2本の移動平均線を利用した短期型デイトレードのアイデア
1.使用するテクニカルの紹介
この記事では、2本の移動平均線を利用してトレードするアイデアを紹介します。一方は単純移動平均線(期間40)、もう一方は加重移動平均線(期間5)です。これらの長短移動平均線を組み合わせて、ゴールデンクロス/デッドクロス(短期線が長期線をクロスする動きのことで、トレンドの発生を示唆)を売買シグナルとして考えます。
デイトレードの中でも、頻繁に売買するタイプのトレードアイデアです。30分足以下のチャートでの利用が推奨される短期売買向けであるため、スプレッドの狭いメジャー通貨ペアでトレードすると良いでしょう。 それでは最初に、使用するテクニカルの概要から解説しましょう。
単純移動平均線(40) | 単純移動平均線は、一定期間の終値を平均化するだけのシンプルな計算により作られます(その他に、別の計算をする派生パターンも多く存在)。そのラインの傾きにより、トレンドの方向性が判断できます。期間40は中期的なトレンドを表します。 |
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加重移動平均線(期間5) | 加重移動平均線とは、直近の価格に比重をかけ、古いデータに向けて線形的に比重を減少させて計算した移動平均線です。その計算方法により、単純移動平均線よりも直近の値動きに敏感に反応するのが特徴で、ローソク足の動きに追従しやすくなります。 |
画像1は、期間40の単純移動平均線(赤色)と、5期間の加重移動平均線を表示したチャートです。単純移動平均線が大局の流れを示し、加重移動平均線がローソク足に近い動きを表していることが分かるでしょう。また両者のクロスがトレンド転換のきっかけとなっていることも確認できます。
ちなみに、MT4/MT5では移動平均線のパラメータ設定画面において、「移動平均の種別」をSimpleにすると単純移動平均線、Liner Weightedにすると加重移動平均線が表示されます。
画像1/テクニカルを表示した日足チャート
2.トレード手順
ここでは、上昇トレンドを買いで狙う場合のトレード手順を解説します。下降トレンドを売りで狙う場合は、この条件を反転させて考えます。
<手順①>単純移動平均線が右肩上がりになるのを待つ
単純移動平均線の傾きから、中期的なトレンドを判断します。横ばいのときはトレードを見送り、右肩上がりになってはじめて買いのエントリーを検討します。なお、上昇トレンドの勢いがあり右肩上がりの角度が保たれている場合は、押し目買いのチャンスが複数回訪れることもあるでしょう。
<手順②>加重移動平均線が単純移動平均線を下から上抜いたらエントリー
いわゆるゴールデンクロスが買いシグナルです。動きの早い加重移動平均線が、ゆるやかに推移する単純移動平均線を下から上抜いたら買いのエントリーです。そのクロスについては、ローソク足の終値確定をもって判断します(終値ベースの考え方)。
一時的にクロスが発生しても、終値確定時に元の位置関係となってしまうこともあるため、終値確定まで待つのです。目視で終値を確認するスタイルであるため、30分足よりも短い足が推奨されます。
<手順③-A>利益確定
エントリーしたものを含めてローソク足が3本成立するのを待ち、それらの高値を超えた場合に利益確定とします。エントリーと同様に、こちらも予約注文ではなく目視で行います。
<手順③-B>損切り
エントリーしたローソク足の安値を、損切りの水準とします。こちらはエントリー後に逆指値注文を入れると良いでしょう。
画像2/トレード例
<総括>
長短2本の移動平均線を組み合わせて、そのゴールデンクロス/デッドクロスを売買シグナルとする王道的な戦略です。短期線に加重移動平均線を採用することで、直近の値動きを敏感に捉えようというのがこのアイデアのポイントです。単純移動平均線よりも少し早いタイミングでシグナルを得られます。
注意したいのは、エントリーや利益確定の場面は、目視で行う必要があることです。チャートを見続けなければならないので、それが可能な短めの時間軸を選ぶと良いでしょう。30分足以下が、現実的な時間軸といえるでしょう。
株式会社トレードタイム代表 平野朋之氏監修
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