オアンダラボ 30の戦略

US100(米国100株価指数)で平均足とATRを活用するブレイクアウトのトレードアイデア

1.使用するテクニカルの紹介

この記事では、US100(米国100株価指数)でブレイクアウトを狙うトレードアイデアを紹介します。

US100はトレンドが継続する傾向があり、順張りが有効に働く局面が比較的多く見られ、トレンド方向への大きな値動きを捉えるブレイクアウト戦略が機能しやすいです。

トレンドを把握するのに用いるテクニカル指標は、単純移動平均線と平均足です。
単純移動平均線で大きな相場の流れを確認し、平均足でトレンド転換を見極めます。
一つのトレンドフォロー系テクニカルではテクニカル上のダマシが多くなりがちですが、二つのトレンドフォロー系テクニカルを併用することにより、その欠点を補うことが可能です。

また、このトレードアイデアでは決済の目安としてATRを使います。
ATRの値を基準に利益確定幅と損切り幅を設定できるので、どこで決済するか迷うことはありません。
それでは最初に使用するテクニカルの概要から解説しましょう。

使用するテクニカルの概要説明

 
平均足 ローソク足を改良し、トレンドの発生や継続、終了を判断しやすくした指標。
トレンド発生時には同じ色のローソク足が連続(陽連/陰連)しやすく、トレンド転換時には色の切り替わり(陽転/陰転)が発生します。
単純移動平均線(30) 単純移動平均線は、一定期間の終値を平均化するだけのシンプルな計算により作られます(その他に、別の計算をする派生パターンも多く存在)。
そのラインの傾きにより、トレンドの方向性が判断できます。
ATR 「Average True Range」の略で、日本語では「真の値幅の平均」と訳されます。
一定期間の相場が平均でどのくらい値動きしたかを示すオシレーター系のテクニカル指標です。
相場のトレンドが上昇・下降のどちらの局面であっても、大きく動いたときに数値が上昇します。
一般的には、利益確定や損切りの目標を設定する際に利用されることが多いです。

画像1は、US100の日足に期間30の単純移動平均線、平均足、ATRを表示したチャートです。
単純移動平均線の向きが重要で、上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドと判断できます。
また、単純移動平均線の傾きが大きいほど上昇や下降の勢いが強いことを表します。

平均足に関しては、トレンド発生時に同じ色が続きやすく、トレンド転換時に色が切り替わるのが特徴です。
上向きの移動平均線付近での平均足の陽転は押し目買いの、下向きの移動平均線付近での平均足の陰転は戻り売りのチャンスです。

単純移動平均線、平均足、ATRを表示したチャート
画像1/単純移動平均線、平均足、ATRを表示したチャート

2.トレード手順

単純移動平均線で相場の大きな方向性を把握し、その流れに沿って押し目買い/戻り売りを狙います。
単純移動平均線付近での陽転(陰転)ですぐに押し目買い(戻り売り)するのではなく、前回陰連部分の高値(前回陽連部分の安値)をブレイクするまで待つのがポイントです。
これによりエントリーの精度を高められます。

ここでは、上昇トレンドを買いで狙う場合のトレード手順を解説します。
下降トレンドを売りで狙う場合は、この条件を反転させて考えます。

<手順①>
単純移動平均線の向きから大局の流れを判断

まず単純移動平均線(期間30)がどちらを向いているか確認します。
上向きであれば上昇トレンドと判断し、買い目線でのトレードを検討します。

<手順②>
前回の陰連部分の高値を確認

平均足が陰連して単純移動平均線付近に近づいてきたら、その陰連部分の高値を確認します。

<手順②>
陰連部分の高値をブレイクしたらエントリー

平均足が単純移動平均線付近で陽転し、押し目を作ったあと、前回陰連部分の高値を終値でブレイクアウトしたら買いでエントリーします。

<手順④-A>
利益確定

エントリーした時間足のATRを確認し、その値×1.8倍のところに利益確定の指値を入れます。
例えば、ATRの値が「250(ポイント)」なら、エントリー価格から450ポイント(250×1.8)上昇したところです。

<手順④-B>
損切り

エントリーした時間足のATRを確認し、その値×1.2倍のところに損切りの逆指値を入れます。
例えば、ATRの値が「250(ポイント)」なら、エントリー価格から300ポイント(200×1.2)逆行したところです。

ATRの値が「250(ポイント)」なら、エントリー価格から300ポイント(200×1.2)逆行したところ
画像2/トレード例

<総括>

トレンドフォロー系テクニカルを二つ組み合わることで明確なトレンドが出ている状況でブレイクアウトを狙うので、ダマシに遭いにくいのがメリットです。

また、ATRを使ってリスク(損失)とリワード(利益)の比率を1.2:1.8に固定することで、損小利大のトレードを実現できます。
より精度を上げる工夫として、買いのエントリーポイントを前回陰連部分の高値+α、売りのエントリーポイントを前回陽連部分の安値-αに設定したり、リスクリワード比率をアレンジしたりするのも良いでしょう。

US100のリアルタイムチャートは、以下から確認できます。
>US100(米国100株価指数)リアルタイムレート

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