>
このトレードアイデアは、US30の日足ベースで発生しやすいトレンドに対して、ブレイクアウトを狙う戦略です。
ボラティリティの高い相場に絞ってトレードできるのが強みです。
逆にいうと、値動きが乏しい相場でのトレードを回避できます。
US30とは日足ベースでのトレンドが若干異なりますが、US100(ナスダック100)やUS500(S&P500)で用いても良いでしょう。
US30のリアルタイムチャートは、以下から確認できます。
>US30(米国ウォールストリート株価指数30)リアルタイムレート
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