3本の移動平均線を利用したスキャルピングトレードのアイデア
1.使用するテクニカルの紹介
この記事では、3本の移動平均線を利用してトレードするアイデアを紹介します。トレンド判定用に用いる単純移動平均線(期間40)は一般的に使われるものですが、高値移動平均線、安値移動平均線(ともに期間2)を用いる点がユニークです。見た目としては期間2の両移動平均線がローソク足をはさんで帯状となります。
その帯がポイントで、上昇トレンド中はローソク足が下限に触れたところで買って、上限に触れたところで売ります。トレードには30分足を用います。ポジション保有時間はそう長くなく、ローソク足1~2本以内で決済されることが多いです。長めのスキャルピング、超短期のデイトレードといったイメージです。
トレンドが継続している間は、複数回トレードのチャンスが発生するのが特徴で、小さな利益をコツコツと積み上げていくタイプの戦略となります。それでは最初に、使用するテクニカルの概要から解説しましょう。
単純移動平均線(40) | 単純移動平均線は、一定期間の終値を平均化するだけのシンプルな計算により作られます(その他に、別の計算をする派生パターンも多く存在)。そのラインの傾きにより、トレンドの方向性が判断できます。 |
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高値移動平均線(期間2) | 平均化の計算を、終値ではなく高値で行います。逆張りのエントリーや決済の指標として利用します。 |
安値移動平均線(期間2) | 平均化の計算を、終値ではなく安値で行います。逆張りのエントリーや決済の指標として利用します。 |
画像1は、30分足チャートに期間40の単純移動平均線(緑色)と、期間2の高値移動平均線(青色)、安値移動平均線(赤色)を表示した例です。単純移動平均線はその傾きにより中期の方向性を表し、右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンド、横向きならトレンドレス(もみ合い)と判断することができます。
期間2の高値・安値移動平均線は、ローソク足を挟み込んだ形で推移します。単純移動平均線より上に位置すれば上昇トレンド、下に位置すれば下降トレンドです。ちなみに、MT4/MT5では移動平均線のパラメータ設定画面の、「適用価格」をHighにすると高値移動平均線、Lowにすると安値移動平均線が表示されます(デフォルトはClose=終値移動平均線)。
画像1/テクニカルを表示した30分足チャート
2.トレード手順
ここでは、上昇トレンドを買いで狙う場合のトレード手順を解説します。下降トレンドを売りで狙う場合は、この条件を反転させて考えます。
<手順①>単純移動平均線より、高値・安値移動平均線が上に位置しているのを確認
期間2の移動平均線の帯が、単純移動平均線の上方に位置しているかを確認します。この条件を満たしていれば、目線を買いに固定です。移動平均線が横ばいであったり、あまり角度のなかったりする場合は、トレードを見送ります。
<手順②>安値移動平均線にローソク足がタッチしたらエントリー
帯の下側である安値移動平均線に、ローソク足がタッチしたらエントリーです。終値ベースで考える必要はなく、タッチを目視できた段階でエントリーします。なお、ポジションを建てるは一つだけとし、既にポジションを持っている場合に条件を満たしても二つ目のポジションは建てません。
<手順③-A>利益確定
高値移動平均線にタッチしたら利益確定とします。ローソク足1~2本といった早めのタイミングで利益確定となるケースが多いです。利益確定後は再度チャンスが発生しやすく、一つのトレンドで複数回トレードできるのが特徴です。
<手順③-B>損切り
下方を推移する単純移動平均線にタッチしたら損切りとします。それまでとは逆方向のトレンド発生が考えられるからです。あるいは、ローソク足1~2本で利益確定が達成できなかった場合に、損益にかかわらず決済してしまうのも有効です。
画像2/トレード例
<総括>
高値移動平均線と安値移動平均線で作られる帯の間でのわずかな上昇を、短期売買で狙うトレードアイデアです。30分足をベースに、ローソク足1~2本でトレードを完結させるスピード感が魅力です。エントリーも決済も目視で行うので、相場を見続ける必要があります。安定したトレンドならば、複数回のトレードを繰り返せます。トレンドの環境認識に妥協することなく、優位性の高いトレード局面を探したいところです。
株式会社トレードタイム代表 平野朋之氏監修
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