平均足と単純移動平均線を利用した短期型デイトレードのアイデア
1.使用するテクニカルの紹介
この記事では、平均足と移動平均線を利用してトレードするアイデアを紹介します。平均足と移動平均線のクロスをシグナルとしたり、その後に押し目買いを狙ったりと、一つのトレンドで2回の分散エントリーを狙うのが特徴です。上昇トレンドは常に上がりっぱなしということはないので、より優位性の高いトレンドの初動と、その押し目を狙おうという戦略といえます。
このトレードアイデアでは、単純移動平均線を期間35に設定するのがポイントです。期間35~40という期間が、中期的なトレンドとよく連動する傾向を利用します。なお、1時間足以上の時間軸が推奨されます。1時間足でトレードする場合は、数期間で利益を確保する短期型デイトレのような取引です。それでは最初に、使用するテクニカルの概要から解説しましょう。
平均足 | ローソク足を改良し、トレンドの発生や継続、終了を判断しやすくした指標。トレンド発生時には同じ色のローソク足が連続(陽連/陰連)しやすく、トレンド転換時には色の切り替わり(陽転/陰転)が発生します。 |
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単純移動平均線(期間35) | 単純移動平均線は、一定期間の終値を平均化するだけのシンプルな計算により作られます(その他に、別の計算をする派生パターンも多く存在)。そのラインの傾きにより、トレンドの方向性が判断できます。また、ローソク足や平均足とのクロスを、売買シグナルとして利用可能です(ゴールデンクロス/デッドクロス)。 |
画像1は、日足チャートに平均足と35日移動平均線(緑色)を表示した例です。トレンド発生中は平均足の同じ色が連続しやすく、上昇トレンドなら青色(押し目の局面では赤色)、下降トレンドなら赤色(戻りの局面では青色)が並んでいる様子が分かります。明確なトレンドが発生しているときは、続伸と調整の動きが一目で見抜けるようになり、また色が混在しているときは方向感がないという判断が可能です。
一方の移動平均線は、その傾きがトレンドを示唆します。右肩上がりの局面は上昇トレンド、それ以降の横ばいの局面はもみ合い相場であると考えることができます。
画像1/テクニカルを表示した日足チャート
2.トレード手順
ここでは、上昇トレンドを買いで狙う場合のトレード手順を解説します。下降トレンドを売りで狙う場合は、この条件を反転させて考えます。
<手順①>平均足が移動平均線を上抜いたら1回目のエントリー
移動平均線よりも下を推移する平均足が、移動平均線とクロスして上抜いたら、買いでエントリーします(1回目)。その際、終値ベースで考え、平均足がしっかりと上抜いて終値を確定させた場合のみ有効です。平均足形成中の一時的な上抜けだけではエントリーしません。
<手順②>平均足が陰転した後、トレンドに回帰したら2回目のエントリー
1回目のエントリー後に上昇トレンドが順行すると、陽線が連続していきます。そのトレンドの勢いが衰えて押し目を作ると陰転する性質があり、そこで押し目買いを狙う2回目のエントリーが有効です。陰転して押し目を作った後に、再びトレンドに回帰する陽転が発生したときに買いでエントリーします。
<手順③-A>利益確定
エントリー後に下の条件で損切りを設定し、その値幅の1.5倍を利益確定の目標とします。損失対利益(リスクリワード)を、1対1.5にするわけです。損切り幅が10pipsなら、利益幅として15pipsを狙います。
<手順③-B>損切り
エントリーした平均足の安値水準に、損切りの逆指値注文を入れます。もし損切りまでの値幅が短すぎるようなら、1本前の平均足の安値水準を損切りラインとします。これらの決済注文は、損切りと利益確定を同時に発注するOCO注文の利用が良いでしょう。
画像2/トレード例
<総括>
このトレードアイデアでは、トレンドの発生と、小休止(押し目)のタイミングで、最大2回のポジションを取るのが特徴です。その際、2回の分散エントリーを1セットと考えて、取引数量を普段の半分にすることで、リスクを抑えるという考え方も有効です。取引対象としては、一定のボラティリティがあるメジャー通貨ペアがおすすめといえます。
視覚的に取引タイミングを見抜きやすいので、迷うことなく実行できるでしょう。エントリー時に損切りと利益確定の目標を発注できるので、ポジション保有後は相場に張り付いている必要はありません。
株式会社トレードタイム代表 平野朋之氏監修
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